中国の工業利益が0.8%増 2025年第1四半期に減益から反転
中国の工業利益が反転増 なぜ今、注目されるのか
中国本土(中国)の主要工業企業の利益が、2025年第1四半期(1〜3月)に前年同期比0.8%増となりました。減益が続いていた流れが途切れたことで、中国経済の底打ち感をうかがう動きとして、国際ニュースとしても注目されています。
0.8%増で減益トレンドに終止符
中国国家統計局(NBS)によると、今年第1四半期の工業利益は前年同期比0.8%増となり、2024年通年での3.3%減から反転しました。統計局の于偉寧(ユー・ウェイニン)統計官は、昨年第3四半期から続いていた利益の減少局面がここで終わったと説明しています。
伸び率そのものは決して大きくありませんが、マイナスからプラスに転じたという方向転換は、景気の流れを判断するうえで重要なシグナルといえます。
対象は「年商2,000万元以上」の主要工業企業
今回の統計が対象としているのは、年間の主な事業収入が2,000万元(約278万ドル)以上の「規模以上工業企業」と呼ばれる企業です。これらの企業の第1四半期の合計利益は1兆5,100億元に達しました。
規模の大きい工業企業の動きは、中国本土の生産や輸出のトレンドを映しやすく、日本を含む海外企業のサプライチェーン戦略にも間接的に影響します。
約6割の業種で増益 41業種のうち24で利益が拡大
NBSによると、中国本土の主要工業部門の約6割で利益が増加しました。41の主要工業分類のうち、24部門が前年同期比で増益となっています。
特定の一部業種だけでなく、幅広い部門で利益が改善していることは、回復の裾野が広がりつつある可能性を示しています。
製造業の利益は7.6%増 回復のけん引役に
今回の統計の中でも、製造業の改善が際立ちます。2025年1〜3月期の製造業の利益は、前年同期比で7.6%増加しました。これは、今年最初の2カ月間と比べて伸び率が2.8ポイント上乗せされた形で、回復ペースが加速していることになります。
製造業は雇用や輸出への波及効果が大きく、中国本土の景気全体を左右しやすい分野です。その利益がプラスに転じ、なおかつ伸びが加速しているという事実は、市場関係者の関心を集めるポイントといえます。
売上高も3.4%増 利益回復の土台に
利益だけでなく、売上高(ビジネス収入)も増加しています。主要工業企業全体の営業収入は第1四半期に前年同期比3.4%増となり、伸び率は今年最初の2カ月より0.6ポイント高まりました。
売上が増えることで、利益改善の土台が整いやすくなります。売上高の増加と利益のプラス転換が同時に起きている点は、需要面と収益性の両方で環境が少しずつ良くなっていることを示していると見ることができます。
今回の統計から読み取れる3つのポイント
- ① 減益局面の転換点:昨年第3四半期から続いていた工業利益のマイナストレンドが、2025年第1四半期でいったん区切りを迎えました。
- ② 回復は広い業種に波及:41の主要工業分類のうち24で増益となり、約6割の部門がプラスとなっています。
- ③ 製造業と売上の回復が支え:製造業の7.6%増という利益改善と、3.4%の売上高増加が全体の底上げにつながっています。
日本の読者にとっての意味合い
中国本土の工業利益の動きは、日本企業や投資家にとっても無関係ではありません。製造業の回復は、部品調達や生産拠点を中国本土に置く企業の計画に影響し得ますし、世界の需要動向を読むうえでの一つの手がかりにもなります。
一方で、利益の伸びはまだ小幅であり、今後の四半期で同じ流れが続くかどうかが次の焦点になります。今回の数字をきっかけに、第2四半期以降の統計や企業の動向を継続して追うことが、2025年の中国経済と世界経済を読み解くうえで重要になりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








