米国株、歴史的急騰の翌日に反落 トランプ関税とインフレに揺れる
米国株式市場で主要3指数が反落しました。トランプ米大統領による関税見直しを受けた前日の歴史的な急騰の反動に加え、予想を下回るインフレ指標や今後の利下げ観測が入り交じり、投資家心理が揺れています。
歴史的急騰の翌日に主要3指数がそろって下落
米国時間の木曜日、ニューヨークのウォール街では株価指数がそろって安く始まり、前日の記録的な上昇分の一部を吐き出しました。前日には、トランプ米大統領が多くの貿易関税で姿勢を後退させたことを受けて、米国株は「歴史的」と言える規模の上昇を記録していました。
取引開始からおよそ15分時点で、主要3指数はいずれも大きく下落しました。
- ダウ工業株30種平均は前日比1.8%安の39,859.39
- S&P500種指数は2.2%安の5,335.61
- ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は2.8%安の16,653.99
いずれの指数も、前日に記録した急騰のごく一部を失ったにとどまるものの、投資家が利益確定を急いでいる様子がうかがえます。
背景にある2つの材料:関税とインフレ指標
トランプ大統領の関税「一時停止」が生んだ乱高下
今回の株価の動きの中心にあるのは、トランプ米大統領による関税政策です。水曜日には、中国本土との貿易を含む多くの関税措置について90日間の猶予を設けるといった「後退」が示されました。これを受けて、アジアや欧州の株式市場では大きな株高が広がり、米国株も過去最大級の上昇を演じました。
しかし木曜日の米国市場では、その反動が一気に出た形です。市場調査会社ブリーフィング・ドットコムのアナリスト、パトリック・オヘア氏は、米株の反落について「驚くべきことではない」と指摘します。
オヘア氏は、前日の急騰を多くの投資家が「関税ショックで被った損失を取り戻すための贈り物」と捉え、関税や景気、企業業績をめぐる不透明感がなお解消されていない中で、保有株を売却する動きが強まったと分析しています。トランプ政権が打ち出した関税の90日間の一時停止措置と、中国本土向けの関税強化はいずれも完全な解決ではなく、市場はまだ先行きを見極めようとしている段階です。
予想を下回ったインフレとFRBの利下げ観測
木曜日には、米国の消費者物価が前月比で0.1%低下したとの統計も発表されました。これは市場予想を下回る弱い数字で、一部の市場関係者は「米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げに踏み切る可能性を高める材料だ」と受け止めています。
一般にインフレ率の鈍化は、中央銀行が金利を引き下げやすくする一方で、景気の減速を示唆するサインでもあります。ただし、複数のアナリストは、少なくとも木曜日の早い時間帯の相場では、インフレ指標はあくまで二次的な要因にとどまり、主役はあくまでトランプ大統領の関税政策の余波だとみています。
世界市場と投資家心理への波及
トランプ政権による広範囲な関税措置は、これまでも世界の金融市場を大きく揺さぶってきました。今回も例外ではなく、米国の関税方針をめぐる不透明感は、米国債(アメリカ政府が発行する債券)の利回りを押し上げ、これが政策転換につながったとみる専門家もいます。
水曜日の「関税後退」がアジアや欧州の株式市場を押し上げた一方で、木曜日の米国株の反落は、短期的な値動きの激しさをあらためて印象づけるものとなりました。関税やインフレ、金利政策といったマクロ要因が、日々の株価の振れを一段と大きくしている状況です。
日本の投資家は何に注目すべきか
国際ニュースとしての今回の米国株安は、日本を含むアジアの投資家にとっても無関係ではありません。米国株の急騰と反落は、為替相場や日本企業の業績見通し、ひいては日本株にも波及しやすいからです。
短期的な上げ下げに一喜一憂するのではなく、
- トランプ政権の関税方針が今後どのように変化するのか
- インフレ指標の弱さが一時的なものか、それとも景気減速の兆しなのか
- FRBがいつ、どの程度の利下げに動く可能性があるのか
といった中長期のテーマに目を向けることが重要になりそうです。米国発のニュースをフォローしながら、自身のリスク許容度や投資の時間軸をあらためて考え直すきっかけにもなり得る局面だと言えるでしょう。
Reference(s):
cgtn.com








