第5回中国国際消費品博覧会、海南で開催 AIと新消費で存在感
第5回中国国際消費品博覧会、海南で開催 AIと新消費で存在感
2025年4月、南部の海南省で第5回中国国際消費品博覧会(CICPE)が開かれ、71カ国・地域から4,100以上のブランドが参加しました。中国の消費市場の現在地と、AIやスマートモビリティなど「新しい消費」の潮流をどう映し出したのか、最新の統計とあわせて整理します。
海南で開かれたアジア太平洋最大級の消費博
中国商務省と海南省政府が共同で主催する中国国際消費品博覧会は、中国唯一の国家級の消費品専門展示会であり、アジア太平洋地域で最大規模の消費財博覧会とされています。第5回となる今回は、2025年4月13〜18日に省都の海口市で開かれました。
主会場は海南国際コンベンション&エキシビションセンターで、海口と三亜の国際免税商業施設も連動。三亜ではヨット展示会も行われ、リゾート地としての顔と消費拠点としての機能を組み合わせた構成となりました。
今回の中国国際消費品博覧会の主なポイントは次の通りです。
- 参加ブランド数:4,100以上
- 参加国・地域:71
- 世界のトップ500企業や業界リーダー:65社が出展
- ゲスト国(招待国):英国(ファッション、美容、生活雑貨、健康、ジュエリーなど53ブランド)
海南省副省長の顧剛(Gu Gang)氏は、今回の博覧会が過去最大規模となったことについて、「各方面の中国経済への信認を示している」と強調しました。
AIや低空航空など「新しい消費」が主役
今回の博覧会では、中国が重視するイノベーション分野と消費を結びつける展示が目立ちました。特に、人工知能(AI)、低空航空(ドローンなどを含む地表に近い高度での航空サービス)、スマート車、デジタルヘルスといったテーマが前面に押し出されました。
ファーウェイ(Huawei)や科大訊飛(iFLYTEK)、テスラ(Tesla)などの企業が、最新のソリューションや製品を披露し、テクノロジーが日常の消費体験をどう変えていくのかを示しました。
国内の出展者も、高級志向の製品から地域の特産品まで幅広い消費財を持ち込みました。海外のバイヤーと中国の製造業者を結びつける投資・商談マッチングの専用エリアも設けられ、展示会を通じて具体的なビジネスにつなげる仕組みづくりが強化されています。
リゾートと免税ショッピングの掛け合わせ
海口や三亜の免税ショッピングゾーンと連動した今回の構成は、海南が「国際観光消費センター」を目指していることを印象づけるものでもあります。観光と免税ショッピングを一体で体験できる環境を用意することで、来場者にとっての「買い物の楽しさ」を前面に出した形です。
国際色豊かな参加国と企業
英国はゲスト国として参加し、ファッション、美容、ホーム用品、健康関連、ジュエリーなどの分野から53ブランドを出展しました。英ブランドにとって、中国の消費者と直接つながる場であると同時に、アジア太平洋市場全体への発信基地としての意味合いもあります。
フランス、スイス、アイルランドなどは今回も高品質な消費財を出展しました。さらに、スロバキア、ブラジル、シンガポールといった新たな国・地域の代表団も初参加しました。
企業の顔ぶれを見ると、米国のエスティローダー(Estée Lauder)、ドイツのフォルクスワーゲン(Volkswagen)など多国籍企業のほか、世界のトップ500企業や業界リーダーが多数出展しています。消費財をめぐる競争と協力が、地域や業種を越えて広がっている様子がうかがえます。
統計が示す中国消費市場の底力
こうした大規模な消費財博覧会の背景には、中国国内の消費の伸びがあります。公式統計によると、2025年1〜2月の中国の社会消費品小売総額(消費財小売売上高)は前年同期比4.0%増となりました。この伸び率は、2024年と比べて0.5ポイント高くなっています。
- 総額:8兆3,700億元超(約1.17兆ドル)
- 自動車を除く小売額:7兆6,800億元で、前年同期比4.8%増
国家統計局の付凌暉報道官は3月17日の記者会見で、「市場は最も希少な資源だ。14億人を超える人口と1人当たり1万3,000ドル超のGDPを有する中国は、巨大な潜在力と広い空間、大きな発展機会を持つ市場だ」と述べ、国内市場の魅力を強調しました。
第5回中国国際消費品博覧会が過去最大規模となり、多くのブランドや企業が参加したことは、こうした消費市場の成長期待が具体的なビジネスの動きとなって表れているとも言えます。
日本の読者が押さえておきたいポイント
中国の消費と国際ニュースを追う日本の読者にとって、今回の動きから読み取れるポイントを整理すると、次のようになります。
- イノベーションと消費の一体化:AI、低空航空、スマート車、デジタルヘルスなど、先端技術が生活に密着した「新しい消費」の主役となっている。
- 国際見本市としての重要性:英国や欧州各国に加え、ブラジルやシンガポールなど新たな国・地域も参加し、多様なブランドが一堂に会する場になっている。
- 統計に裏打ちされた市場規模:2カ月間で8兆元超の消費財小売額という数字から、中国の消費市場の大きさと成長の継続がうかがえる。
海南で開催された第5回中国国際消費品博覧会は、消費とイノベーションを軸にした中国市場の方向性を象徴するイベントとなりました。今後も、このような国際展示会の動きは、中国の消費トレンドや経済のダイナミクスを読み解く上で重要な手がかりになりそうです。
Reference(s):
Fifth China International Consumer Products Expo to kick off in Hainan
cgtn.com








