中国の鉄道貨物量が3.6%増 2025年1〜4月の物流と国際輸送を読み解く
中国の国鉄が公表した最新データによると、2025年1〜4月の全国鉄道貨物輸送量は約13億トンとなり、前年同期比で3.6%増加しました。エネルギー供給から建設投資、国際物流まで、中国経済の「今」を映す数字が並んでいます。
2025年1〜4月、中国の鉄道貨物は堅調に拡大
中国の国鉄によると、2025年1〜4月(今年1〜4月)の全国鉄道貨物輸送量は約13億トンで、前年同期比3.6%増となりました。鉄道は工場や港を結ぶ経済の大動脈です。この伸びは、中国国内の物流と需要が堅調であることを示しています。
国鉄を運営するChina State Railway Group Co., Ltd.は、同期間の主な指標として次のようなデータを公表しています。
- 貨物輸送量:約13億トン(前年比3.6%増)
- 日平均の貨車積載両数:18万両(4.7%増)
- 石炭輸送量:6億7200万トン(うち発電用4億6400万トン)
エネルギー供給を支える石炭輸送
今年1〜4月、全国の鉄道は石炭を6億7200万トン運びました。このうち4億6400万トンが発電用で、火力発電所の燃料確保に直結する数字です。国鉄によれば、電力会社の石炭在庫は高い水準を維持しており、鉄道輸送がエネルギーの安定供給を下支えしていることがうかがえます。
電力不足は生産活動や日常生活に大きな影響を与えます。鉄道網が大量の石炭を安定的に運べていることは、産業活動と住民生活の双方にとって重要な安心材料になっていると言えます。
建設・製造を映す資材輸送の伸び
鉄道貨物の中でも、鉱物や建設資材の輸送量は前年同期比29.3%増と大きく伸びました。道路・鉄道・都市インフラなどのプロジェクトが進んでいることを示唆しています。
また、鉄鋼などの冶金材(製鉄・金属加工に使う原材料)の輸送も10.7%増となりました。これは、製造業の稼働が一定の水準を保っていることや、設備投資・インフラ投資が続いている可能性を読み取る手がかりになります。
複合輸送とコンテナ化で効率アップ
国内物流の効率化も進んでいます。鉄道当局は、トラックや船舶と組み合わせた複合輸送(マルチモーダル輸送)のサービスを119本立ち上げ、輸送時間とコストを抑えました。
鉄道と水運を組み合わせたコンテナ輸送は、2025年1〜4月に538万TEUに達し、前年同期比19.1%増となりました。TEUとは、20フィートコンテナ1個分を1単位とする国際的な指標です。コンテナ化が進むことで、積み替えがスムーズになり、貨物の紛失や破損リスクも抑えられます。
国際貨物列車も拡大 欧州・中央アジア・東南アジアへ
今年前半は、国境をまたぐ鉄道貨物も堅調でした。中国と欧州を結ぶ国際貨物列車「中欧班列(China-Europe Railway Express)」は安定運行を維持し、中国とユーラシア各地をつなぐ物流ルートとして存在感を保っています。
中央アジア方面では、「中国・中央アジア」間の貨物列車が1〜4月に4725本運行され、便数は前年同期比21%増となりました。鉱物資源や工業製品などの双方向の輸送が広がっているとみられます。
中国とラオスを結ぶ中国ラオス鉄道では、同期間に国境をまたぐ貨物が197.6万トン輸送され、7.6%増となりました。東南アジアと内陸部を結ぶ陸上ルートとして、利用が着実に増えていることが分かります。
数字から見える中国経済の今
2025年も年末に向かう中で、1〜4月の鉄道貨物データからは、次のようなポイントが浮かび上がります。
- エネルギー:大量の石炭輸送と高水準の在庫により、電力供給は比較的安定している
- 投資と需要:建設資材・冶金材の伸びは、インフラ投資や製造業の底堅さを示唆する
- 国際連結:欧州、中央アジア、東南アジアを結ぶ国際貨物列車が、サプライチェーンの多様化を支えている
鉄道貨物は、景気指数のように毎日更新されるリアルタイムの経済指標です。2025年前半の数字を見る限り、中国の物流と国際輸送ネットワークは拡大を続けており、その動きは今後の世界のサプライチェーンにも影響を与えていきそうです。
Reference(s):
cgtn.com








