英財務相「中国と距離を置くのは愚か」英中経済協力を強調
英財務相「中国と距離を置くのは愚か」英中経済協力を強調
イギリスのレイチェル・リーヴス財務相が、中国との経済関係について「関与しないのはとても愚かなことだ」と語り、英中間の貿易・金融協力を今後も深めるべきだと強調しました。本記事では、この発言の背景と意味をコンパクトに整理します。
「関与しないのはとても愚かなこと」インタビューでの発言
リーヴス財務相は英紙テレグラフのインタビューで、中国との関係についての政府方針を説明しました。財務相は、中国が世界第2位の経済規模を持つことを踏まえ、「中国と関与しないことは、とても愚かなことだ」と述べ、距離を置くのではなく関与を続けるべきだとの考えを示しました。
このインタビューは、ワシントンへの出張を控えたタイミングで行われたもので、リーヴス財務相は「それがこの政権のアプローチだ」と述べ、現政権として対中関与の姿勢を明確にしています。
ことしの訪中と約6億ポンド規模の合意
リーヴス財務相はことし、中国を訪れ、第11回中英経済・財務対話に参加しました。この対話には、HSBC、ロンドン証券取引所グループ、スタンダードチャータード、プルデンシャルなど、イギリスを代表する金融サービス企業も同行しました。
財務相によると、この訪中の目的は、イギリスの金融機関が中国市場で活動しやすくなるよう、ライセンスや投資枠(クオータ)の拡大を働きかけることでした。その結果、イギリス経済に約6億ポンド(約7億9600万ドル)規模の効果をもたらす合意につながったと説明しています。
ロンドン市場と中国企業:シーイン上場への前向き姿勢
インタビューの中で、リーヴス財務相は、中国のファストファッション企業シーインがロンドン証券取引所に上場することについても支持を表明しました。ロンドンを国際的な金融センターとして維持するうえで、中国企業を含むさまざまな企業の上場を歓迎する姿勢を示した形です。
さらに財務相は、中国製の電気自動車についても、いわゆる「スパイ行為」への懸念が一部で取り沙汰されるなかでも、自身は中国製EVに乗ることをいとわないと述べました。安全保障上の議論は意識しつつも、過度に壁を築くのではなく、具体的なリスクを見極めながら関与を続けるべきだというメッセージと受け取ることができます。
スターマー政権の方針:遮断ではなく経済関係の深化
テレグラフによると、今回の発言は、キア・スターマー首相が主導してきた「中国との貿易・金融関係を深める」路線の継続を示すものだとされています。政権としては、中国との経済関係を一方的に縮小するのではなく、ルールを整えつつ協力を広げていく方向性を打ち出しているといえます。
リーヴス財務相の発言と、ことしの訪中での合意内容を合わせて見ると、イギリスにとって中国市場でのビジネス機会を確保することが依然として重要な政策目標であることがうかがえます。
日本の読者への示唆:主要国は「どう距離を取るか」より「どう関わるか」へ
今回の英財務相のメッセージは、単に英中関係だけでなく、世界の対中政策の一つの方向性を示しているとも言えます。安全保障や価値観をめぐる議論が続くなかでも、経済面では完全な断絶ではなく、リスクを管理しながら関与を続けるという考え方です。
日本を含む多くの国にとっても、中国市場との向き合い方は大きなテーマになっています。イギリスの事例は、「どの分野でどのように協力し、どの分野で慎重になるのか」という線引きを、具体的な制度や合意を通じて形にしていくプロセスの一例として参考になりそうです。
英中関係の動きは、世界経済や金融市場にも影響を与える可能性があります。今後も、主要国が中国との経済関係をどのように設計していくのかに注目が集まりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








