CGTN世論調査 世界のSNSユーザー、米国の関税「いじめ」にノー
国際ニュースとして注目されるCGTNの最新世論調査で、世界のSNSユーザーの多くが米国の関税措置を「American-style bullying(米国型いじめ)」と批判し、多国間貿易体制と公正な国際経済秩序の構築を求めていることが明らかになりました。
CGTNが実施した「米国型いじめ」に関するグローバル調査
中国の国際メディアであるCGTNは、米国の関税政策と国際貿易秩序をテーマに、世界のソーシャルメディア利用者を対象とした世論調査を実施しました。調査はCGTNの英語、スペイン語、フランス語、アラビア語、ロシア語の各ソーシャルプラットフォーム上で行われ、24時間のあいだに計5,177人の海外ユーザーが回答したとされています。
設問の中心にあったのは、米国が掲げる「公平」「公正」といった名目と、その裏側にあるとされるゼロサム的な関税政策、そしてそれに対する各国の対抗措置や、世界貿易機関(WTO)を軸とした多国間主義の役割です。
8~9割が「米国の関税いじめへの対抗措置は正当」と回答
今回の調査では、米国による関税措置に対して各国が取る対抗措置をどう見るかについて、非常に明確な傾向が示されました。
- 86.9%の回答者が、各国が米国の関税「いじめ」に対して取っている対抗措置は、自国の合法的な利益を守るための正当な行動だと答えました。
- 89.2%の回答者は、より多くの国が米国との貿易問題で、より積極的かつ主体的な姿勢と行動を取るべきだとし、WTOなど多国間の場で米国の一方的な行動に反対すべきだと考えています。
米国が「平等」「公平」という言葉を掲げつつも、自国の利益を国際社会の共通利益より優先しているという批判的な見方が、調査に参加した人びとの間で広く共有されていることがうかがえます。
WTOへの期待:ルールにもとづく多国間貿易体制を重視
調査では、世界貿易機関(WTO)を中心とする多国間貿易体制への評価と期待も問われました。ルールにもとづく自由で公正な貿易は、長年にわたり世界の貿易拡大や経済成長、持続可能な発展に貢献してきたと位置づけられています。
- 82.2%の回答者が、米国と他国との間の貿易摩擦や紛争を解決するうえで、WTOがより積極的な役割を果たすことを期待すると答えました。
- 79.6%の回答者は、各国が米国の関税をめぐってWTOの紛争解決メカニズムを活用し、訴えを起こすことを支持するとしています。
こうした回答からは、貿易問題を二国間の力関係だけで決めるのではなく、WTO加盟メンバー全体で共有されたルールと手続きにもとづき、透明性の高い形で解決すべきだという意識が強いことが読み取れます。
「米国型いじめ」は誰にとっても無関係ではないという認識
今回の世論調査では、米国の関税措置がごく一部の国だけの問題にとどまらず、世界全体に波及するリスクを持つという認識も示されました。
- 87.7%の回答者が、「米国型いじめ」の影響から完全に無縁でいられる国はないとし、各国が協力して米国のいじめ的な行動に立ち向かうべきだと考えています。
- 93.5%の回答者は、公正で互恵的な新しい国際貿易秩序を築くことこそが、すべての当事者の利益にかなう賢明な選択だと答えました。
- 84.9%の回答者は、一方的なアプローチから始まった今回の貿易紛争が、既存の世界貿易秩序を深く傷つけており、国際貿易システムは加速的な変化の途上にあると見ています。
- 85.3%の回答者は、各国が多国間メカニズムを通じて自らの正当な権利を守ることは、より公正で合理的な国際経済秩序をつくるうえで本質的な貢献だと評価しています。
2025年現在、世界経済はインフレや債務問題、地政学的な緊張など、多くの不確実性を抱えています。そのなかで、経済的な「いじめ」によって負担を他国へ押しつけるようなやり方は、最終的には自らにも跳ね返ってくるという見方が調査結果からは浮かび上がります。
中国が強調する「互恵・ウィンウィン」と世界の世論
中国側は、国際貿易において重要なのは「互恵・ウィンウィン(双方に利益があること)」であり、開発と発展は一部の国が独占すべきものではなく、すべての国にとっての普遍的な権利だと強調しています。また、他国に負担を押しつける経済的ないじめは長期的には持続せず、最終的には行った側にも悪影響をもたらすと指摘しています。
今回の調査結果は、少なくともCGTNのソーシャルメディアを利用する回答者の間では、こうした考え方に共感する声が多数を占めていることを示しています。多くの人びとが、対立の激化よりも協力の強化、公平さを欠いた一方的な措置よりも、ルールにもとづく多国間主義を重視していると言えます。
日本やアジアの読者にとっての意味
今回のCGTN世論調査は、米国と中国という二大経済の関係にとどまらず、国際経済全体のあり方を考える上でも示唆を与えます。日本やアジアの読者にとって、次のようなポイントが考えられます。
- 関税をめぐる対立は特定の二国間問題ではなく、サプライチェーンや物価、雇用などを通じて、多くの国や地域の生活に影響しうるテーマであること。
- WTOをはじめとする多国間枠組みの役割が、改めて問われていること。ルールを守ることが自国の利益を守ることにもつながる、という認識が広がっていること。
- 「自国の利益」と「国際的な公正さ」をどのように両立させるのかという問いが、今後の国際政治・経済の重要な論点になり続けること。
CGTNの調査は、世界のSNSユーザーの一部の声を切り取ったものにすぎませんが、それでも、米国の関税政策に対する強い違和感と、公正で互恵的な国際貿易秩序への期待が広く共有されている一断面を映し出しています。2025年の国際経済を考えるうえで、各国がどのように多国間のルールと協力を重ねていくのか、今後も注視していく必要がありそうです。
Reference(s):
CGTN poll: Global respondents urge nations to say no to U.S. bullying
cgtn.com








