国際ニュース:中国とカザフスタンが描く「共通の未来」2025清華金融フォーラムを読む video poster
中国・清華大学で最近開催された「2025 Tsinghua PBCSF Global Finance Forum」は、変化の大きい世界でいかに「共通の未来」を形づくるかという国際ニュースの焦点を映し出しました。中国経済の構造転換と、中国とカザフスタンの協力という二つのテーマが交差しています。
2025清華PBCSFグローバル金融フォーラムとは
今回のフォーラムは、オープンで包摂的な経済・金融システムをどう築くかをテーマとし、英語のテーマでは「Shaping shared future: Growth & cooperation in changing world(変化する世界での成長と協力、共有される未来の構築)」が掲げられました。多くの国や地域から専門家が集まり、成長と協力の新しいあり方が議論されたとされています。
このフォーラムの内容は、中国国際テレビCGTNの番組「BizTalk」でも取り上げられ、清華大学PBCファイナンススクール(Tsinghua University PBC School of Finance)のティエン・シュエン氏と、カザフスタンのカイラト・ケリムベトフ氏が、それぞれの視点から語りました。
中国経済:成長の安定と構造転換の両立
ティエン・シュエン氏は、清華大学PBCファイナンススクールのファイナンス分野のチェアプロフェッサーであり、副学長も務めています。番組では、中国がいま直面している「成長の安定」と「構造的な変化」の二つをどう両立させるかが大きな論点として紹介されました。
背景にあるのは、世界経済の不確実性の高まりと、デジタル化・グリーン化といった長期トレンドです。短期的な景気の下支えと、中長期の産業構造の再編を同時に進める必要があるという視点です。
- 短期の安定:雇用や投資を支えるため、金融政策や財政政策で需要を下支えしつつ、過度なリスクを抑えること。
- 構造転換:不動産や過剰設備に依存した成長から、イノベーション、サービス、デジタル産業、グリーン産業へと軸足を移すこと。
- 金融の役割:オープンで包摂的な金融システムを整え、中小企業や新産業への資金供給を強化すること。
ティエン氏の議論が示しているのは、「成長か改革か」という二者択一ではなく、成長の質を高めながら構造転換を進めるというアプローチです。これは、経済運営と金融政策のバランスが一段と重要になっていることを意味します。
中国とカザフスタンの協力:サプライチェーンからグリーンエネルギーまで
一方、カザフスタンの元副首相であるカイラト・ケリムベトフ氏は、中国とカザフスタンの関係を「ウィンウィン外交」として捉え、具体的な協力分野として以下の三つを挙げました。
- サプライチェーンの強靭化:物流ルートやインフラの整備を通じて、貿易と投資の流れを安定させる取り組み。
- デジタル・コネクティビティ:通信インフラやデジタルサービスでの連携を強め、データや情報の往来を滑らかにする試み。
- グリーンエネルギー協力:再生可能エネルギーやクリーン技術を軸に、環境負荷を抑えながら成長を追求するプロジェクト。
カザフスタンのような資源国にとって、エネルギー協力は長期的な発展戦略の中核となるテーマです。そこに中国との協力が重なることで、単なる資源輸出入にとどまらない、新しい産業や技術の連携が期待されています。
「ウィンウィン外交」という表現は、どちらか一方の利益ではなく、双方に利益が生まれる関係をめざすという考え方を端的に示しています。サプライチェーンの強靭化やグリーンエネルギーは、多くの国にとって共通の関心事であり、中国とカザフスタンの連携は、その一つのモデルとして注目されています。
オープンで包摂的な経済・金融システムとは
今回のフォーラム全体のテーマである「オープンで包摂的な経済・金融システム」は、抽象的に聞こえますが、実際にはごく具体的な課題と結びついています。
- 開放性:貿易や投資、金融取引の面で、必要なルールと透明性を保ちながら、過度な壁をつくらないこと。
- 包摂性:大企業や一部の先進地域だけでなく、中小企業や地方、さまざまな人々が成長の果実にアクセスできる仕組みを整えること。
- 安定性:金融危機や市場の急激な変動に耐えうる制度・監督体制を構築し、リスク管理を強化すること。
中国経済の構造転換や、中国とカザフスタンの協力の話題は、こうした三つの要素が実際にどのように形になりつつあるのかを考える手がかりになります。開放性と安定性を両立させつつ、包摂性も確保するという課題は、どの国にとっても避けて通れません。
日本の読者にとっての意味:どんな視点を持つべきか
日本から見ると、中国経済の動向も、中国とカザフスタンの協力も、一見すると少し遠い話に感じられるかもしれません。しかし、サプライチェーン、デジタル化、グリーンエネルギーといったキーワードは、日本の企業や生活にも直結しています。
- サプライチェーン再設計:パンデミックや地政学リスクを経た今、どの地域とどのように生産・物流ネットワークを組むかは、日本企業にとっても重要な戦略課題です。
- デジタル連結性:クラウド、データセンター、通信インフラなどを通じて、国境を越えたデジタル協力が進む中で、日本がどのような役割を果たすのかが問われています。
- グリーン・トランジション:カーボンニュートラルをめざす動きの中で、アジア各国との協力が進めば、日本の技術やビジネスにも新しい機会が生まれます。
今回の「BizTalk」での対談や2025清華PBCSFグローバル金融フォーラムの議論は、世界がそれぞれの立場から「共通の未来」を描こうとしていることを示しています。日本の読者にとっても、自国の視点にとどまらず、周辺地域やパートナー国が何を重視し、どのように協力しようとしているのかを知ることが、これからの判断材料になります。
通勤時間やスキマ時間にニュースを追うとき、成長・協力・サプライチェーン・グリーンエネルギーといったキーワードの裏側にある文脈を少しだけ意識すると、国際ニュースの見え方が変わってきます。中国とカザフスタンが描く「共通の未来」は、アジア全体、そして日本の選択にも静かに影響を与えつつあります。
Reference(s):
BizTalk: Shaping shared future: Growth & cooperation in changing world
cgtn.com








