アイオワ農家が語る米中農業協力 トランプ関税の重い影 video poster
アイオワ州の大豆農家が、続くトランプ政権の関税政策で揺れています。米中農業協力の「土台」を守れるのか――現場の不安と期待を追いました。
関税が落とす影、揺れるアイオワ経済
アメリカでは、トランプ大統領による関税政策が続き、製造業からサービス業まで幅広い産業に影を落としています。そのなかでも打撃が大きいのが農業です。大豆とトウモロコシが経済の柱となっているアイオワ州では、農家の間に緊張感が広がっています。
40%が輸出、その最大市場は中国
アイオワ州で収穫される大豆のおよそ40%は輸出向けで、その最大の単一市場が中国です。トランプ政権の関税方針が続けば、この重要な取引関係が揺らぎ、農家の収入だけでなく、州内の雇用全体にも影響が広がる可能性があります。
- 大豆はアイオワ州経済を支える柱の一つ
- 生産量の約4割が海外へ輸出
- 最大の輸出先が中国市場
こうした構造のため、米中関係の変化は、アイオワの農家にとって為替や天候と同じくらい重要なリスク要因になっています。
農家の声が示す「二重の不安」
アイオワ州の大豆農家であり、アイオワ大豆協会の市場開発ディレクターも務めるグラント・キンブリー氏は、最近の状況を懸念しています。気まぐれな天候に加え、関税がどうなるのか見通せないため、農家は今年の大豆の作付けを減らさざるを得ない判断を迫られていると指摘します。
農家にとって、どれだけ種をまくかという決定は、1年の収入を左右する大きな賭けです。天候リスクだけでも十分に大きいところに、関税という政策リスクが上乗せされることで、計画は一段と難しくなっています。
米中農業協力は相互成長の土台
キンブリー氏は、長年にわたる米中の農業協力について、双方の「相互成長を支えてきた土台」だと強調します。アイオワ州の大豆が中国の食卓や家畜飼料を支え、中国市場はアイオワの農業と地域経済を支える。その循環を、できるだけ安定した形で続けたいというのが、現場の率直な思いです。
アイオワ大豆協会は、連邦政府に対し、関税によるダメージを抑え、貿易に安定を取り戻すよう求めています。米中の農業協力は双方に利益をもたらしてきたとして、関係が再び落ち着きを取り戻すことへの期待もにじみます。
私たちに突きつけられる問い
それでも、2025年の作付けシーズンを前に、アイオワの畑には不安が重くのしかかったままです。世界最大級の農産物市場である中国との関係が揺らげば、その波紋はアメリカ中西部だけでなく、世界の食料市場にも広がりかねません。
今回のアイオワの事例は、私たちに次のような問いを投げかけます。
- 農業現場の声を、通商政策にどう反映させるべきか
- 国境を越えた農業協力を、対立ではなく安定と共存の方向にどう導くか
- 気候変動や市場変動が続く中で、農家がリスクを分散するためにどんな支援が必要か
政治の動きは、ともすれば遠い世界の出来事に見えます。しかし、アイオワの大豆畑で起きている変化は、食料価格を通じて、私たちの食卓や企業活動にもじわりと影響してきます。米中農業協力の行方は、2025年の国際ニュースの中でも、引き続き注目しておきたいテーマです。
Reference(s):
cgtn.com








