中国の工業部門、2025年Q1が好スタート 6.5%成長の背景とは
中国の工業部門が、2025年の第1四半期(1〜3月)に力強いスタートを切りました。付加価値ベースの工業生産が前年同期比6.5%増と伸び、世界第2位の経済の成長を大きく押し上げています。
6.5%増で成長をけん引、全体成長の3分の1超を占める
中国の工業・情報化部(MIIT)が金曜日に公表したデータによると、一定規模以上の主要工業企業の付加価値額は前年同期比6.5%増加しました。この工業部門の伸びは、同期間の中国経済全体の成長のうち36.3%を占めたとされており、2025年の景気拡大を牽引する存在となっています。
成長率は前の四半期から0.8ポイント加速しており、工業活動が着実に勢いを増していることが分かります。世界経済の不確実性が続くなか、こうした数字は中国の製造業基盤の強さを改めて示すものだといえます。
電子・自動車・電気機械が主役
今回の工業成長をけん引したのは、電子、自動車、電気機械といった中核産業です。これらの分野は、輸出と国内需要の双方に支えられながら、サプライチェーン全体にも波及効果をもたらしています。
さらに、ソフトウエアやITサービスといったデジタル関連産業も存在感を高めています。発表によれば、2025年最初の2カ月間で、ソフトウエア・ITサービス産業の売上高は約1.9兆元(約2,630億ドル)に達しました。製造業の「モノづくり」とデジタルサービスの組み合わせが、中国の産業構造をアップグレードしている様子がうかがえます。
工場設備の高度なデジタル化や、クラウドを使った生産管理など、「製造+サービス」の融合が進むことで、企業はコスト削減と高付加価値化の両立を図っています。今回の数字は、その流れが統計にも現れ始めていることを示していると考えられます。
民間投資の2桁成長、企業数も増加
注目すべき点は、民間部門の動きです。民間による工業投資は2桁の伸びを示し、主要な工業企業の数も引き続き増加しました。これは、企業が将来の需要に対して前向きな見方を持ち、設備投資や新規プロジェクトに踏み切っていることを意味します。
企業数の増加は競争の激化を招く一方で、技術革新や生産性向上の圧力にもつながります。ビジネス環境の改善や、産業政策の後押しによって、さまざまな企業が成長機会をつかもうとしている状況だといえるでしょう。
日本と世界経済への意味
中国の工業活動は、日本を含むアジアや世界のサプライチェーンと密接に結びついています。電子部品や自動車関連など、多くの日本企業が中国向けの輸出や現地生産を行っているため、中国の工業生産の動きは日本企業の業績や投資判断にも直接影響します。
工業生産の拡大は、部材や設備の需要増を通じて周辺国の輸出を押し上げる可能性があります。一方で、中国企業の競争力が高まることで、市場シェアをめぐる競争が厳しくなる局面もありえます。日本の企業や投資家にとっては、リスクとチャンスが同時に広がっている局面といえるでしょう。
これから数カ月の注目ポイント
2025年も残りが少なくなるなか、中国の工業部門がこの勢いをどこまで維持できるかは、世界経済を考える上でも重要なポイントです。特に、以下のような点が今後の注目材料となりそうです。
- 世界需要の動向:米国や欧州、アジア各国の景気が中国の輸出にどの程度追い風となるか
- デジタル分野の成長持続性:ソフトウエア・ITサービスがどこまで高成長を続けられるか
- 民間投資の勢い:企業の前向きな投資マインドがどの程度続くか
- グリーン転換:省エネ・再生可能エネルギー関連投資が産業構造の転換をどのように支えるか
統計が示すのは、2025年の中国工業部門が、緩やかな歩みではなく、明確な成長の勢いを保っているということです。電子・自動車・デジタルサービスという成長エンジンがどこまで走り続けるのか。日本からも引き続き注視していく必要がありそうです。
Reference(s):
cgtn.com








