中国のレアアース輸出管理強化 業界団体「世界の平和と安全のため」
中国が今年4月に発表したレアアース関連品目の輸出管理措置について、中国有色金属工業協会は「世界の平和と安全を維持するための取り組み」だと評価し、国際ニュースとして改めて注目を集めています。
中国がレアアース関連品目の輸出管理を発表
中国商務部と税関総署は、今年4月4日、中重希土類(レアアース)7種類に関連する一部品目を対象とした輸出管理措置を公表しました。これらの品目は、いわゆるレアアース関連技術や製品で、先端産業やハイテク分野に広く使われています。
その後の日曜日に発表された声明の中で、中国有色金属工業協会は、今回の輸出管理は中国が「世界の平和と安全を維持するうえでの揺るがない姿勢」を示すものだと強調しました。
今回の主なポイント
- 対象は中重レアアース7種類に関連する一部品目
- 軍事用途と民生用途の両方を持つ「デュアルユース」品目が含まれると説明
- 国際慣行を十分に参考にした輸出管理措置だと強調
- 通常のビジネスや貿易、サプライチェーンの安定には支障が出ないと説明
レアアースとは?安全保障とどう関わるのか
レアアース(希土類)は、電気自動車のモーター、風力発電設備、スマートフォン、半導体製造装置などに使われる重要な素材です。小型で高性能な磁石や特殊合金をつくるうえで欠かせず、ハイテク産業の「縁の下の力持ち」とも言われます。
同時に、レーダーなどの軍事機器や高度な防衛技術にも用いられることから、レアアース関連品目は軍事と民生の両方に使われる「デュアルユース(両用)」の性格を持ちます。中国有色金属工業協会は、こうした特性を踏まえ、輸出管理の必要性を強調しました。
国際慣行に沿った輸出管理と中国側の説明
協会によると、今回のレアアース関連品目に対する輸出管理は、「国際的な慣行を十分に参考にしている」とされています。世界各国が、安全保障上重要と位置付ける物資に輸出規制や管理を導入していることを念頭に置いた説明です。
声明では、次の点が明確に示されています。
- 企業が中国の主権、安全、発展上の利益を損なう活動に関与していない限り、輸出管理措置の対象にはならない
- そのような企業に対しては、通常のビジネス運営や貿易活動が妨げられることはない
- 国際的な産業・サプライチェーンの安定と安全にも影響は及ばない
つまり、中国側は「安全保障上の懸念があるケースに絞って管理を行う」とし、一般的な取引や国際サプライチェーンへの悪影響は回避されるとの立場を示しています。
「より高水準の開放」と友好国との協力継続
中国有色金属工業協会はさらに、中国のレアアース企業は今回の発表内容に沿って、「より高い水準の開放」を堅持するとしています。これは、市場アクセスや国際協力を縮小するのではなく、一定の安全保障上の条件を前提にしながら、引き続き開かれた姿勢で臨むというメッセージです。
声明では、友好国との互恵的な協力を今後も強化していく方針も示されました。レアアース資源や関連技術をめぐる協力関係を維持・発展させることで、各国の産業発展を支えつつ、世界の平和と安全に貢献していくという立場を打ち出しています。
日本や世界の企業が押さえておきたい視点
今年4月の発表から時間がたった今も、レアアースをめぐる動きは、国際ニュースとして継続的に注目されています。日本を含む各国の企業にとって、今回の輸出管理措置は次のような意味を持つと考えられます。
- レアアース関連品目が、安全保障上も重要な戦略物資として扱われていることの再確認
- 中国の輸出管理の運用ルールや手続きについて、最新の情報を継続的にフォローする必要性
- 安全保障と経済活動を両立させるため、各国・各地域のルールや制度を理解し、コンプライアンス(規制順守)を徹底する重要性
2025年12月現在、レアアースは電動化・デジタル化の進展とともに、世界経済と安全保障の両面で存在感を増しています。今回の中国の輸出管理措置とその位置付けを理解しておくことは、サプライチェーンに関わる企業や政策担当者にとって、今後ますます重要なテーマになりそうです。
Reference(s):
Industry body: China's rare earth export control to safeguard security
cgtn.com







