米国が中国本土からの小口荷物免税を廃止 120%関税で価格上昇へ
米国が中国本土からの小口荷物に対する税優遇を打ち切り、今週金曜日から新たに120%の関税を導入します。これにより、オンラインで手軽に購入してきた商品価格の上昇や配送の遅れが懸念されています。
米国が小口荷物の免税を終了 120%関税へ
米国ではこれまで、中国本土から輸入される一定額以下の小口荷物について、関税や税金を免除するデミニミス(少額免税)制度が適用されてきました。この制度が終了し、新たに120%の関税が課されることになります。発効は今週金曜日とされており、2025年12月8日時点で目前に迫っています。
対象となるのは、中国本土から米国向けに輸出される小口の荷物で、多くがオンライン通販や越境EC(国境をまたぐ電子商取引)を通じた商品です。
デミニミス制度とは何か
デミニミス制度とは、少額の輸入品については、徴税コストなどを考慮して関税や消費税を免除する仕組みです。これにより、海外からの小さな荷物は、簡易な手続きで素早く配送されるメリットがありました。
中国本土からの小口輸入品もこの枠組みの恩恵を受けてきましたが、今回の措置により、この優遇が一気に失われることになります。
消費者と配送への影響
新しい120%関税は、主に次のような形で影響するとみられます。
- 商品価格の上昇:関税分が上乗せされることで、最終的な販売価格が大きく高くなる可能性があります。
- 配送の遅れ:免税枠がなくなることで、通関(税関での手続き)が増え、荷物の処理に時間がかかるリスクがあります。
- 送料や手数料の増加:事業者が追加コストを送料や手数料に転嫁するケースも想定されます。
- 品ぞろえの変化:採算が合わなくなった商品が、米国向け販売から外される可能性もあります。
オンライン通販を利用する米国の消費者にとって、これまで当たり前だった「安くて早い」買い物体験が変わる節目となりそうです。
米国の中小企業への打撃を懸念
今回の措置について、米国商工会議所は強い懸念を示しています。同会議所は、新たな関税が米国の中小企業に取り返しのつかない損害を与え、消費者とオンライン販売事業者を圧迫しかねないと指摘しています。
多くの中小企業は、中国本土から部品や完成品を小口で仕入れ、それを米国内で販売することでビジネスを成り立たせてきました。デミニミス制度が前提だったビジネスモデルは、今回の関税引き上げで大きな見直しを迫られます。
コスト上昇に耐えられない小規模事業者が市場から退出したり、価格転嫁によって消費者の負担が増えたりする可能性もあります。
越境ECとグローバルなサプライチェーンへの波紋
今回の関税措置は、米国と中国本土の間の貿易に直接関わるものですが、その影響は越境EC全体やグローバルなサプライチェーンにも波及しうるテーマです。
例えば、
- 米国向けに商品を販売するプラットフォームや事業者が、仕入れ先や物流ルートの見直しを進める可能性
- 他の国・地域でも、小口免税制度の見直しをめぐる議論が活発化する可能性
- 消費者が「どこから届く商品なのか」「関税はどうなるのか」といった点を、これまで以上に意識するようになる変化
日本を含むアジアの事業者にとっても、米国市場での競争環境や価格設定のあり方を考え直すきっかけとなるかもしれません。
私たちはどう受け止めるべきか
今回のニュースは、一見すると米国と中国本土の間の貿易ルール変更の話に見えます。しかし、その背景には、デジタル時代の貿易制度をどう設計するのかという、より大きな問いが横たわっています。
少額の国際配送をどこまで優遇し、どこから課税するのか。自由な取引をどこまで認め、国内産業や雇用をどう守るのか。各国が模索するなかで、ルールの変化は今後も続くと考えられます。
オンラインで海外から商品を購入することが当たり前になった今、私たち一人ひとりも、価格の裏側にある制度やルールに少し目を向けてみる時期に来ているのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








