中国外務省「貿易・関税戦争に勝者なし」米国に対話条件を提示
中国外務省が米国との貿易摩擦と関税問題について、「貿易・関税戦争に勝者はいない」と改めて強調しました。米中関係の緊張が続くなか、中国側が示した対話の条件と基本姿勢を整理します。
中国外務省「貿易・関税戦争に勝者はいない」と強調
中国外務省の郭嘉坤(グオ・ジアクン)報道官は、定例記者会見で米国との貿易摩擦と関税問題について発言し、貿易・関税戦争に勝者はおらず、保護主義では問題は解決しないと強調しました。
郭報道官は、とりわけデカップリング(経済の切り離し)やサプライチェーンの寸断は、最終的に自らを孤立させるだけだと指摘しました。
米国へのメッセージ:対話の条件は「対等・尊重・互恵」
今回の発言は、米国のトランプ大統領とベッセント財務長官による最新の発言に関する質問に答える中で示されたものです。郭報道官は、米国側が本当に関税問題を対話で解決したいのであれば、威嚇や一方的な圧力による譲歩の強要をやめ、対等な立場で相互尊重と互恵にもとづいた協議に戻るべきだと訴えました。
ここで示されたポイントを整理すると、次のようになります。
- 関税問題は対話と交渉によって解決しうるが、その前提は「対等・尊重・互恵」である。
- 威圧や「取引」のための一方的な圧力は受け入れられないという立場を明確にした。
- 米国側の出方しだいで、対立にも対話にも対応する構えを示した。
「戦いたくはないが、戦うなら恐れない」中国側の姿勢
郭報道官は、中国は貿易・関税戦争を望んでいないとしつつも、もし米国があくまで貿易戦争を仕掛けるのであれば、中国は最後まで戦うと述べました。同時に、米国側が対話を求めるのであれば、中国は協議の扉を開いたままにするとして、対話と対立の両方に備える姿勢を示しました。
このメッセージは、次の二つのバランスを取ろうとするものだと見ることができます。
- エスカレーションを望まない抑制的な姿勢
- 一方的な圧力には屈しないという毅然とした態度
「デカップリング」とサプライチェーンへの警鐘
今回の発言で注目されるのが、デカップリングとサプライチェーン(供給網)の寸断に対する警戒です。郭報道官は、経済や技術の切り離しを進める動きは、長期的には自らを孤立させると指摘しました。
グローバルな生産や物流は複数の国と地域にまたがるため、関税や制裁措置が繰り返されれば、コスト増や不確実性の高まりを通じて企業や消費者に広く影響が及びます。中国側のメッセージは、こうした連鎖的な悪影響を避けるべきだという警告とも受け取れます。
なぜこの米中貿易摩擦が日本にも重要なのか
米国と中国は、世界経済を牽引する大きな経済大国です。両国の貿易摩擦や関税の応酬が長期化すれば、サプライチェーンの一部となっている日本企業や、世界市場に依存する日本経済にも波紋が広がる可能性があります。
とくに、次のような点は日本の読者にとっても無関係ではありません。
- 米中間の関税措置が、輸出入価格や企業の投資判断に与える影響
- サプライチェーンの再編が、日本企業の生産拠点や雇用に与える変化
- 金融市場の不安定化を通じた円相場や株価への波及
これから何に注目すべきか
今回の中国外務省の発言は、米中が対立と対話の両方のカードを手元に置きながら駆け引きを続けていることを映し出しています。今後、次のような点が注目されます。
- 米中双方が、追加関税や制裁といった強硬措置を続けるのか、それとも対話のテーブルを重視するのか
- 「対等・尊重・互恵」という原則を、具体的な交渉の枠組みにどう落とし込むのか
- 貿易と関税の問題が、安全保障や技術、デジタル分野のルールづくりにもどのように波及していくのか
貿易・関税戦争に勝者はいないというメッセージは、米中の二国間関係を超えて、グローバル経済全体にとっての問いかけでもあります。日本としても、どのような国際経済秩序を望み、その中でどのように立ち回るのかを考えるきっかけになりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








