中国の穀物生産、2025年は7億トン超へ 輸入減少も示唆する報告
中国で2025年の穀物生産量が前年の記録をさらに上回り、輸入依存度の低下と農業生産力の強化が進む見通しだとする報告が公表されました。中国農業農村部の下にある中国農業展望委員会の報告をもとに、主なポイントと背景を整理します。
ポイント:2025年の中国農業をめぐる3つの変化
- 穀物生産は709百万トンへ増加見込み(前年は過去最高の706.5百万トン)
- 大豆生産は前年比2.5%増の21.17百万トンを予測
- 国内生産の増加と消費伸びの鈍化で、主要農産物の輸入は減少する見通し
中国、2025年の穀物生産709百万トンを予測
中国農業農村部の下にある中国農業展望委員会が公表した報告書によりますと、2025年の中国の穀物生産量は709百万トンに達する見通しです。これは、前年の過去最高である706.5百万トンをさらに上回る水準です。
報告書は、中国が穀物や主要農産物の供給能力を一段と高めつつあると分析しています。単に生産量を増やすだけでなく、安定的に供給できる体制づくりを進めていることがうかがえます。
単位面積あたり収量の向上がカギ
今回の増産見通しを支えているのは、単位面積あたりの作物収量を大規模に引き上げる取り組みと、穀物作付けや生産に対する現場の意欲の高まりだとされています。
農地を広げるよりも、限られた土地でどれだけ多く収穫するかに重点を置く方向性は、資源制約を意識しながら持続可能な成長を目指す動きとも重なります。
大豆生産は2.5%増の見通し
報告書は、穀物全体だけでなく大豆の生産も着実に増えると予測しています。2025年の大豆生産量は、前年比2.5%増の21.17百万トンに達する見通しです。
大豆は食用油や飼料などに使われる重要な作物であり、生産拡大は国内需要をどこまで賄えるかという点で注目されます。こうした増産の動きは、国内での供給力を高めたいという方向性を反映していると見ることもできます。
主要農産物の輸入は減少傾向に?
報告書によると、国内の農産物生産が増加する一方で、消費の伸びはやや落ち着きつつあります。その結果、穀物や大豆などのバルク農産物(大量に取引される基礎的な農産物)の輸入量は減少する見込みだとされています。
国内生産でより多くを賄えるようになれば、国際市場への依存度は相対的に低下します。他方で、輸出国・輸入国の構図が変われば、世界の農産物価格や貿易フローにも影響が及ぶ可能性があります。
今後10年で「農業生産性の飛躍」を目指す
報告書は、今後10年の見通しにも言及しています。中国はこの期間に農業生産性の面で大きな飛躍を達成し、穀物全体の生産能力をさらに高めるとともに、農業分野が直面するリスクや課題に対処する能力を強化していくと見込まれています。
自然災害や市場の変動など、農業を取り巻く不確実性は小さくありません。報告書が強調するリスクへの対処能力の向上は、生産量を増やすことと並んで、安定供給のもう一つの柱になりそうです。
何が読み取れるか:食料安全保障と私たちの視点
今回の報告からは、中国が穀物を中心とした農業生産の量と安定性の両方を重視している姿勢が見えてきます。国内生産の強化と輸入への依存度の見直しは、自国の食料安全保障を固める動きの一環と受け止められます。
一方で、世界の農産物市場は各国・地域の動きが密接につながっています。中国の生産拡大と輸入減少のトレンドが、どのように周辺国や国際市場に波及していくのか。報告書が描く今後10年の農業の飛躍が、グローバルな食料システムの安定につながるのかどうかも含めて、引き続き注視していく必要がありそうです。
Reference(s):
China expected to achieve higher grain output in 2025: report
cgtn.com








