米国株式市場が弱気相場入り 専門家が関税政策の深刻なリスクを警告
米国株式市場が弱気相場入り 経済専門家が関税政策のリスクを警告
米ナスダックが弱気相場に入り、わずか数日で市場から巨額の時価総額が失われました。JPモルガンは米経済の景気後退を警告し、経済学者たちは米国の関税政策が長期的なリスクを高めていると指摘しています。
ナスダックが20%超下落、「弱気相場」入り
米国の株式市場では、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数が直近の高値から20%以上下落し、弱気相場とされる水準に入りました。弱気相場とは、相場全体が高値からおおむね20%以上下がり、下落基調が長期化するとみられる局面を指します。
この下落とともに、市場全体ではわずか2日間で4兆7千億ドルもの時価総額が失われたとされています。そのうち、アップル、マイクロソフト、アマゾンなど「ビッグ7」と呼ばれる巨大テック企業群だけで、合計1兆3千億ドルの時価総額が蒸発しました。
JPモルガン「米経済は2025年までに景気後退の可能性」
金融情報サイト wallstreet.cn によると、米大手金融機関のJPモルガンは米国経済の見通しを下方修正し、米国が2025年までに景気後退に入る可能性が高いと予測しています。
同社は、利上げを含む金融引き締めの継続が経済成長を大きく押し下げるとみており、足元のインフレ対応が中長期的な景気減速につながるリスクを強調しています。
米国の関税政策に経済学者が相次いで警鐘
世界経済の不透明感が強まるなか、米国の関税政策に対して、国内外の経済学者から厳しい批判が出ています。専門家たちは、この関税政策が経済合理性を欠き、米国自身の成長にも長く重い影を落とすと警告しています。
「根拠なき関税計算」との指摘
ピーター・ベーリンガー氏(ピーターソン国際経済研究所 上級研究員)は、トランプ政権による関税の計算方法には根拠がなく、数字は「完全にでっち上げられたものだ」と厳しく批判しています。
ベーリンガー氏は、関税を通じて得られるとされる利益が現実を反映しておらず、むしろ貿易相手国との緊張を高めることで、企業の投資やサプライチェーン(供給網)を不安定にすると懸念しています。
成長の押し下げとインフレを招くリスク
ディーン・ベイカー氏(経済政策研究センター 上級エコノミスト)は、現在の関税が「近年で最大級の貿易エスカレーション(緊張の激化)」だと指摘します。
- 米国の経済成長を抑制する
- 物価上昇圧力を強め、インフレを加速させる
- 貿易相手国の厳しい報復措置を招く
といった影響が避けがたいと警鐘を鳴らしています。
「短期の駆け引き」より大きい長期コスト
メリーランド大学 国際安全保障研究センターのクレイ・ラムジー研究員は、トランプ氏の関税戦略は、交渉上は短期的な優位をもたらすように見えるものの、長期的には米国の消費者と企業に大きなコストを押しつけると指摘します。
とくに、所得の低い人びとや中間層にとって、輸入品価格の上昇は生活費の負担増として直撃します。ラムジー氏は、このような形での負担増が、米国内の格差や社会不安をさらに深めるおそれがあると警告しています。
世界経済への波及と日本が注視すべきポイント
専門家たちは、インフレ、貿易、成長を巡るリスクが同時に高まるなかで、より合理的で持続可能な経済政策が必要だと訴えています。米国が景気後退局面に入れば、貿易や金融市場を通じて世界経済全体に影響が及ぶ可能性があります。
貿易相手国の報復関税や、世界の投資家心理の冷え込みが広がれば、日本を含む各国・地域の企業や家計にも波及しうる局面です。米国の株式市場の動きや関税政策、金融引き締めの行方は、今後もしばらく国際ニュースとして注視すべきテーマとなりそうです。
まとめ:今後の焦点は
- ナスダック総合指数が20%超下落し、米国株式市場は弱気相場入り
- JPモルガンは、利上げなど金融引き締めにより米経済が2025年までに景気後退に陥る可能性を指摘
- 複数の経済学者が、トランプ政権の関税政策は経済合理性に乏しく、成長減速やインフレ、報復関税など深刻な副作用をもたらすと警告
- 世界的な経済リスクが高まるなか、貿易と金融市場の動向を注視することが、今後の国際ニュースを読み解くカギとなる
Reference(s):
Economic experts warn of serious risks from US tariff policies
cgtn.com








