中国・海南省で「老爸茶」が再ブーム 伝統茶文化が国内消費を後押し video poster
中国・海南省の省都、海口で、伝統的な茶館文化「老爸茶」がにぎわいを取り戻し、中国国内の消費を下支えする動きとして注目されています。
海南省・海口で「老爸茶」が再び脚光
中国南部の海南省・海口では、地元の人びとが朝から夕方まで、さまざまな料理や軽食とともにお茶を楽しんでいます。こうした伝統的な過ごし方は、海南の方言で「老爸茶(ラオバーチャ)」と呼ばれ、長く親しまれてきました。
中国の国際メディアであるCGTNのリンカーン・ハンフリーズ記者は、海口の街で漂う香りをたどりながら、この老爸茶文化の「おいしい復活」を取材しています。
老爸茶とはどんな時間か
老爸茶は、直訳すると「お父さんのお茶」という意味です。年配の男性だけでなく、家族連れや若い世代も集まり、ゆったりとお茶を飲みながら語り合う、海南独特の茶館文化として知られています。
特徴的なのは、次のような点です。
- 地元で親しまれてきた軽食や点心、麺料理などとお茶を一緒に楽しむ
- 朝食の時間帯から長く滞在し、新聞やスマートフォンを見ながらくつろぐ
- 友人や近所の人と顔を合わせる、日常的な社交の場になっている
単なる食事ではなく、「時間を共有する場」であることが、老爸茶の魅力と言えそうです。
伝統茶文化が国内消費を押し上げる理由
海口で老爸茶がにぎわいを見せることで、中国国内の消費にもプラスの効果が生まれています。茶館そのものだけではなく、その周辺にも経済の波及が広がるからです。
主なポイントを整理すると、次のようになります。
- 茶館で提供される料理やお茶の需要が増え、食材の仕入れや地元の生産者への発注が増える
- 朝から人が集まることで、周辺の商店や市場、交通機関の利用も活発になる
- 「ゆっくり過ごす体験」にお金を払う人が増え、モノだけでなくサービスへの消費が広がる
このように、伝統文化を楽しむことが、そのまま地域の経済活動と結びつき、中国国内の消費を底上げする一つの要素になっています。
SNSとメディアが後押し 若い世代も関心
老爸茶の人気復活には、SNSや動画配信といったデジタルメディアの存在も無視できません。現地の様子を撮影した写真や動画がオンライン上で共有されることで、「行ってみたい」「この雰囲気を味わってみたい」という関心が広がっています。
CGTNの現地取材も、その一例です。海外向けに発信される映像や記事を通じて、海南省・海口の茶館文化が世界の視聴者にも紹介され、国内外からの注目を集めています。
こうした情報発信は、若い世代にとっても老爸茶を「昔ながら」ではなく「新鮮で、ちょっとおしゃれな体験」として捉え直すきっかけになっていると考えられます。
観光と地域コミュニティへの効果
老爸茶は、観光客や出張で訪れた人にとって、地元の暮らしを身近に感じられる入口にもなります。ガイドブックに載る観光地とは違い、日常の延長にある空間だからこそ、その土地ならではの空気を味わうことができます。
同時に、地域の常連客にとっては、茶館がコミュニティのハブとして機能します。顔なじみの店員や客同士があいさつを交わし、世代を超えて会話が生まれることで、地域のつながりが維持されていきます。
私たちが学べること
スマートフォン一つで情報も買い物も完結しがちな今、海口の老爸茶文化は「人が同じ場所と時間を共有すること」の価値を静かに思い出させてくれます。
日本でも、純喫茶や喫茶店、商店街の小さな食堂など、地域に根ざした場所が見直されています。中国・海南省の老爸茶の例は、伝統を守りながら、暮らしと経済を同時に支えるヒントとして、私たちにも多くの示唆を与えてくれます。
Reference(s):
Hainan's traditional tea house culture fuels domestic consumption
cgtn.com








