国際ニュース:中国の習近平氏、新開発銀行を「グローバルサウス自立の先駆け」と位置づけ
中国の習近平国家主席が上海の新開発銀行(New Development Bank、NDB)を訪問し、「グローバルサウス自立の先駆け」と位置づけました。国際ニュースとして、グローバルサウスと国際金融の行方を考えるうえで見逃せない動きです。
習近平氏、NDBを訪問し「グローバルサウスの先駆け」と評価
火曜日、中国の習近平国家主席は上海にある新開発銀行(NDB)を訪れ、総裁を務めるジルマ・ルセフ氏と会談しました。ルセフ総裁は4人の副総裁や職員とともに習氏を出迎えました。
習氏は、ルセフ氏の新開発銀行総裁への再任を祝うとともに、NDBは「新興国と開発途上国が設立し、主導する世界初の多国間開発機関だ」と述べました。そのうえで、同銀行を「グローバルサウスの団結と自立のための先駆的な取り組み」と位置づけ、「グローバルガバナンス(国際統治)の改革と改善という歴史の大きな流れに沿うものだ」と強調しました。
習氏は、新開発銀行が国際金融システムにおいて新たな勢力として台頭し、グローバルサウスの協力の「光る手本」になっていると指摘しました。さらに、より広いBRICS協力が「質の高い発展の段階」に入っており、NDBも「第二の黄金の10年」に踏み出そうとしていると述べました。
新開発銀行(NDB)とは
習氏の発言によれば、新開発銀行は新興国と開発途上国が自ら設立し、自ら主導する初の多国間開発銀行です。ホスト国である中国の上海に拠点を置き、グローバルサウスのインフラ整備や持続可能な開発を支えることが期待されています。
国際ニュースの文脈では、こうした新しいタイプの多国間開発銀行は、既存の国際金融機関に加え、開発資金の選択肢や視点を多様化させる存在として注目されています。
グローバルサウスへの資金供給と「質の高い発展」
習氏は、新開発銀行に対し、グローバルサウスの開発ニーズにより深く応えるよう求めました。その具体的な方向性として、次のようなポイントが挙げられています。
- グローバルサウスの国々のニーズを踏まえ、「質が高く、低コストで、持続可能な」インフラ資金をより多く提供すること。
- 銀行の経営と業務運営を改善し、テクノロジー関連やグリーンファイナンス(環境に配慮した資金供給)のプロジェクトをさらに推進すること。
- 開発途上国がデジタル格差を埋め、グリーンで低炭素な転換を加速できるよう支援すること。
- 国際金融アーキテクチャ(国際金融の枠組み)の改革を議論する場で、グローバルサウスの声を大きくし、その正当な権利と利益を守ること。
- グローバルサウス各国の近代化への歩みを後押しすること。
これらのメッセージからは、NDBを単なるインフラ銀行にとどめず、デジタル化や脱炭素化を含む「質の高い発展」を支えるプラットフォームとして位置づける狙いが読み取れます。
中国が示したホスト国としての役割
習氏は、中国が新開発銀行のホスト国として、その運営と発展を今後も一貫して支援していくと表明しました。また、グリーン、イノベーション、持続可能性に焦点を当てたプロジェクト協力を強化し、より多くの成果を上げていきたいと述べました。
さらに中国は、自国の開発経験を新開発銀行を通じて他の加盟国と共有し、より多くの国際公共財を提供する用意があるとしています。習氏は、中国が自力更生と不断の努力によって発展を成し遂げてきたことに触れ、自国の正当な権益と国際社会全体の共通の利益を今後も守っていくと強調しました。
ルセフ総裁が語る「揺らぐ国際秩序」とNDBの役割
新開発銀行のジルマ・ルセフ総裁は、中国による長年の強力な支援に謝意を示しました。そのうえで、習氏の指導の下で中国が「驚くべき発展成果」を上げ、グローバルガバナンスを前に進めるうえで重要な役割を果たしていると評価しました。
ルセフ総裁は、今日の世界情勢が不安定な中で、中国政府が一貫してグローバルサウスの利益を擁護し、多国主義を支持し、国際的な公正と正義を守り、「共通の未来を分かち合う共同体」の構築を推進してきたと述べました。これは国際社会にとって一つの模範になっているとしています。
一方で、彼女は、単独行動主義や保護主義が国際法の権威を侵食し、産業・サプライチェーンの安定を損ねていると懸念を表明しました。そのうえで新開発銀行は、設立当初の原点を忘れず、積極的な行動を取り、新興国と開発途上国の発展に貢献していくと述べました。
なぜこの動きが国際ニュースとして重要なのか
今回のやりとりからは、グローバルサウスと国際金融をめぐる少なくとも三つのメッセージが見えてきます。
- グローバルサウスが、国際金融アーキテクチャの議論において、より大きな発言力を求めていること。
- インフラ整備だけでなく、デジタル格差の是正やグリーン・低炭素転換など、「質の高い発展」への関心が高まっていること。
- ホスト国である中国が、新開発銀行を通じて国際公共財を提供し、グローバルサウスとの連携を一段と強めようとしていること。
習氏は、グローバルサウスの国々が、世界の平和維持、共同発展の推進、グローバルガバナンスの改善において重要な力として台頭していると述べました。そして、国際情勢がどう変化しても、人類の発展と進歩という大きな方向性は変わらないとの見方を示しています。
読者への問いかけ:グローバルサウスとこれからの国際金融
新開発銀行をめぐる今回の動きは、国際金融の主役やルール作りの担い手が、徐々に多極化しつつあることを映し出しているとも言えます。日本やアジアの読者として、次のような視点からニュースを読み解いてみることもできそうです。
- グローバルサウスの声を反映した国際金融の仕組みは、どのような形が望ましいのでしょうか。
- デジタル格差の是正と脱炭素化を同時に進めるために、国際機関はどのような役割を果たせるのでしょうか。
- 各国が自国の利益を守りながら、国際公共財を提供し合う関係を築くには、どのようなルールや信頼が必要でしょうか。
こうした問いを頭の片隅に置きながら、新開発銀行やグローバルサウスをめぐる国際ニュースをフォローしていくと、世界の動きがより立体的に見えてくるかもしれません。
Reference(s):
Xi Jinping hails NDB as 'pioneer' of Global South self-improvement
cgtn.com







