米国債利回り急騰で安全資産に異変 トランプ政権の関税強化が波紋
米国の長期国債利回りが今週急騰し、「安全資産」とされてきた米国債に対する見方が揺れています。背景には、ドナルド・トランプ米大統領の政権による関税引き上げがあり、市場は世界経済への影響を警戒しています。
何が起きているのか
今週、米国の長期国債利回りが大きく上昇し、市場に警鐘を鳴らしています。通常、米国債は世界で最も安全な資産の一つとみなされてきましたが、金利の急変動によって価格変動リスクがあらためて意識されています。
債券は、利回りが上がると既に発行されている債券の価格が下がる仕組みです。とくに期間の長い長期国債は、金利の動きに対して価格が大きく振れやすく、安全資産であっても短期的には大きな評価損が出る可能性があります。
背景:関税引き上げと市場心理の冷え込み
トランプ政権は今週、主要な国際的な貿易相手に対する関税を一段と引き上げる方針を打ち出しました。なかでも、中国本土からの輸入品には145パーセントの関税が課されるとされ、市場に強いインパクトを与えています。
米国が世界最大の経済であるだけに、この関税引き上げが貿易や企業活動、消費にどのような影響を与えるのか、先行きへの不安が高まっています。投資家の間では、米国経済への信認が揺らぎつつあり、その揺らぎが長期金利の急騰という形で現れているとも言えます。
なぜ「安全資産」がリスクに見えるのか
米国債は、信用リスクが非常に低いという意味で「安全資産」とされています。しかし、信用リスクが低くても、市場価格が大きく動く可能性はあります。今回のように利回りが急速に上昇すると、保有している債券の評価額が短期間で目減りするため、投資家にとっては無視できないリスクとなります。
加えて、政策の方向性が読みにくくなっていることも、市場の不安を増幅させています。貿易政策や関税方針が大きく変わる局面では、投資家は「どこに資金を避難させればよいのか」をあらためて考えざるをえません。
日本の投資家にとっての意味
米国債は、日本を含む世界の投資家にとって重要な投資対象です。多くの機関投資家や個人投資家がポートフォリオの一部として米国債を組み込んでいることを踏まえると、今回の利回り急騰は日本とも無関係ではありません。
日本の投資家が意識しておきたいポイントとして、次のような点が挙げられます。
- 米国債利回りの変動が為替相場、とくにドル円に与える影響
- 株式や社債など、他の資産クラスへの資金シフトの動き
- 関税引き上げによる世界貿易の不透明感と企業業績への波及
短期的な値動きに振り回されすぎない一方で、「安全資産」であっても価格変動リスクがあることを前提に、リスク管理を見直す必要がありそうです。
これから注目したい視点
今回の米国長期国債利回りの急騰は、単なる一時的な市場の揺れにとどまらず、「安全資産とは何か」を考え直すきっかけになり得ます。国債であっても、政策の不確実性や市場心理の変化によって、大きな価格変動が起こりうることが改めて示されたかたちです。
投資家にとっては、特定の国や資産に偏りすぎない分散投資を意識しながら、貿易政策や金利動向の変化を冷静に見極めることが重要になります。「安全」という言葉の意味をどう捉え直すのか、今後も議論が続きそうです。
Reference(s):
Surging US treasury bond yields turn 'safe-havens' to risky assets
cgtn.com








