中国の国産ベビーブランドが若い親の心をつかむ理由 video poster
中国の若い親たちのあいだで、ベビー用品やマタニティ用品の購入先が、海外ブランド中心から、品質とコスパに優れた国産ベビーブランドへと静かにシフトしています。
海外ブランド一辺倒から「品質×コスパ」へ
中国の母親たちがベビー用品を選ぶ際、今もっとも重視しているのは、品質、デザインのきめ細かさ、そしてコストパフォーマンスです。かつて見られた海外ブランドの盲目的な追求よりも、実際に子どもにとって快適かどうか、価格に見合う価値があるかどうかを冷静に見極める傾向が強まっています。
この変化は、個々の家庭の選択にとどまらず、国産ブランドの市場シェア拡大というかたちでも表れています。ブランド側が研究開発を続けて製品を磨き、細かなニーズに応えてきたことが、その背景にあるとされています。
ケース1 北京在住・Guo Xiaotong さんの場合
北京でインターネット関連の仕事をする31歳のGuo Xiaotong さんは、2歳の息子を育てる母親です。ベビー用品やマタニティ用品では、すっかり国産ブランドのファンになったといいます。
おむつはさまざまなブランドを試した末に、当初はBabycareを気に入っていましたが、今はChiausを愛用しています。理由は、より高い品質に加え、柔らかさや厚みが子どもの肌に合っていると感じるからだといいます。
衣類は、中国の子ども服ブランドとして知られるbalabalaをよく選びます。Guo さんにとって、ベビー服で最優先するのは次のようなポイントです。
- 品質が基準を満たしていること
- クラスAの生地であること
- 純綿で肌への刺激がないこと
おもちゃはBabycareでそろえることが多く、その理由として製品の品質に加え、色の組み合わせの良さや、アフターサービスへの満足度を挙げています。こうしたこだわりを持ちながらも、常にコストパフォーマンスを意識し、品質を妥協しない範囲で価格とのバランスを探っているといいます。
ケース2 杭州・黄さんが選ぶシューズ
中国東部の杭州市で高校の英語教師として働く32歳のHuang Han さんも、息子の靴には国産ブランドを選ぶようになっています。愛用しているのはDr. KongやGinobleといったブランドです。
Huang さんは、海外ブランドと比べたときの価格の魅力と品質のバランスを評価しており、日常的に履く子どもの靴だからこそ、無理のない価格帯で信頼できる国産ブランドに安心感を持っているといいます。
ケース3 北京・Bai Yuzhu さんが重視する「安全性+コスパ」
北京でメディア関連の仕事をする33歳のBai Yuzhu さんは、1歳の子どもの食べ物や衣類、日用品の多くを国産ブランドから選んでいます。
Bai さんが購入時に最優先するのは、安全性とコストパフォーマンスです。口に入るものや肌に触れるものが多いだけに、安全面で信頼できるかどうかをしっかり確認しつつ、日々続く育児の出費を考え、無理のない価格帯の製品を選ぶ姿勢がうかがえます。
大手ECが見る消費者マインドの変化
中国の大手電子商取引プラットフォームJD.comで部門責任者を務めるCai Changwei 氏も、ここ数年の消費行動の変化を肌で感じている一人です。
かつては、日本や米国のブランドなど、輸入ブランドへの信頼が非常に高く、多くの消費者がそうした製品を選んでいました。しかし今では、国産ブランドが品質面で大きく改善を重ね、消費者の信頼を勝ち取るようになっているといいます。
若い親世代が実感する品質の向上と、大手ECプラットフォーム側が把握する購買データの傾向は、同じ方向を指しているようです。国産ブランドは、単に価格競争をするのではなく、研究開発を通じて商品力を高めることで、選ばれる理由を増やしてきたとみられます。
なぜ今、国産ベビーブランドが選ばれるのか
複数の事例や関係者の証言から見えてくるのは、次のようなポイントです。
- 品質が向上し、海外ブランドと比べても遜色がない、あるいはそれ以上と感じられる製品が増えている
- 子どもの肌へのやさしさや、履き心地、色の組み合わせなど、細かなニーズに合わせて設計された商品が増えている
- 日常的に使うベビー用品だからこそ、家計への負担を抑えつつ納得できる価格帯が重視されている
- アフターサービスなど、購入後の体験も含めて国産ブランドへの信頼が高まっている
こうした要素が重なり合い、中国ではベビー用品市場において、ブランド名よりも実際の使い心地や安全性、コスパを重視する消費行動が広がっているようです。
国産ブランドが若い親たちの心をつかみ始めた背景には、生活者の価値観の変化と、企業側の継続的な取り組みがあります。日々の買い物のなかで何を信頼し、どこにお金をかけるのか。その判断基準が変わるとき、市場の風景も静かに変わっていきます。
Reference(s):
How homegrown baby brands are winning young Chinese parents' hearts
cgtn.com








