日米貿易交渉で関税「ゼロ」目標を再表明 石破首相がテレビで発言
日米貿易交渉をめぐり、日本の石破茂首相が「すべての関税撤廃」を目指す姿勢をあらためて示しました。12月7日(日)朝のテレビ番組での発言で、米国との関係や国内の消費税減税議論にも踏み込んでいます。
石破首相「最終的には関税ゼロを目指す」
石破首相は、フジテレビの朝の番組に出演し、米国との貿易交渉について「議論は徐々にまとまってきている」と述べました。さらに、米国のドナルド・トランプ大統領との関係については「驚くほど良好だ」と評価しました。
そのうえで、交渉のゴールとして「すべての関税の撤廃」を目指す方針を重ねて表明しました。石破首相は、現在検討されている枠組みよりも一歩踏み込んだ、「関税ゼロ」を最終目標としたい考えです。
米英合意は「一つのモデル」 それでも目標は0%関税
石破首相は、米国と英国の間で今週木曜日に発表された合意にも言及しました。この合意では、英国から米国への自動車輸出にかかる高い関税を引き下げる一方で、輸入品に対する一律10%の基準関税は残す内容とされています。
石破首相は、この米英合意について「一つのモデルではある」と評価しながらも、「しかし、私たちは0%の関税を目指すべきだ」と強調しました。
あくまで米英間の枠組みは参考例にとどまり、日本としてはより踏み込んだ自由化を模索すべきだというメッセージといえます。
トランプ大統領は「10%基準関税」維持を表明
一方で、トランプ大統領は金曜日、たとえ貿易協定が結ばれた後でも、輸入品に対して10%の基準関税を維持する考えを示しています。ただし、各国が「大幅な貿易条件」を提示する場合には、例外もあり得るとしています。
米国側は、関税を交渉カードとして維持しつつ、条件次第で優遇も行う方針を明確にしており、日本としては、どこまで譲歩しつつ「関税ゼロ」に近づけるかが今後の焦点となります。
日本の自動車産業に重くのしかかる高関税
現在、日本から米国への経済的に重要な自動車輸出には、25%という高い関税が課されています。また、自動車以外の日本の商品にも24%の関税がかかっているとされています。
- 日本から米国への自動車輸出:25%の関税
- その他の日本製品:24%の関税
石破首相は、高い自動車関税が米国の消費者にとっても不利だと指摘しました。関税が高いままだと、米国で販売される自動車の価格が押し上げられ、結果として米国の消費者負担が増えるからです。
そのうえで、石破首相は「アメリカ経済のためにも、その関税は下げるべきではないか」と述べ、関税引き下げは日本側だけでなく米国側にも利益があると訴えました。
消費税減税には慎重姿勢 「財政への影響を考える必要」
番組では、国内の景気対策として浮上している消費税減税の議論にも質問が及びました。石破首相は、消費税をめぐる議論について「政府は慎重に考える必要がある」と述べ、拙速な減税には慎重な立場を示しました。
石破首相は「もし急に消費税を下げたら、この国の財政はどうなるのか」と問いかけ、財政への影響を重視する姿勢を見せました。さらに「本当に困っている人を支えるために、ほかのやり方はないのかを考えなければならない」と述べ、一律の減税ではなく、必要な層に届く支援のあり方を検討すべきだとの考え方を示しました。
日米関係と国内経済運営をどう両立させるか
今回の発言からは、石破首相が二つの難しい課題の両立を意識している様子がうかがえます。
- 対外的には、日米貿易交渉で関税「ゼロ」を掲げ、米国との関係を重視しながら日本経済の利益も確保したい
- 国内的には、景気対策への期待が高まるなかでも、財政の持続可能性を守る必要があると考えている
高い関税の維持か、関税ゼロへの道筋か。そして、消費税減税か、別の形の重点的な支援か。どちらの議論も、日本の経済政策と日米関係の未来に直結するテーマです。
石破首相が掲げる「関税ゼロ」という高い目標と、「財政への配慮」という現実的な制約。その間でどのような折り合いがつくのか、今後の交渉と政策判断が注目されます。
日米貿易交渉の行方と、国内の税制・社会保障をめぐる議論は、私たちの生活や仕事にも直結します。ニュースの一つとして流してしまうのではなく、「関税が下がると何が変わるのか」「消費税以外にどんな支援の方法があり得るのか」を、自分なりに考えてみるタイミングと言えるかもしれません。
Reference(s):
Japan PM Ishiba reiterates call to eliminate all tariffs with the US
cgtn.com








