中国とデンマーク外相が北京会談 国交75年でグリーン協力強化へ
中国とデンマークの外相が北京で会談し、国交樹立75周年にあたる2025年を節目に、政治的信頼とグリーン分野を軸にした協力を一段と深めていく方針を確認しました。自由貿易や多国間主義をめぐる両国の姿勢は、今後の中国―EU関係を考えるうえでも注目されます。
北京で外相会談 「対等なパートナー」として関係強化
北京で行われた会談には、中国の王毅外相(中国共産党中央政治局委員)とデンマークのラース・ロッケ・ラスムセン外相が出席しました。両氏は、国交樹立75周年となる2025年を好機として、ハイレベルな往来を維持し、政治的な相互信頼をさらに高めることで一致しました。
王外相は、デンマークが早い段階で中華人民共和国を承認し、外交関係を結んだ欧州の国の一つであると評価。これまで両国は互いを尊重し、包括的戦略パートナーシップを築いてきたと述べました。そのうえで、規模の大小にかかわらず、すべての国は平等であり、互いの核心的利益を尊重し合うことが、両国関係の安定した発展を支えてきた重要な経験だと強調しました。
領土と主権をめぐっては、中国がグリーンランド問題に関してデンマークの主権と領土保全を尊重しているとしたうえで、中国側の主権と領土保全に関わる問題についても、デンマークの理解と支持を期待する考えを示しました。
グリーン経済と双方向の投資を柱に
中国とデンマークは、環境負荷の少ない「グリーン開発」を先導役とする互恵協力を進めてきました。王外相は今後も、双方向の開放を堅持しながら、次のような分野で実務協力を深めたいと述べました。
- 経済・貿易
- 科学研究とイノベーション
- グリーン経済やグリーン転換
中国は高水準の対外開放を拡大しており、海外企業にとってビジネスの場が広がっていると強調。王外相は、デンマーク企業の中国での投資や事業展開を歓迎するとともに、デンマーク側に対しても、中国企業にとって公正で透明性があり、差別のないビジネス環境を整えるよう期待を示しました。
ラスムセン外相は、デンマークの人々と中国の人々は300年以上にわたる友好的な交流の歴史を持つと紹介し、2025年に迎える国交樹立75周年をともに祝う考えを示しました。そのうえで、デンマーク政府と議会は一つの中国の方針にしっかりとコミットしていると述べ、高官レベルの往来や対話を強化し、投資やグリーン転換などの分野で互恵的な協力を深めていく意欲を表明しました。
デンマーク側は、中国企業によるデンマークへの投資に開かれた姿勢を示すとともに、デンマーク企業も中国市場で長期的な投資を行い、しっかりと根を下ろしていく考えを示しました。
EU・国連の場でも連携を確認 自由貿易と多国間主義を重視
2025年は、中国とEUの外交関係樹立50周年にあたる年であり、同年後半にはデンマークがEUの輪番議長国を務めています。王外相は、この節目に中国とEUの対話と協力を強め、健全な中国―EU関係の発展をともに促したいと述べました。
さらに、2025年は国連創設80周年でもあります。王外相は、中国とデンマークが1月から国連安全保障理事会の非常任理事国としての責任を担っていることに触れ、多国間主義の擁護や自由貿易の維持など、共通の課題について幅広い共通認識を持っていると説明しました。
中国は、国連を中心とする国際システムと、世界貿易機関(WTO)を中心とする多国間貿易体制を共同で守るため、デンマークを含む欧州諸国と調整と協力を強めたい考えです。これは世界の平和と安定、発展と繁栄に貢献するものだと位置づけられました。
ラスムセン外相も、デンマークが自由貿易を強く支持し、「デカップリング(経済切り離し)」には反対であると明言しました。貿易戦争はどの当事者の利益にもならないとの見方を示し、多国間の枠組みと国際秩序を守りながら、グローバル化の流れを維持していきたいと述べました。
人と人の交流と地域情勢 会談の背景にあるテーマ
会談では、両国民の相互理解を深めるための人的・文化交流の重要性も確認されました。王外相は、こうした草の根の交流を通じて、二国間関係にポジティブなエネルギーを蓄積していきたいと呼びかけました。
また、ウクライナ危機をはじめとする国際・地域情勢についても意見交換が行われました。具体的なやりとりは公表されていませんが、中国とデンマークが安全保障理事会の議論を含め、国際社会でどのように役割を果たしていくのかは、今後も注目されるテーマです。
穏やかながら重いメッセージ 日本の読者にとっての意味は
今回の北京での外相会談からは、次のようなメッセージが読み取れます。
- 環境やグリーン転換を軸とした協力を通じ、経済関係をより高いレベルへ引き上げたいという思惑
- 自由貿易や多国間主義を守る枠組みとして、EUや国連の場での連携を重視する姿勢
- 地政学的な緊張が続く中でも、「デカップリング」ではなく対話と協力を模索するヨーロッパの一部の声
日本から見ると、中国と欧州の関係の方向性は、自国企業のサプライチェーンや投資環境にも影響しうる重要な要素です。中国とデンマークが掲げる、グリーン経済と自由貿易を両立させようとする動きが、今後どのように具体化していくのか。この会談は、その行方を考えるうえで、一つの手がかりとなりそうです。
Reference(s):
Chinese, Danish FMs vow to enhance ties, cooperation in Beijing talks
cgtn.com








