中国が越境金融データ規制を簡素化 安全性確保と開放拡大
中国の中央銀行である中国人民銀行は木曜日、金融分野における越境データの流れを簡素化する新たなルールを発表しました。個人情報や重要なデータの安全を守りながら、国際的な金融取引をより円滑にすることを目指す動きです。
人民銀行によると、このルールは六つの部門が共同でまとめた指針に基づくもので、高水準の金融開放を進めることを目的としています。とくに海外に送信される個人情報や重要データの扱いが焦点となっています。
新ルールの主なポイント
今回の発表は、金融セクターの越境データのルールを明確にしつつ、手続きの負担を減らすことに力点が置かれています。人民銀行は、次のような点を挙げています。
- 金融データが国境を越えて移転される際の条件や手続きを明確化すること
- 一定の金融ビジネスについては、データ安全審査(安全性チェック)の対象から外すこと
- その一方で、金融機関には引き続き必要な安全対策を講じてデータを保護する責任があること
つまり、すべての越境データを一律に厳しく審査するのではなく、リスクの低い業務については手続きを簡素化しつつ、重要なデータについては保護を維持・強化するという考え方です。
なぜ金融データの越境が課題なのか
国際送金や海外投資、グローバルな資産運用などの金融サービスでは、顧客の身元確認情報や取引履歴など、多くのデータが国境を越えてやりとりされます。こうした越境金融データの扱いは、各国・各地域の規制が絡み合い、企業にとって複雑になりがちです。
規制が厳しすぎると、必要なデータの送信にも時間やコストがかかり、国際取引が遅れる原因になります。一方で、規制が緩すぎれば、情報漏えいや不正利用などのリスクが高まります。今回のルールは、そのバランスをどう取るかという課題に応えるものだといえます。
高水準の金融開放と安全性の両立
発表によると、六つの部門が共同でまとめた指針は、高水準の金融開放を進めることを掲げています。その中心には、個人情報と重要データの保護があります。海外へ送られるデータの範囲や扱い方を整理することで、金融機関や企業がどのような場合にどのような対応が必要かを判断しやすくする狙いがあります。
一部のビジネスについてデータ安全審査が免除されることで、国際取引や日常的な金融サービスのスピード向上が期待されます。ただし、審査が不要になるケースであっても、金融機関にはデータ保護の責任が残されます。一般的には、暗号化やアクセス管理などを含む安全対策を適切に取ることが求められ、今回のルールでもそうした安全性の確保が前提になっています。
金融機関と利用者への影響
国境をまたいで事業を行う金融機関にとって、越境データの扱いが不透明であることは大きな負担となります。ルールが明確になれば、どの業務が安全審査の対象で、どの業務が対象外なのかを判断しやすくなり、社内のコンプライアンス(法令順守)体制の構築もしやすくなります。
また、手続きが簡素化される業務の範囲が広がれば、国際送金や海外との決済など、利用者が日常的に使うサービスのスピードや利便性が高まる可能性があります。その一方で、個人や企業にとっては、自分のデータが海外に送られる際にどのように保護されているのかという点が引き続き重要な関心事になります。
今後の注目ポイント
今回の新ルールは、越境金融データの流れを整理し、手続きを簡素化する方向性を示したという点で注目されます。今後は、金融機関がこのルールに沿って具体的にどのような社内ルールやシステム対応を進めるのかが焦点になっていきます。
また、データ安全審査の対象から外れるビジネスの範囲が、実際の金融実務にどの程度の変化をもたらすのかもポイントです。越境データをめぐる規制は、デジタル経済や国際金融の競争力と密接に結びついています。今回の動きが、金融の開放とデータ保護の調和に向けた一つのモデルとなるのか、今後の展開が注視されています。
Reference(s):
China announces rules to simplify cross-border financial data flow
cgtn.com








