中国輸出「空は落ちてこない」 第1四半期の貿易額は1.3%増
複雑で厳しい外部環境が続く中でも、中国の輸出で「空が落ちてくる」ような事態にはならない──。中国税関総署は月曜日の記者会見でこう強調し、2025年第1四半期の貨物貿易額が前年同期比1.3%増だったと発表しました。
税関当局「空は落ちてこない」と輸出の底堅さを強調
中国税関総署(GAC)の担当者である呂大良(Lyu Daliang)氏は、記者会見で、中国の輸出を取り巻く状況について言及しました。世界経済の先行きに不透明感がある中でも、「中国の輸出で空が落ちてくることはない」と述べ、悲観論をけん制しました。
呂氏の発言は、外部環境が「複雑で挑戦的」であることを認めつつも、輸出が急激に崩れるわけではないというメッセージです。中国側は、足元の不安材料を踏まえながらも、中長期的な輸出の安定に自信をにじませています。
2025年第1四半期の貿易額は前年同期比1.3%増
税関総署が発表したデータによると、2025年第1四半期(1〜3月)の中国の貨物輸出入総額は、人民元建てベースで前年同期比1.3%増となりました。輸出と輸入を合わせた全体の貿易額が、前年よりもわずかながら拡大した形です。
外部環境が厳しい中でもプラス成長を維持したことについて、中国当局は、これまで進めてきた貿易構造の見直しや市場の多角化が一定の効果を上げているとみています。
- 貨物輸出入総額(人民元建て):前年同期比1.3%増
- 対象期間:2025年第1四半期(1〜3月)
- 輸出と輸入の合計ベースでの伸び
市場の多角化とサプライチェーン協力がレジリエンスを支える
呂氏は、ここ数年の動きとして、中国が対外貿易の市場を多角化し、各国・地域との産業およびサプライチェーン(供給網)協力を着実に深めてきたことを挙げました。
こうした取り組みは、相手国や地域の発展を下支えすると同時に、中国自身の経済のレジリエンス(回復力・耐性)を高めていると強調しました。特定の市場や一つのサプライチェーンに依存しすぎない構造をつくることで、世界経済の変動に対するリスク分散を図っている形です。
広大な国内市場を「バックアップ」と位置づけ
呂氏はさらに、中国の広大な国内市場が、経済全体を支える強力なバックアップになっていると指摘しました。外部の不確実性が高まるほど、内需の安定が重要になるという考え方です。
中国は、国内での需要や投資といった「確実性」を、世界のボラティリティ(変動の大きさ)を和らげるクッションに変えていくとしています。外需と内需のバランスを取りつつ、外部ショックへの耐性を高めようとする姿勢がうかがえます。
この発言から読み取れるポイント
今回の会見で示されたメッセージからは、次のようなポイントが見えてきます。
- 外部環境は厳しいものの、輸出の急激な悪化は想定していない姿勢
- 市場の多角化とサプライチェーン協力を通じて、パートナーの発展と自国の安定を同時に追求
- 内需の強さを「安全網」として活用し、世界経済の変動に備える方針
世界経済の不確実性が続く中で、中国税関当局が示したこうした見方は、アジアや世界の貿易・投資の流れを考えるうえでも注目されます。日本を含む各国の企業や投資家にとっても、中国の貿易政策や内需の動きは、今後の戦略を考える際の重要な手掛かりとなりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








