Appleに9億ドルの関税負担 インド生産シフトと中国本土販売減の行方
米Appleが2025年第2四半期決算で、2025年第3四半期に関税によるコスト増が約9億ドルに達する見通しを示しました。iPhone生産拠点のシフトと中国本土での販売減が重なるなか、その背景と今後のポイントを整理します。
9億ドルの関税コスト、何を意味するのか
Appleのティム・クック最高経営責任者(CEO)は、第2四半期(Q2)決算説明会で、現在の米国の貿易政策が続く前提で、第3四半期(Q3)のコストが関税によって約9億ドル押し上げられるとの見通しを示しました。
これは、政策次第で企業のコスト構造が大きく揺れ動くことを改めて示す数字です。関税によるコスト増は、利益率や価格戦略、さらには投資計画にまで影響し得ます。
- 第3四半期に関税コストが約9億ドル増加する見通し
- 前提条件は「現在の米国の貿易政策が継続する」こと
- 収益性や価格戦略の見直し圧力が強まる可能性
クック氏の発言は、企業が政策リスクをどのように織り込みながら事業運営を行っているかを示す一つのケースといえます。
iPhoneはインド製が主流に 生産の地理的シフト
同じ決算説明会でクック氏は、2025年6月期(第3四半期)について、米国で販売されるiPhoneの大半がインドを原産国とする見込みだと説明しました。
米国市場向けiPhoneの原産国がインドへとシフトしていることは、Appleが生産拠点の地理的な分散を進めていることを示唆します。特定の地域や政策に生産を過度に依存することは、関税や規制変更のリスクを高めるためです。
- 米国で販売されるiPhoneの多数がインドを原産国とする見通し
- 生産拠点の分散を通じて、関税や政策リスクへの耐性を高めるねらいと受け止められる
- 一気にではなく、段階的に生産の比重が変化しているとみられる
インドの役割が高まる一方で、Appleがどの程度まで生産をシフトさせるのか、そしてそれがコストや製品供給の安定性にどう跳ね返るのかが、今後の注目点となります。
それでも中国本土はAppleの中核拠点
クック氏は同時に、米国以外の市場におけるApple製品販売の主な拠点として、中国本土が今後も重要な位置を占めることを強調しました。生産や販売、サプライチェーン全体において、中国本土が中核であり続けるというメッセージです。
一方で、第2四半期の期間中、中国本土での売上は前年から減少しました。この数字を受け、決算発表後の時間外取引でAppleの株価は約4%下落しています。投資家は、関税コストの増加とあわせて、中国本土での販売動向にも敏感に反応していることがうかがえます。
- 中国本土は米国以外でのApple製品販売の主な拠点であり続けるとの見解
- しかし、第2四半期の中国本土での売上は前年から減少
- 決算後の時間外取引でApple株は約4%下落
関税負担の増加と、中国本土における販売の不透明感。この二つの要素が、Appleの成長ストーリーにどのような影響を与えるのかが、今後の重要なテーマです。
投資家と消費者にとってのチェックポイント
今回の決算とクック氏の発言から、投資家や消費者が押さえておきたいポイントをまとめると、次のようになります。
- 関税コスト約9億ドルが、利益や株価にどこまで影響するか
- 米国向けiPhone生産のインドシフトが、中長期的にコスト構造や供給に与える影響
- 中国本土市場の動きが、Apple全体の成長を左右するリスク要因にもなり得ること
Appleは関税や政策の変化をにらみつつ、生産拠点の分散と市場ごとの戦略を同時に進めています。サプライチェーンの地理的なバランスを取りながら、各地域の需要にどう応えていくのか。世界的な企業の動きとして、今後も注視しておきたい局面です。
Reference(s):
cgtn.com








