米国の消費者信頼感がコロナ禍以来の低水準 関税不安が重し
米国の消費者信頼感が、5カ月連続で悪化し、新型コロナウイルス流行初期以来の低水準となりました。関税の影響による物価上昇への不安が広がり、景気の先行きに黄信号がともっています。
米消費者信頼感、2025年4月に急低下
米民間調査機関コンファレンス・ボードによると、消費者信頼感指数は2025年4月に前月比7.9ポイント低下し、86となりました。新型コロナウイルスのパンデミックが始まった2020年5月以来の低さです。
この指数の悪化は5カ月連続で、家計のマインド悪化がじわじわと進んでいることを示しています。今後数カ月の雇用動向については、およそ3分の1の消費者が採用のペースが鈍ると見ており、その割合は世界的な金融危機後の景気後退が続いていた2009年4月にほぼ匹敵する水準だとされています。
関税と物価高への不安が心理を冷やす
米AP通信は、この数字について、多くの人が米政権による幅広い関税措置の影響で物価が上昇すると予想していることが、消費者心理の急速な悪化につながっていると伝えています。報道によれば、ドナルド・トランプ大統領が導入した広範な関税によって物価が上がると考える人が大多数を占めています。
AP通信とNORCセンターが行った調査では、約半数の人が景気後退の可能性を懸念していることも分かりました。関税が企業コストや輸入価格を押し上げ、それが最終的に消費者価格に転嫁されるのではないかという見方が、不安心理を増幅させています。
消費者が不安になると何が起きるのか
調査会社ハイ・フリークエンシー・エコノミクスのチーフエコノミスト、カール・ワインバーグ氏は、消費者が動揺すれば、自信を持っているときほどお金を使わなくなると指摘します。消費者信頼感が下がり、人々が支出を控えれば、経済成長も下押しされるという見方です。
個人消費は米国経済の重要なエンジンとされており、家計のマインド悪化は企業の売り上げや投資にも波及しかねません。景気の基調が大きく崩れていなくても、心理面の悪化が実体経済を弱らせることがあるため、市場関係者は消費者信頼感の動きを注視しています。
短期的な景気・雇用見通しも13年ぶりの弱さ
今回の調査では、今後数カ月の所得、景気、雇用環境に対する期待を示す指数も大きく落ち込みました。この短期的な期待指数は12.5ポイント低下し、54.4となり、13年以上ぶりの低水準です。
先行きへの悲観が強まれば、住まいや耐久消費財など大きな買い物を先送りする動きが広がる可能性があります。期待が冷え込んだ状態が長引けば、企業の採用や投資にも慎重姿勢が広がり、景気の減速リスクが高まる恐れがあります。
日本と世界への含意
米国の消費者信頼感は、世界経済や日本にも影響を及ぼし得る指標です。世界有数の消費市場である米国で家計が支出を抑えれば、輸出や観光、企業収益に波及する可能性があります。
今回のようなマインド悪化が一時的なものにとどまるのか、それとも実際の消費や雇用の減速につながるのか。今後発表される各種統計や企業決算を通じて、米国の消費者心理の行方を丁寧に見ていく必要がありそうです。
Reference(s):
cgtn.com








