中国、新ガイドラインで民間企業の協調イノベーション加速へ video poster
中国が今週火曜日、新たなガイドラインを公表し、民間の大企業から中小企業までを巻き込んだ「協調イノベーション」を強化する方針を示しました。企業の経営管理を近代化しつつ、イノベーションの成果を広く共有することで、より効率的な産業エコシステムの構築を狙っています。
中国、新たな企業ガイドラインを発表
今回示されたガイドラインは、中国の「現代的な企業経営システム」を一段と高度化することを目的としたものです。その中心に据えられているのが、企業同士の協調イノベーションの強化です。
ガイドラインでは、特に民間の大企業がイノベーションの牽引役となり、その資源を中小企業に積極的に開放することが求められています。これにより、企業規模を問わず、新しい技術やビジネスモデルが生まれやすい環境を整えるねらいがあります。
「大・中・小」企業連携の新時代
国家発展改革委員会(NDRC)傘下の中国宏観経済研究院で副院長を務めるグオ・チュンリー氏は、中国のイノベーションが「大企業・中堅企業・中小企業が大規模に連携する新しい時代」に入ったと指摘します。
グオ氏は、こうした連携によって、単独の企業では達成しにくい技術開発や事業化が進み、全体としてのイノベーション能力が底上げされるとの見方を示しています。エコノミストの間では、今回の政策によって民間企業間の「イノベーションの相乗効果」が一段と高まるとの期待も出ています。
ガイドラインの柱:大企業が資源を開放
公表されたガイドラインに沿って、大企業には次のような役割が求められています。
- 自社が持つ研究開発リソースやノウハウなどのイノベーション資源を、中小企業に開放すること
- 中小企業に対して、技術面での指導やメンタリングなどの支援を行うこと
- 技術移転を後押しし、優れた技術が他の企業にも広がるようにすること
- 企業規模を問わず、共同研究や共同開発といった「共同イノベーション」を積極的に進めること
こうした取り組みを通じて、単に大企業が強くなるだけでなく、サプライチェーン全体や産業クラスター全体の競争力を高めることが意識されています。
民間企業・スタートアップへのインパクト
今回のガイドラインは、民間の中小企業やスタートアップにとって、次のようなチャンスを広げる可能性があります。
- これまでアクセスが難しかった先端技術や設備に、大企業との連携を通じて触れられる
- 共同開発を通じて、国内外の市場により早く展開できる可能性が高まる
- 技術指導を受けることで、自社の研究開発や人材育成のレベルを引き上げやすくなる
一方で、中小企業側には、大企業との連携機会をどう見つけ、どのように自社の強みと結びつけていくかという戦略性も問われます。協調イノベーションは「参加すれば自動的に成果が出る」仕組みではなく、各社が主体的に設計していくプロセスでもあります。
なぜ今、協調イノベーションなのか
グオ氏が語る「大規模な企業連携の時代」は、国際競争が激しくなる中での一つの解答だといえます。高度な技術やサービスほど、一社だけで研究開発から量産、グローバル展開までを完結させるのは難しくなっています。
特にデジタル技術やグリーン技術のように、複数の分野が重なり合う領域では、異なる強みを持つ企業が組み合わさることで、初めて大きな価値が生まれます。今回のガイドラインは、こうした流れを制度面から後押ししようとするものだと見ることができます。
これからの注目ポイント
今回の動きがどこまで実効性を持つかを見極めるためには、次のような点に注目する必要があります。
- 大企業がどの程度、具体的な形で自社のイノベーション資源を開放するのか
- 中小企業がその機会をどれだけ活用し、新しい製品やサービスにつなげられるか
- 共同研究・共同開発の事例がどの分野で増え、どのような成果を上げるのか
民間企業のイノベーションをめぐる環境が変わるとき、それは中国国内にとどまらず、国際的な競争の構図にも影響を与えます。今回のガイドラインは、その一つの節目として、今後もフォローしていく価値のある動きだといえるでしょう。
Reference(s):
Economist: Policy boosts private enterprises' innovation synergy
cgtn.com








