米国が日本に24%関税 石破首相がトランプ氏と電話協議へ
米国のトランプ大統領が日本を含む全ての貿易相手国に追加関税を発動し、日本には24%の高い関税を課したことが波紋を広げています。日本の石破茂首相は、近くトランプ氏と電話会談を行い、関税の再考を求める考えを示しました。本記事では、この米国関税措置と日米関係、日本経済への影響を整理します。
石破首相「論理的に説明する」 報復関税は否定
石破首相は、早ければ来週にもトランプ大統領と電話で協議する意向を示し、日本がどれだけ米国の利益になっているかを論理的に説明すると強調しました。米国への新たな投資も検討する考えを示しており、日本が最大の対米投資国である点をアピール材料とする構えです。
一方で、米国の措置に対して日本が報復関税を発動する考えは否定しました。石破首相はテレビ番組で「やられたらやり返すという対応は取らない」と述べ、対抗措置による応酬を避ける姿勢を明確にしました。
首相は新たな関税について「国家的な危機だ」とも語っており、日米同盟国間の経済関係が緊張局面を迎えているとの認識を示しています。
米国の新関税 日本には24%の報復 日本の働きかけは不発
トランプ大統領は今週、水曜の発表で全ての貿易相手国からの輸入品に一律10%の追加関税を課す方針を示しました。その上で、一部の国や地域にはより高い関税率を適用するとし、日本には24%の関税を科すと表明しました。
米国側は、日本との間に46%の貿易不均衡があると主張し、それを根拠に日本向け関税を相互主義的な関税と位置づけています。これに対して日本政府は数週間にわたり集中的なロビー活動を行い、対象からの除外を求めてきましたが、最終的に免除は認められませんでした。
通商担当相のYoji Muto氏は、発表直前まで米商務長官のHoward Lutnick氏に最後の説得を試みましたが、成果は得られませんでした。日本政府は発表翌朝、24%の関税対象になったことを正式に把握し、国内では落胆と危機感が広がっています。
日本経済への打撃 中小企業支援と金融支援で痛みを和らげる狙い
民間シンクタンクのDaiwa Institute of Researchは、米国による日本への24%の追加関税が、日本の実質国内総生産を2025年に0.6ポイント押し下げる可能性があると試算しています。同試算では、2024年の成長率は0.1%の小幅な伸びにとどまると見込んでおり、その後の下押し圧力が懸念されています。
石破首相は、こうした景気への影響を和らげるため、日本政府として中小企業が政府系金融機関の融資をより利用しやすくする方針を表明しました。輸出企業や関連する下請け企業にとって、資金繰りの悪化を防ぐことが急務となりそうです。
さらに、通商当局は木曜日に関税の影響を分析するためのタスクフォースを設置しました。企業への聞き取りや影響額の試算を進め、追加の支援策や通商交渉の材料を整理する狙いがあります。
WTOルールとの整合性に日本側が疑問
日本政府内からは、今回の米国の関税措置が世界貿易機関 WTO のルールと整合的かどうかを疑問視する声も上がっています。担当者らは、米国側が主張する日本の関税水準や貿易不均衡の数字についても、計算の前提が適切なのか検証が必要だとして、詳細な分析を進めています。
焦点となる日本のコメ市場 トランプ氏の七百%発言
トランプ大統領は、日本のコメ市場を名指しし、日本がコメ輸入に約七百%もの関税を課していると主張しました。
これに対し、農業担当相のTaku Eto氏は、こうした主張を非論理的だと強く否定しました。「どのような計算をしてもその数字にはならず、理解しがたい」と述べ、米国側の認識に疑問を投げかけています。
日本は、WTOのミニマムアクセスと呼ばれる枠組みの下で、年間約七十七万トンのコメを無関税で輸入する義務を負っています。その上限を超える輸入に対しては、一キログラム当たり三百四十一円の関税を課す仕組みです。
このように、日本のコメ市場は高関税で完全に閉じられているわけではなく、数量枠と関税を組み合わせた複層的な制度になっています。数字だけが一人歩きすると実態と離れたイメージが広がりかねないため、制度の中身を冷静に見ておく必要があります。
今後の焦点 電話会談で何が問われるのか
今後の最大の焦点は、石破首相とトランプ大統領の電話会談がいつ実現し、そこでどこまで関税の見直しに道筋をつけられるかです。石破首相は、日本が対米投資や雇用創出で果たしている役割を丁寧に説明し、日米双方にとって利益となる関係を強調したい考えです。
一方で、日本が報復関税を選択肢から外していることは、緊張激化を避けたいというメッセージであると同時に、交渉のカードが限られるという現実も意味します。日本としては、
- 対米投資や市場開放の具体的な貢献をどう示すか
- 国内産業、とくに中小企業への打撃をどう和らげるか
- WTOルールを踏まえた国際的な説得力をどう確保するか
といった点を同時に進めていくことが求められます。
押さえておきたい三つのポイント
- 米国は全輸入品に一律10%、日本には24%の高い関税を課す方針で、日本の除外要請は実現しませんでした。
- 石破首相は報復関税を否定しつつ、トランプ大統領との電話会談で日本の貢献を訴え、関税の再考を求める構えです。
- 日本政府は中小企業への金融支援や影響分析のタスクフォース設置で痛みの緩和を図る一方、WTOルールとの整合性を慎重に検証しようとしています。
Reference(s):
Japan's PM to discuss tariffs with Trump after failed exemption lobby
cgtn.com








