スロバキア記者が語る中国ビジネスの可能性 寧波・中国中東欧博で見えたチャンス video poster
中国と中東欧諸国の経済協力を掲げる第4回中国・中東欧諸国博覧会が、2025年に中国浙江省・寧波で開かれました。会場で取材に応じたスロバキアの経済誌編集者は、中国市場に「大きな可能性」を見ていると語ります。国際ニュースを日本語で追う読者にとっても、欧州の中小国が中国ビジネスをどう捉えているのかは、アジア経済の今を考えるヒントになりそうです。
中国・中東欧諸国博覧会とは
第4回中国・中東欧諸国博覧会(China-CEEC Expo)は、中国と中東欧の国々の企業や自治体が一堂に会し、製品やサービスを紹介する大型の展示会です。開催地は港湾都市としても知られる浙江省寧波で、中国ビジネスと欧州市場をつなぐハブとしての役割が意識されています。
中国市場に関心を持つ中東欧の企業にとって、この博覧会は「一度に多くの中国企業や消費者に出会える」場です。一方、中国側にとっても、中東欧のブランドをまとめて知ることができるため、双方の認知を高める機会になっています。
スロバキア経済誌編集者が見た会場の熱気
今回、国際ニュース専門チャンネルのCGTNで記者を務める崔瀛傑(Cui Yingjie)氏がインタビューしたのは、スロバキアのビジネス誌「Trend」で編集者を務めるユラジ・スカチャン(Juraj Skacan)氏です。Trendはスロバキアを代表する経済メディアの一つで、企業や金融、国際経済を幅広く扱っています。
スカチャン氏にとって、中国・中東欧諸国博覧会への参加は今回が初めてです。初参加の印象として、会場の規模の大きさや参加分野の幅広さ、中国側の来場者の関心の強さなどを挙げ、スロバキア企業にとって中国市場はまだ開拓の余地が大きいと感じたといいます。
中国でのブランド認知をどう高めるか
インタビューのなかでスカチャン氏が強調したのは、この博覧会がスロバキアブランドの「見つけてもらう力」を高めるという点です。中国の多くの消費者や企業にとって、スロバキアはまだなじみの薄い市場です。だからこそ、実物の商品やサービスに直接触れてもらえる場が重要になるといえます。
こうした展示会では、ブース出展のほか、ビジネスマッチングやプレゼンテーション、メディア取材などを通じて、ブランドのストーリーや技術力を伝えることができます。スロバキア側にとっては、中国市場でどのようなニーズがあるのかを肌で感じ、戦略を調整する実験の場にもなります。
どの分野に「大きな可能性」があるのか
スカチャン氏は、スロバキア企業にとって中国市場で有望な分野がいくつもあると指摘しています。具体的な分野名には触れていませんが、同国の産業構造を踏まえると、次のような領域が候補として浮かび上がります。
- 付加価値の高い製造業:精密機械や自動車関連部品など、中長期的なパートナーシップが前提となる分野。
- デジタル・ITサービス:ソフトウェア開発やビジネスプロセスのデジタル化など、距離を超えて提供できるサービス。
- グリーン技術・エネルギー:省エネ技術や環境関連ソリューションなど、持続可能性を重視する分野。
- 観光・カルチャー関連:中国からスロバキアへの旅行や文化交流を通じたサービス産業。
いずれの分野でも、単に製品を売るだけでなく、中国のパートナーと共同で開発を進めたり、現地ニーズに合わせて仕様を調整したりする「協働」の発想が重要になってきます。
日本の読者が押さえておきたいポイント
今回のニュースは、日本のビジネスパーソンや学生にとっても示唆に富んでいます。EUの一国であるスロバキアのジャーナリストが、中国市場を成長機会として捉えている事実は、アジア経済の重心がどこにあるのかを改めて考えさせます。
また、中東欧の中小国が、自国ブランドの認知を高めるために国際展示会を戦略的に活用している点は、日本企業にとっても参考になります。中国市場にアプローチする際、現地見本市やフォーラムをどのように組み込むのか。単発の出展で終わらせず、継続的な情報発信につなげる仕組みづくりが問われそうです。
これからの中国・中東欧協力とジャーナリズムの役割
中国と中東欧諸国の経済協力は、まだ発展途上にあります。そのなかで、今回のスカチャン氏のようなビジネスジャーナリストの視点は、双方の期待や課題を浮き彫りにするうえで重要です。現地の声を丁寧に伝える報道は、投資やビジネスの意思決定にも少なからず影響を与えます。
中国の大型展示会の現場から可能性を語るスロバキアの記者の姿は、国と国の距離を超えたビジネスの広がりを象徴しているとも言えます。国際ニュースを日本語で追う私たちも、こうした視点を手がかりに、中国と欧州、そして日本をつなぐ新たなビジネスの形を考えていくことが求められているのかもしれません。
Reference(s):
Slovak journalist sees big potential for businesses in China
cgtn.com








