米国が中国本土と香港の少額輸入免税を撤廃 関税負担でオンライン購入に影響 video poster
米国が中国本土(中国)と香港特別行政区(Hong Kong Special Administrative Region)からの少額輸入に対する免税措置を打ち切ったことで、2025年春以降、米国のオンライン消費者や越境EC事業者に価格上昇と配送遅延の懸念が広がっています。本記事では、この国際ニュースのポイントと背景を日本語で整理します。
何が変わったのか:800ドル以下の免税撤廃
今年4月2日、ドナルド・トランプ米大統領は、中国本土と香港特別行政区からの輸入品のうち、800ドル以下の少額貨物に適用されてきた免税ルール(いわゆる de minimis)を廃止する大統領令に署名しました。この措置は、5月2日午前0時1分(米東部時間)から発効しています。
それまで米国では、中国本土や香港特別行政区からの小口の荷物については、800ドル以下であれば関税がかからない扱いが一般的でした。今回の変更により、同じ価格帯の商品でも新たに高い関税や定額の手数料が発生することになります。
発表と一時停止が生んだ混乱
トランプ大統領は当初、2月にこの免税廃止を発表しましたが、その後いったん実施を見送りました。この一時停止が、税関職員、郵便・宅配サービス、オンライン小売事業者に大きな混乱をもたらしたとされています。
この期間、米国税関では荷物の処理が滞り、大量の荷物が滞留したと報じられています。新しいルールに備えて対応を進めていた現場にとって、方針変更は大きな負担となりました。
関税は合計145パーセント 物流も減速
免税撤廃は、すでに導入されていた対中関税強化の上にさらに重なる措置です。トランプ政権による新たな関税を合わせると、中国本土からの対象品目の関税は合計で145パーセントに達しているとされています。
米CNNによると、4月9日以降に積み込まれた貨物には新しい関税率が適用されており、その結果、中国本土を出発する船便は出港本数が減り、積み荷の量も少なくなっています。コストが高くなり過ぎるとの判断から、多くの米国輸入業者が取引量を抑えているとされています。
少額荷物にも高い負担 120パーセントか定額100ドル
これまで免税だった小口荷物は、現在では次のような扱いになっています。
- 800ドル以下でも、120パーセントの関税が課される
- もしくは、100ドルの定額手数料が課される
- この定額手数料は、6月1日から200ドルに引き上げられた
いずれのケースでも、従来はゼロだった関税負担が一気に膨らむため、中国本土や香港特別行政区から日用品や雑貨をオンラインで購入していた米国の消費者にとって、実質的な値上がりとなります。
米国の消費者とオンライン事業者への影響
免税撤廃と高関税の組み合わせにより、米国の消費者は次のような影響に直面しています。
- 商品価格そのものの値上げ
- 関税や手数料分を上乗せした送料・手数料の増加
- 税関での審査や徴収手続きが増えることによる配送遅延
一方、オンライン小売事業者や越境ECプラットフォームにとっても、コスト構造の見直しやシステム対応が必要になります。価格表示の方法や、どの時点で関税を徴収するかなど、ユーザー体験に直結する部分の調整が求められています。
他の関税対象国にも波及する可能性
大統領令によると、今回の免税撤廃は中国本土と香港特別行政区にとどまらず、今後、米国が関税を課している他の国や地域にも広がる可能性があります。ただし、その適用は、該当する輸入品について、関税を迅速かつ完全に徴収できるシステムが整った段階で行うとされています。
トランプ政権は、いわゆる相互主義に基づく関税措置の一環として、この方針を打ち出しています。狙いは関税収入の確実な徴収とされていますが、短期的には消費者と事業者が負担増を強く感じる構図です。
日本の読者にとっての意味
今回の米国の動きは、日本国内の消費者に直接の影響を与えるものではありませんが、国際ニュースとしては三つのポイントがあります。
- 米中間の貿易ルールの変化が、越境ECや物流の現場を通じて生活者レベルにまで波及していること
- 関税や免税枠の見直しが、オンラインショッピングの体験や価格に直結する時代になっていること
- 今後、他の国や地域にも同様の措置が広がる場合、世界のサプライチェーンや価格の付き方がさらに変化しうること
米国在住の家族や友人へのギフト送付、米国向けのオンラインビジネスなど、日本と米国をまたぐ取引をしている人にとっては、こうした関税ルールの変化を押さえておくことが、トラブルを避ける第一歩になります。
国際ニュースは遠い世界の話に見えますが、今回のような関税と免税枠の変更は、スマートフォン一つで世界中から商品を買える時代だからこそ、私たちの日常にもつながるテーマです。制度の仕組みと背景を理解しつつ、自分の暮らしやビジネスにどのような影響があり得るのかを考えてみるきっかけにしてはいかがでしょうか。
Reference(s):
U.S. consumers may face pricier Chinese goods as duty-free imports end
cgtn.com







