HSBC調査:新興国投資家が中国経済の回復に強い期待
投資家の中国経済への期待が高まっています。HSBCの最新「新興国市場センチメント調査」によると、新興国市場の見通しを左右する最大の上振れ要因として、中国の回復を挙げる投資家が増えています。
HSBC「新興国市場センチメント調査」とは
国際金融機関HSBCが実施した最新の新興国市場センチメント調査は、2025年1月24日から3月12日にかけて行われました。新興国市場で合計4,390億ドルの資産を運用する125機関・126人の投資家が回答しています。
この調査では、回答者の45%が「新興国市場にとって最大の上振れ要因は中国の景気回復」と答えました。これは、前回の12月調査で同じ回答を選んだ投資家が29%だったのと比べて、大きな伸びです。
投資家心理を押し上げる中国の政策対応
香港の英字紙サウス・チャイナ・モーニング・ポストによると、HSBCで新興国リサーチを統括するムラト・ウルゲン氏率いるアナリストは報告書の中で「投資家は中国の成長見通しに前向きだ」と指摘しています。さらに「中国当局による最新の景気刺激策の発表は、新興国市場の投資家にも響いている」と分析しています。
記事によれば、中国は内需を経済成長の主なエンジンかつアンカーと位置づけ、次のような措置を打ち出しています。
- 超長期の特別国債の発行額を前年の2倍に拡大し、消費財の買い替えプログラムを支援
- 消費者の信頼を高めるための30項目から成る政策パッケージを公表
- 所得の伸びを促し、家計の金融負担を軽くし、消費支出を後押しする措置
こうした一連の政策が、市場に対して「当局は成長の下支えに本気で取り組んでいる」というメッセージを発していると受け止められているとみられます。
数字で見る2025年初の中国消費
政策対応と歩調を合わせるように、2025年初の消費関連データも堅調な動きを示しました。中国の社会消費品小売総額(小売売上高に相当)は、2025年1〜2月に8.37兆元(約1.17兆ドル)を超え、前年同期比4%増となりました。
2桁成長ではないものの、プラス成長を維持していることは、内需の回復が着実に進んでいるサインと受け止められています。新興国市場全体の見通しを考える投資家にとって、中国の消費が底堅く推移しているかどうかは重要なチェックポイントです。
新興国市場と日本の投資家への含意
HSBCの調査では、回答者の4分の1が「今後12カ月で最も成長加速が見込まれる新興国経済は中国」と回答しました。新興国の中で最も高い比率であり、多くの投資家が中国の成長加速に期待していることがわかります。
新興国市場に幅広く投資するファンドや機関投資家にとって、中国の景気回復はポートフォリオ全体のパフォーマンスを左右する要因になりつつあります。日本の個人投資家や機関投資家にとっても、次のような点を意識する局面が増えそうです。
- 新興国株式・債券ファンドの運用成績における中国比率の影響
- 内需主導の成長が続く場合に恩恵を受けやすいセクター(消費関連やサービス産業など)への注目
- 政策発表や統計データの変化を踏まえたうえで、リスクとリターンのバランスをどう取るかという判断
これからを考えるヒント
今回の調査結果は、少なくとも2025年初の時点で、多くの新興国投資家が中国の回復力を新興国市場の主要な支えと見ていたことを示しています。
一方で、世界経済や金融市場の不確実性は今後も続く可能性があります。楽観と慎重さのバランスを取りながら、政策とデータの両方を継続的にチェックすることが、投資家にとってより重要になっていきそうです。自分のポートフォリオがどの程度、中国経済や新興国市場の動きに連動しているのかを、この機会に一度見直してみる価値がありそうです。
Reference(s):
cgtn.com








