海南エキスポ2025、中国国際消費品博覧会が示す開放路線の底力
2025年4月、中国・海南島で開催された第5回中国国際消費品博覧会(海南エキスポ2025)は、保護主義か開放かが問われる世界経済のなかで、「開放」の存在感をあらためて示す場となりました。中国で唯一の国家級の消費財専門エキスポには、世界各地から多様なブランドが集結し、最先端テクノロジーからラグジュアリーファッション、グルメまで「新しい消費」の姿を映し出しました。
第5回「中国国際消費品博覧会」とは
海南エキスポ2025は、第5回中国国際消費品博覧会として、2025年4月13日から18日まで、中国の海南島北部の海岸に位置する海南国際コンベンション&エキシビションセンターで開かれました。国内企業だけでなく海外の企業も参加し、消費財に特化した展示会として注目を集めました。
中国の消費財に特化した国家級展示会としては唯一のイベントとされ、各社が最新の消費財やサービスを披露する場となっています。およそ71の国と地域から約4,100のブランドが出展し、そのなかには世界有数の大企業ランキング「フォーチュン500」に入る企業も65社含まれました。規模の大きさだけでなく、参加主体の多様さもこのエキスポの特徴です。
焦点は「新しい消費」:AIから低高度航空まで
今回の海南エキスポ2025の焦点のひとつは、台頭する「新しい消費トレンド」の提示でした。会場には、人工知能(AI)やヒューマノイドロボット、低高度航空といった最先端分野の製品・サービスが集まりました。技術そのものだけでなく、それが日常の暮らしや移動、サービス体験にどう結びつくのかが、来場者に向けて分かりやすく示されたといえます。
一方で、ハイファッションや高級車、各国の美味しい食べ物や飲み物といった「伝統的な人気カテゴリー」も健在でした。テクノロジーの話題に偏ることなく、衣・食・住をトータルに楽しめる構成とすることで、思わず財布のひもが緩みそうなラインナップになっていました。
数字が物語る「開放」の広がり
71の国と地域、4,100を超えるブランド、そしてフォーチュン500企業65社――。これらの数字からは、世界の企業が依然として中国の消費市場とのつながりを重視していることが読み取れます。多様な参加者が一堂に会すること自体が、「開放された場」を維持しようとする姿勢の表れでもあります。
世界では、各国がどこまで市場を開き、どこから保護的な政策をとるのかをめぐって、議論が続いています。そのなかで、国境を越えて企業や製品が集まり、新しいビジネスの可能性を探る海南エキスポ2025のようなイベントは、「開放」と「交流」を重視するアプローチが持つ力を具体的に示したと言えるでしょう。
現地から伝わる高まりと「体験」としてのエキスポ
開催前から、海南島の海口など現地からは、カラフルで魅力的な商品を紹介するスニークピーク(先出し映像やレポート)が発信されていました。会場に足を運ぶ前から、どのようなブランドや製品が登場するのかを垣間見ることができ、エキスポ全体への期待感を高める役割を果たしました。
オンラインとオフラインを組み合わせたこうした発信は、展示会を単なる「商談の場」から、多くの人が参加し共有したくなる「イベント体験」へと押し広げています。会場での展示だけでなく、その前後の情報発信や映像コンテンツも含めて、一つの大きな物語として消費者に届けられていると言えます。
日本の読者にとっての意味
国際ニュースとしての海南エキスポ2025は、中国の消費市場や開放的な姿勢の一側面を映し出すだけでなく、私たち自身の消費スタイルや、企業がどのように世界市場と向き合うべきかを考える材料にもなります。
たとえば、次のような問いが浮かび上がります。
- 人工知能やロボット、低高度航空といった新技術は、どのように私たちの日常の消費体験を変えていくのか。
- 多国籍ブランドが一つの市場に集まることは、企業や消費者にどのようなメリットとリスクをもたらすのか。
- 保護主義か開放かという二項対立を越えて、どのような国際的な協力や共存の形があり得るのか。
4月の海南エキスポ2025はすでに幕を閉じましたが、そこで示されたトレンドやメッセージは、2025年の今を振り返り、これからの世界経済と私たちの暮らしを考えるうえで、引き続き参照したいヒントを与えてくれます。
Reference(s):
China's Hainan Expo 2025 shows why opening-up trumps protectionism
cgtn.com








