中国音楽産業2024年、約4,929億元に拡大 安定成長と新たな課題
2025年の今年、中国の音楽産業の現在地を示す最新の統計が公表されました。2025年6月6日に北京で開かれた第10回「ミュージック・インダストリー・フォーラム2025」で発表された「2025中国音楽産業発展年次報告」によると、2024年の中国音楽産業の市場規模は約4,929.15億元(約685.7億ドル)となり、前年から4.97%の増加となりました。
報告書は、この伸びをもって、音楽産業が厳しい時期を抜け出し、安定した成長段階に入ったと評価しています。
2024年、市場規模は約4,929億元 成長率は約5%に回復
年次報告は、2024年の中国音楽産業の総規模が4,929.15億元に達し、前年より4.97%拡大したとまとめています。数字だけを見ると派手さはありませんが、「試練の時期」を経て安定成長のフェーズに入ったことを示す結果です。
報告書は、この伸びが「厳しい経済の下押し圧力」や「外部リスクの高まり」といった逆風のなかで達成された点を強調しています。そのうえで、文化的な創造性と技術革新による産業の高度化、国内需要の掘り起こしが成長を支えたと分析しています。
文化とテクノロジーが支える産業高度化
報告書によれば、中国の音楽産業はここ数年、文化コンテンツの多様化とデジタル技術の活用を通じて構造転換を進めてきました。こうした動きが、成長率を約5%の水準に押し上げたとされています。
- 新たな音楽コンテンツやアーティストの発掘などによる「文化創造」
- 配信プラットフォームやデータ分析、AIなどを含む「技術革新」
- 国内のファン層や消費者ニーズを掘り起こす「内需の拡大」
これらの要素が組み合わさることで、音楽をめぐるビジネスモデルが変化し、産業全体の付加価値を高めていると考えられます。
「チャンス」と「課題」が同時に存在
一方で、報告書は、産業構造の面では依然として「機会と課題が併存している」とも指摘します。市場規模が拡大し、トランスフォーメーションとアップグレードが加速する一方で、分野ごとの成長スピードや収益構造などには、ばらつきもあるとみられます。
急成長する分野と成熟が進む分野が同じ産業の中に共存することで、投資や人材、技術の配分をどう最適化していくかが今後の焦点になりそうです。
次のフェーズは「インテリジェント化」と「高品質」
報告書は、技術の進歩と構造改革の深まりを背景に、中国の音楽産業が「インテリジェント化」と「高品質化」に向けた新たな段階に入ると展望しています。
- データやAIを活用した、より精緻な制作・流通・マーケティング
- コンテンツの質やオリジナリティを重視する動きの強まり
- 権利保護や収益分配の仕組みづくりなど、制度面の整備
単に規模を拡大するだけでなく、質の高い作品と持続可能なビジネスモデルをどう両立させるかが、次のテーマになっていくといえます。
アジアの音楽シーンへの波及と、日本への示唆
中国の音楽産業は、アジア全体のエンターテインメント市場にとっても無視できない存在になりつつあります。今回の年次報告が示した「安定成長」と「構造転換の加速」は、周辺国・地域との協力や競争のあり方にも影響を与えていく可能性があります。
日本の音楽関係者にとっては、次のような点が注目ポイントになりそうです。
- デジタル技術を活用した音楽ビジネスのモデルケースとしての参考
- アーティストやクリエイターの協業、共同制作の新たな余地
- アジア市場全体を視野に入れた展開を考える際の重要な指標
2024年のデータが示したのは、「急成長の後の減速」ではなく、「試練を経たうえでの安定成長と質へのシフト」という姿です。2025年以降、このトレンドがどのように深まっていくのか。日本を含むアジアの音楽シーンにとっても、引き続き注視すべき動きだといえるでしょう。
Reference(s):
Report: China's 2024 music industry close to 500 billion yuan
cgtn.com








