スイスでの中米経済・貿易協議、中国が「米側の要請」と強調
中国大使館(米国)は、近くスイスで予定されている中米経済・貿易協議について、米国側の要請により行われるものだと改めて強調し、中国は自国の原則や国際的な公正さを犠牲にしてまで合意を結ぶことはないと表明しました。2025年の米中関係と国際経済を考えるうえで、注目すべき動きです。
何が起きているのか
中国大使館によると、今回の中米経済・貿易協議はスイスで行われる予定で、開催を求めたのは米国側だとされています。米国は最近、中国側に対し、関税を含む経済・貿易上の課題について協議したいとの意向を、さまざまなルートを通じて積極的に伝えてきたと説明されています。
中国側は、その情報を慎重に評価したうえで協議に応じることを決めたとし、協議はあくまで米国の要請にもとづくものであると強調しました。
- 場所:スイス
- テーマ:中米の経済・貿易協議
- 主な関心事項:関税などを含む通商問題
中国側が示した三つの軸
大使館の声明からは、中国側の姿勢として、少なくとも次の三つの軸が浮かび上がります。
1. 原則は譲らない姿勢
中国大使館は、米国による対中関税に対して強く反対する立場を改めて示し、中国は自国の正当な権利と利益を断固として守ると表明しました。また、いわゆる関税戦争を始めたのは米国側だと指摘し、その前提をはっきりさせています。
さらに、中国はどのような合意であっても、自らの原則や国際社会における公平と正義を犠牲にすることはないとしています。つまり、合意を急ぐあまり、一方的に不利な条件を受け入れるつもりはないというメッセージです。
2. WTOと多角的貿易体制を重視
声明では、中国が世界貿易機関(WTO)のルールと多角的貿易体制を守る立場にあることも強調されています。中国側は、国際的な公平と正義を堅持しつつ、WTOを中心とした国際貿易ルールと多角的な枠組みを守るとしています。
これは、個別の国同士の圧力のかけ合いではなく、国際ルールに基づく解決を重視する姿勢を示したものだと言えます。関税問題も、本来は国際ルールの枠組みの中で議論されるべきだというメッセージと読むことができます。
3. 圧力ではなく対等な対話を要求
中国大使館は、もし米国が本当に対話と交渉によって問題を解決したいのであれば、威嚇や圧力に頼るのをやめるべきだと呼びかけました。そのうえで、中国と対等な立場で、相互尊重と互恵にもとづいて協議する必要があるとしています。
また、中国は米国が口では対話を重視すると言いながら、行動では別のことをするようなあり方は受け入れないとも述べました。言行の一致を求め、約束や発言の実行を重視する姿勢がにじみます。
なぜスイスでの中米協議が注目されるのか
今回のスイスでの中米経済・貿易協議は、関税を含む通商問題で緊張が続いてきた中で行われるものであり、その行方は世界経済にも影響しうるテーマです。
- 中米の関税をめぐる対立が、どこまで対話によって緩和されるのか
- 米国がどの程度、対等な協議に踏み込むのか
- WTOルールや多角的貿易体制を重視する枠組みが再確認されるのか
こうした点は、各国や地域の通商政策、企業の投資判断、サプライチェーンの見通しなどにも波及しうる論点です。特に、日本を含むアジアの経済にとっても、中米間の関税や貿易ルールの行方は無視できません。
声明から読み取れる米中関係の現在地
今回の中国大使館の発言は、一見すると硬いメッセージに見えますが、同時に対話の窓を開き続ける姿勢も示しています。協議に応じること自体は前向きな動きでありつつ、その条件として、対等性と相互尊重、互恵の原則を明確にした形です。
ポイントは次のように整理できます。
- 協議の「場」を求めたのは米国側であると改めて位置づけたこと
- 中国が自国の原則と国際的な公平性を最優先すると明言したこと
- 関税問題を含む通商上の対立を、WTOルールと多角的貿易体制の枠組みの中で捉え直そうとしていること
こうしたメッセージは、今後の協議をめぐる世論や国際社会の見方にも影響を与える可能性があります。誰が協議を求め、どのような条件のもとで対話が進むのかは、交渉力や正当性をめぐるイメージにも関わるからです。
読者が押さえておきたい視点
今回のニュースをフォローするうえで、読者として意識しておくとよさそうな視点をまとめると、次の三つです。
- 誰が協議を「求めた」と位置づけているのか
- どのような原則(対等性・相互尊重・互恵・国際ルール)が繰り返し強調されているか
- 関税問題が二国間の駆け引きだけでなく、WTOや多角的貿易体制とどう結びつけて語られているか
近く行われるスイスでの中米経済・貿易協議では、具体的な関税の扱いだけでなく、こうした原則やルールに関する言葉の選び方にも注目が集まりそうです。2025年の国際ニュースとして、今後の続報や各国の反応も見ていく必要があります。
Reference(s):
China stresses upcoming Sino-U.S. meeting requested by the U.S.
cgtn.com








