米国中小企業に破産の危機 トランプ政権の関税政策が直撃 video poster
米国の中小企業が、トランプ政権の関税政策によって破産の危機に追い込まれていると訴えています。今週、米上院の中小企業・起業家精神委員会で開かれた公聴会では、輸出に依存する企業経営者が切実な声を上げ、関税見直しの必要性を強調しました。
米上院公聴会で浮かび上がった危機感
公聴会で証言したのは、音響エフェクト機器メーカー、アースクエイカー・デバイシズの最高経営責任者ジュリー・ロビンズ氏です。ロビンズ氏は、現在の関税政策によって事業への投資を回収することがますます難しくなり、すでに深刻な資金繰りの危機に陥っていると説明しました。
この状況が続けば、企業は現実的な破産リスクに直面するとロビンズ氏は警告しました。特に中小企業は手元資金に余裕が少なく、売上の減少やコスト増が短期間で資金ショートにつながりやすい構造にあります。
輸出依存型ビジネスへの打撃
ロビンズ氏によると、同社の売上の30〜40パーセントは輸出が占めており、主な市場は欧州、オーストラリア、カナダ、日本などです。関税政策の影響で、こうした海外市場向けのビジネスが大きな打撃を受けているといいます。
ここ数カ月で輸出収入は急落しており、その背景としてロビンズ氏は、反米感情の高まりと、米国の一貫性を欠く関税政策が引き金となった世界的な金融市場の変動を挙げました。為替や株価の不安定さは、海外の取引先にとってもリスクとなり、新規注文や投資を慎重にさせる要因になっています。
現場の中小企業が感じる具体的なプレッシャー
証言内容からは、関税政策が中小企業にもたらすプレッシャーの構図が見えてきます。
- 輸出収入の減少で、日々の運転資金の確保が難しくなる
- 先行投資の回収が遅れ、新たな設備投資や雇用拡大に踏み出せない
- 市場の不透明感から、国内外の顧客が発注を控える
資金繰り危機が意味するもの
ロビンズ氏は、自社がすでに流動性の危機、つまり短期的な支払いに必要な現金を確保することが難しい状況にあると明かしました。このような状況では、従業員の給与支払いや仕入れ代金の支払いが滞るリスクが高まり、信用不安が一気に広がるおそれがあります。
大企業と違い、中小企業は銀行からの借入余地や内部留保が限られているため、一度資金繰りが悪化すると立て直しが難しくなります。今回の証言は、関税というマクロな政策が、現場レベルの中小企業のキャッシュフローを直撃している現実を映し出しています。
日本と世界への波及、問われる関税政策のあり方
アースクエイカー・デバイシズの主要な輸出先には日本も含まれています。米国の中小企業が窮地に立たされれば、音楽・音響機器のようなニッチな市場であっても、世界のユーザーや取引先に影響が及ぶ可能性があります。国際ニュースとして見ても、米国の関税政策が各国の企業活動や消費行動に波紋を広げている構図がうかがえます。
ロビンズ氏は、公聴会で米政府に対し、こうした中小企業の負担を軽減するためにも、現在の関税措置を撤廃するよう求めました。今後、同様の立場にある他の中小企業からも声が上がれば、関税政策の是非をめぐる議論が一段と高まる可能性があります。
読者にとっての問いかけ
保護貿易的な関税政策は、国内産業を守るための手段として語られる一方で、今回のように輸出に依存する中小企業にとっては大きな負担となり得ます。どのような貿易政策が、国内の雇用とイノベーション、そして国際的な信頼関係を同時に支えられるのか。ロビンズ氏の証言は、こうした問いを私たちに投げかけています。
通勤時間やスキマ時間にニュースを追う私たちにとっても、関税や貿易政策は決して遠い話ではありません。日々使う製品やサービスの価格、企業の成長機会、そして国際協調のあり方に、静かに長期的な影響を与えるテーマだからです。
Reference(s):
U.S. small businesses 'at risk of bankruptcy' due to tariff policy
cgtn.com








