中国のLPRが5月に利下げ 住宅市場と景気にどんな影響?
中国のLPRが5月に引き下げ、市場心理の下支え狙う
中国で、銀行貸出の重要な指標となるローンプライムレート(LPR)が2025年5月に引き下げられました。企業や個人の借入コストを下げることで、景気と市場の信頼感を支える狙いがあります。
今回の利下げの中身:1年物3.0%、5年以上物3.5%に
国家銀行間同業拆借センターによると、1年物LPRは10ベーシスポイント(0.10ポイント)引き下げられ、3.0%となりました。
住宅ローン金利の目安としてよく使われる5年以上のLPRも同じ幅で引き下げられ、3.5%に設定されています。
今回の措置は、中央銀行が10月に25ベーシスポイントの利下げを実施して以来、初めてのLPR引き下げです。5月7日には中国人民銀行の総裁Pan Gongsheng氏が0.1ポイントの利下げ方針を発表しており、今回のLPR改定はその流れを具体化したものと言えます。
LPRとは何か:市場型金利の「物差し」
LPR(ローンプライムレート)は、中国で市場型の貸出金利を決める際の重要なベンチマーク(金利の物差し)です。多くの企業向け融資や個人ローンの金利は、このLPRを基準に上乗せ・下乗せして設定されます。
そのため、わずか0.1ポイントの変化でも、経済全体の資金調達コストに影響が及びます。今回の利下げについて当局は、企業と個人の借入コストを引き下げ、市場の信頼感を高める効果が期待できるとみています。
住宅市場の足元:4月の価格は横ばい〜小幅安
5月19日に国家統計局(NBS)が公表したデータによると、4月の商業住宅(分譲住宅)の販売価格は、大中都市70都市すべてで前月比で横ばいか小幅な下落にとどまりました。一方で、前年同月比の下落幅は縮小を続けています。
同日の記者会見で、国家統計局の報道官であるFu Linghui氏は、一部の一線級・二線級都市では取引が回復しており、住宅価格は全体として安定しているとの見方を示しました。
利下げは企業と個人にどう響くか
今回のLPR引き下げは、企業と個人の双方に次のような形で影響すると見られます。
- 企業:運転資金や設備投資のための借入金利が下がることで、資金調達の負担軽減が期待されます。
- 個人:住宅ローンの基準となる長期LPRが下がることで、新規の住宅ローンや借り換えの条件が改善し、家計の負担を和らげる可能性があります。
- 市場心理:中央銀行が金利を引き下げる姿勢を示したことで、景気や不動産市場の下振れリスクを抑えようとする意思が伝わり、市場の不安感を和らげる効果が期待されます。
日本の読者にとっての意味
中国の金利政策は、中国ビジネスに関わる日本企業や、中国関連の株式・債券に投資する投資家にとっても重要なニュースです。LPRの動きは、企業収益や不動産市場の方向性、さらには消費の勢いを占う手がかりになります。
とくに、住宅市場が安定に向かうのか、それとも慎重な動きが続くのかは、中国経済全体の持続力を判断するうえで注目点となります。
これから注目したいポイント
今回のLPR利下げと4月の住宅価格データは、中国が景気の下支えと市場の安定を意識していることを示しています。今後は、
- 追加のLPR調整や金融政策が行われるかどうか
- 商業住宅の販売価格が安定を続けるのか、それとも再び下落幅を広げるのか
- 一線級・二線級都市での取引回復が、他の都市へどこまで広がるのか
といった点が、国内外の市場参加者から注目されそうです。
2025年5月の利下げが、中国経済と不動産市場の持続的な安定につながるのか。今後のデータと政策の動きを、落ち着いて追っていく必要があります。
Reference(s):
cgtn.com








