中国インバウンドがメーデー連休で173%増 税還付とビザ緩和が追い風
中国インバウンドがメーデー連休で173%増
2025年の中国のメーデー連休(労働節の5連休)で、インバウンド観光が大きく回復しています。大手オンライン旅行会社トリップドットコム・グループによると、中国本土へのインバウンド観光の予約件数は前年同期比で173%に達したといいます。背景には、税還付制度の見直しやビザ免除政策など、外国人観光客の受け入れ環境を整える政策があります。
税還付とビザ緩和がインバウンドを押し上げ
今回のインバウンド増加をけん引した要因の一つが、中国の出国時税還付政策です。中国はこれまで、外国人観光客が出国する際に税金を還付する出国時還付を中心としてきましたが、制度の拡充が進み、旅行中の消費を後押ししています。
また、中国が相次いで導入したビザなし入国や乗り継ぎ(トランジット)に関する新たな政策も、訪問者数の増加につながっているとされています。インバウンド観光は、観光産業だけでなく、消費やサービス産業全体を押し上げる存在として注目されています。
上海:ビザ免除と購入時還付で試金石に
東部の上海は、インバウンド観光の人気都市として、メーデー連休期間中も多くの外国人観光客を迎えています。上海市は連休に合わせて、出国時税還付の消費環境をさらに最適化し、外国人観光客がより便利に還付サービスを受けられるよう取り組んでいます。
中国がビザなし入国やトランジットビザ免除などの政策を打ち出して以降、上海を訪れる外国人観光客は大きく増加しました。2025年の第1四半期(1〜3月)には、上海を訪れた国際観光客が174万3,000人に達し、前年同期比37.1%増となっています。
税還付は出国時から購入時へ
中国は、外国人観光客向けの税還付制度を見直し、出国時還付から購入時還付への転換を進めています。これは、店舗で買い物をしたその場で税金の還付手続きを行える仕組みで、出国時の空港カウンターの混雑緩和や、旅行中の時間節約にもつながると考えられます。
あわせて、支払いの利便性を高めるための新たな措置も導入されています。最近の政策では、出国時税還付を受けるために必要な最低購入額が、従来の500元から200元(約27.8ドル)に引き下げられました。これにより、少額の買い物でも税還付の対象となりやすくなり、短期滞在や個人旅行の観光客にもメリットが広がっています。
中国を訪れる外国人観光客は、食品、衣料品、工芸品、スマートフォンやパソコンなどの電子機器まで、幅広い商品を購入しており、ショッピングはインバウンド消費の重要な柱となっています。
上海は購入時還付のパイロット都市
上海は、購入時還付制度を試行するパイロット都市の一つです。市内には現在587の税還付店があり、そのうち284店舗が購入時還付に対応しています。約半数の店舗で、新しい還付方式が利用できる計算です。
上海市商務委員会の劉敏副主任によると、近年、上海の出国時税還付の売上高は全国でも常に上位にあります。直近の統計では、税還付店が外国人観光客に発行した税還付申請書は8万6,000件に上り、税還付対象商品の売上は約23億7,000万人民元に達しました。これは前年同期比で86.6%の増加にあたるとしています。
アジアの観光競争のなかで見えるもの
メーデー連休のインバウンドが前年比173%増という数字は、中国本土を訪れる国際観光需要の回復の速さを示しています。同時に、税還付制度の改革やビザ免除、支払いの利便性向上など、制度面での整備が観光地の競争力を左右する時代になっていることも浮かび上がります。
中国の取り組みは、アジア各地でインバウンド需要の取り込みを目指す国や地域にとっても、参考になる事例といえます。旅行者が行きたいと思うだけでなく、行きやすい、買い物しやすいと感じられる環境づくりが、これからの観光戦略の鍵になりそうです。
Reference(s):
China's inbound tourism trips for May Day holiday surge to 173%
cgtn.com








