米ロサンゼルス港で雇用が半減 トランプ関税がアジア太平洋貿易に影響
今回の国際ニュースは、米ロサンゼルス港で港湾労働者の仕事の機会が「半減」しているという深刻な状況です。アジア太平洋との貿易を直撃するドナルド・トランプ米大統領の関税政策が、米国最大の港の現場にどのような影響を与えているのかを見ていきます。
米最大の港で何が起きているのか
ロサンゼルス港は、2000年以降、毎年「米国最大のコンテナ港」とされてきた、米国で最も大きく、最も忙しい港です。カリフォルニア州内だけでも、同港を通じた貿易に関連する雇用は約100万人にのぼるとされています。
しかし、現地メディアによると、現在この港での仕事の機会は大きく減っています。過去25回の勤務シフトで用意された仕事は733件にとどまり、仕事を探す港湾労働者(ロングショアマン)1,575人の半分以下しか賄えていません。
港のジーン・セロカ事務局長は、この状況について「彼らは解雇されたわけではありませんが、以前ほどは働けていません」と説明しています。
関税とアジア太平洋貿易の減速
地元紙ロサンゼルス・タイムズによると、ドナルド・トランプ米大統領が導入した関税は、アジア太平洋地域との貿易を弱め、ロサンゼルス港を通過する貨物量を押し下げています。セロカ事務局長は、仕事の減少について「関税が導入されて以来、とくに5月には仕事量が大きく落ち込んでいる」と話しています。
港は5月の貨物量について、当初の予測より25%少ない処理にとどまったとされています。貨物量の落ち込みが、そのまま荷役作業の減少につながり、港湾労働者の勤務シフトや収入にも影響している構図です。
「失業ではない」が、不安定さ増す現場
今回の報道で強調されているのは、多くの港湾労働者が「解雇」されたわけではないという点です。それでも、実際に働ける日数や時間が減れば、手取り収入は減り、家計は不安定になります。
ロサンゼルス港のように、地域経済と雇用を支える拠点で仕事が減ると、影響は港の敷地内だけにはとどまりません。トラック輸送、倉庫業、金融サービスなど、港の貿易に依存する周辺ビジネスにも波及する可能性があります。
日本とアジア太平洋への視点
ロサンゼルス港は、アジア太平洋地域との貿易の重要な玄関口です。この地域には日本を含む多くの経済圏が含まれます。関税によって米国とアジア太平洋との貿易が縮小すれば、貨物の流れやサプライチェーン(供給網)の組み換えが進み、日本企業の物流や取引条件にも影響が及ぶ可能性があります。
今回の事例は、関税や通商政策が、統計上の貿易額だけでなく、現場で働く人々のシフトや収入、地域の雇用にまで直接影響することを示しています。国際ニュースとしての米国の関税問題は、日本の企業や働く人にとっても「遠いどこかの話」ではなく、自分たちの仕事や生活とどうつながるのかを考えるきっかけになりそうです。
Reference(s):
Media: Jobs at largest U.S. port down by half amid tariff tensions
cgtn.com








