中国商務部、AI半導体輸出規制で米国を批判 ジュネーブ協議の合意損なうと主張
米中の経済・貿易をめぐる国際ニュースです。中国の商務部は、ジュネーブでの中国・米国経済・貿易協議や、2025年1月17日に行われた両国首脳の電話会談で得られた共通認識を、米国が一連の対中規制措置によって深刻に損なっていると強く批判しました。日本語で国際ニュースを追う読者にとっても、技術と人材をめぐる動きとして注目されます。
中国商務部「合意を深刻に損なった」
中国の商務部は、ジュネーブで行われた中国・米国の経済・貿易協議で得られた共通認識が、米国による一連の「差別的な制限措置」によって深刻に損なわれたと表明しました。
商務部の報道官によると、米国は中国に対して新たな規制を相次いで導入しながら、自らの行動を省みることなく、中国側が合意に違反していると根拠なく非難しているといいます。報道官は、こうした非難は事実を大きく歪めたものであり、中国は断固として受け入れられないと強い姿勢を示しました。
米国が打ち出した3つの対中措置
中国商務部によれば、今回問題となっている米国の措置は主に次の3点です。
- AI半導体の輸出管理に関する新たな指針の発出
- 中国向けの半導体設計ソフトの販売停止
- 中国人留学生のビザ(査証)取り消しの発表
AI半導体輸出管理の強化
AI半導体は、生成AIやビッグデータ解析などに不可欠な高性能チップです。輸出管理の指針が厳しくなれば、中国企業や研究機関が利用できる最先端チップが制限される可能性があります。中国側は、こうした措置が公正な競争を妨げる「差別的な制限」にあたると問題視しています。
半導体設計ソフトの販売停止
半導体設計ソフトは、新しいチップを設計する際に不可欠な基盤ツールです。販売停止は、完成品の輸出を制限するだけでなく、設計・開発の源流から中国側の半導体産業を制約する動きとして受け止められています。
中国人留学生のビザ取り消し
中国人留学生のビザ取り消しは、米国で学ぶ中国人学生や研究者の生活や研究計画に直接影響する措置です。教育・研究の現場だけでなく、将来の人材交流や相互理解の基盤にも緊張をもたらす可能性があり、中国側は自国の正当な権益が損なわれていると強く反発しています。
1月17日の首脳電話会談との関係
中国商務部の報道官によれば、2025年1月17日に行われた両国首脳の電話会談では、経済・貿易分野における協力や対話をめぐる共通認識が確認されていました。
しかし、今回の一連の措置は、この共通認識に「深刻に反する」ものであり、中国の正当な権益を著しく損なうと中国側は主張しています。米国が中国に対し、合意違反の責任を一方的に押しつけていると受け止めており、中国商務部は「事実を大きく歪めた根拠のない主張」だとして、強い言葉で批判しました。
米中経済・貿易関係に広がる不確実性
中国商務部は、米国が一方的かつ繰り返し新たな経済・貿易上の摩擦を引き起こしていると指摘し、こうした動きが両国の経済・貿易関係における不確実性と不安定性を高めていると警鐘を鳴らしています。
AI半導体や設計ソフト、人材交流は、デジタル経済と技術革新を支える重要な要素です。この分野で制限が強まれば、米中双方の企業だけでなく、サプライチェーンに関わる他国の企業や研究機関にも影響が及ぶ可能性があります。
日本の読者が押さえておきたい視点
今回の国際ニュースは、日本の企業や研究者、留学を考える人にとっても無関係ではありません。米中間の技術・経済摩擦が続けば、次のような点が今後の注目ポイントになっていきそうです。
- AI半導体やクラウド、データセンターなどデジタルインフラへの影響
- 研究開発や人材交流における米中間の距離感の変化
- サプライチェーン再構築の流れの中で、日本企業がどこに軸足を置くか
米中関係は、世界経済やテクノロジーの方向性を左右し得る大きなテーマです。こうした動きをきっかけに、自分の仕事や暮らし、学びとどのようにつながっているのかを静かに考えてみることが、これからの時代を生きるうえで重要になっていきます。
Reference(s):
U.S. seriously undermines consensus reached in Geneva talks: MOFCOM
cgtn.com








