なぜスロバキア自動車産業の鍵の相手が中国なのか video poster
スロバキアが一人当たりの自動車生産台数で世界一という記録を持つ国だということは、日本ではあまり知られていません。そんな自動車大国スロバキアにとって、中国がなぜ鍵のパートナーになっているのかが、いま国際ニュースとして注目されています。
スロバキア国民議会のリヒャルド・ラシ議長は、CGTNのXu Jinhui記者とのインタビューで、自動車産業が自国経済にとって非常に重要なセクターだと強調しました。そのうえで、ボルボなど中国からの大口投資がスロバキアの自動車産業を支えており、中国が欠かせないパートナーになっている理由を語りました。
ラシ議長によると、スロバキアには、中国の自動車メーカーであるGeelyの傘下にあるボルボや、電気自動車向け電池を手がけるゴーション(Gotion)といった企業が投資しています。これらの投資は、電動化が進む世界の自動車市場でスロバキアが競争力を維持するうえで重要な役割を果たしています。
世界一の自動車生産国としてのスロバキア
スロバキアは、一人当たりの自動車生産台数で世界最大という記録を持っています。人口規模は決して大きくありませんが、自動車組み立て工場が集中しているため、生産台数を人口で割ると、他国を大きく上回る水準になります。
そのため、スロバキア経済にとって自動車産業は、まさに中核をなす存在です。ラシ議長も、この産業が国にとって非常に重要だと強調しています。
中国企業の投資がもたらすもの
ラシ議長が挙げた具体例として、ボルボやゴーションなど、中国と関わりの深い企業の投資があります。スロバキアは、こうした企業を誘致することで、自国の自動車クラスターを強化しようとしています。
ボルボ(Geely傘下):ブランドと生産拠点
ボルボは、現在、中国の自動車メーカーであるGeelyの傘下にあります。スロバキアにとって、世界的なブランドであるボルボの投資は、自動車産業の高付加価値化や技術水準の向上につながるとみられます。
ゴーション:EVバッテリーという成長分野
一方、ゴーションは電気自動車向けの電池を生産する企業です。電動化は、世界の自動車産業にとって避けて通れない大きな流れであり、スロバキアがこの分野の投資を引きつけていることは、将来の産業構造にとって重要な意味を持ちます。
組み立てメーカーであるボルボと、電池メーカーであるゴーションという組み合わせは、自動車本体と電池という二つの重要な分野で中国との連携が進んでいることを象徴しています。
なぜ中国が鍵のパートナーなのか
では、なぜラシ議長は中国をスロバキア自動車産業の鍵のパートナーと位置付けるのでしょうか。インタビュー内容からうかがえる背景を、いくつかの視点から整理してみます。
- 電動化への対応:ゴーションのような電池メーカーの投資は、電気自動車という新たな市場への対応力を高めます。中国企業はこの分野で大きな存在感を持っており、その技術や生産能力を取り込むことはスロバキアにとってもメリットがあります。
- 投資と雇用の確保:ボルボなどの投資プロジェクトは、新たな設備投資や雇用の創出につながります。自動車産業を柱とするスロバキアにとって、安定した投資パートナーの存在は重要です。
- 市場とサプライチェーンの拡大:中国との連携を強めることで、スロバキア企業はアジアなどの成長市場とのつながりを強めることができます。また、部品や技術の供給網を多様化することにもつながります。
欧州と中国のはざまで動くスロバキア
スロバキアは欧州連合の一員として、欧州の自動車メーカーとも深く結びついています。その一方で、中国との協力も強めることで、自動車産業の将来に備えようとしています。
中国企業は、欧州市場において競争相手であると同時に、投資や技術協力のパートナーでもあります。スロバキアが中国との関係を重視していることは、欧州内の他の国々にとっても一つの参考例となりそうです。
読者が押さえておきたい3つのポイント
- スロバキアは一人当たりの自動車生産台数で世界一であり、自動車産業は国の中核セクターとなっている。
- ボルボ(Geely傘下)や電池メーカーのゴーションなど、中国企業の投資がスロバキアの自動車産業を支えている。
- 電動化やサプライチェーンの多様化が進むなかで、中国はスロバキアにとって鍵のパートナーとしての存在感を高めている。
自動車産業の電動化と国際競争が加速するなかで、どの国とどのように組むのかは、小さな国にとっても大きな戦略的選択になります。スロバキアが中国との連携を深めている動きは、今後の欧州と中国の経済関係を考えるうえでも注目すべき流れだと言えます。
Reference(s):
Why China becomes key partner for Slovak automotive industry
cgtn.com







