中国とウズベキスタン、グリーンエネルギー協力が加速
タシケントで第4回タシケント国際投資フォーラムが開かれるなか、中国とウズベキスタンのグリーンエネルギー協力が存在感を増しています。風力発電や電気自動車(EV)などの新エネルギー分野が、中央アジアの持続可能な成長を支える新たな柱になりつつあります。
タシケント投資フォーラムで存在感を増す中国企業
2025年12月現在、ウズベキスタンの首都タシケントで開催中の第4回タシケント国際投資フォーラムには、多くの中国企業が参加し、同国での新たな投資機会を探っています。中国はすでにウズベキスタンの最大の貿易相手国であり、主要な投資の供給源にもなっています。
投資の重点は、従来のエネルギーやインフラ中心から、再生可能エネルギーやハイテク製造業へと徐々に移行しています。このシフトは、資源に依存した成長モデルから、より持続可能で付加価値の高い産業構造への転換を目指す流れとも重なります。
中央アジアのハブ、ウズベキスタンと「ウズベキスタン2030」
中央アジアの中心に位置するウズベキスタンは、地域協力の主要な参加国であり、中国が提唱する一帯一路構想(Belt and Road Initiative、BRI)や、上海協力機構の枠組みの中でも重要な役割を担っています。これらのプラットフォームは、グリーン協力に関する対話を進める上で欠かせない場となっています。
大統領の新たな任期に向けた青写真として打ち出された国家戦略「ウズベキスタン2030」は、同国の開発に新しい時代の到来を告げるものとされています。この戦略ではグリーンエネルギーの成長が優先課題とされ、大規模プロジェクトが次々と立ち上がっています。こうした動きが、投資家にとっても魅力的な事業環境を形づくっています。
ブハラの巨大風力発電所が示すポテンシャル
中国とウズベキスタンのグリーン協力の象徴的な例が、ブハラ州に建設された風力発電所です。中国企業が手がけたこのプロジェクトは、中央アジア最大規模の風力発電所とされ、すでに商業運転を開始しています。発電所はウズベキスタンの国家送電網に完全に接続され、安定的な電力供給に寄与しています。
この風力発電所は、年間36億キロワット時(3.6テラワット時)のクリーンエネルギーを生み出すと見込まれ、二酸化炭素(CO2)排出量を年間160万トン削減する効果が期待されています。政府は、2030年までにエネルギー消費に占める再生可能エネルギーの比率を50%に引き上げる目標を掲げており、このプロジェクトはその達成に向けた重要な一歩といえます。
最近行われた「Central Asia Expedition(中央アジア遠征)」というメディアツアーでは、CGTNの記者が現地を訪れ、こうしたグリーン協力の成果を実際に確認したと伝えられています。現場の変化は、紙の上の計画が着実に現実のインフラへと姿を変えつつあることを物語っています。
EV普及で中央アジアをリードするウズベキスタン
ウズベキスタンのグリーン成長戦略のもう一つの柱が、電気自動車(EV)の普及です。ジザフ州にあるBYDの工場ではEVの生産が行われており、当初の年間生産能力は5万台とされています。
政府によるさまざまな優遇策を背景に、国内のEV販売は急速に伸びています。その結果、ウズベキスタンは中央アジアで最も積極的にEVを受け入れている国の一つとなっており、交通部門の脱炭素化を進める上で中国企業との連携が重要な役割を果たしています。
一帯一路と「グリーン・シルクロード」がもたらす広がり
中国にとっても、グリーンエネルギーは自国の開発モデルをグリーンかつ低炭素へと転換する上で欠かせない柱になっています。同時に、中国は一帯一路に参加する各国と連携しながら「グリーン・シルクロード」と呼ばれる取り組みを進めており、ウズベキスタンとの協力もその一環です。
太陽光や風力、水力、電気自動車などの分野で、中国は技術面で優位性を築いてきました。この技術力が、より持続可能で環境負荷の少ないエネルギー体制を目指すウズベキスタンにとって、重要な支えとなっています。
2023年に西安市で開かれた中国・中央アジアサミットでは、グリーン経済分野での協力強化が改めて打ち出されました。その流れを受け、2025年12月にアスタナで開かれている首脳会合でも、中国のグリーンな転換に向けた取り組みが、ウズベキスタンを含む中央アジア全体にもたらす具体的な成果が注目されています。
日本の読者への示唆
資源国であるウズベキスタンと、グリーン技術に強みを持つ中国の連携は、日本のエネルギー転換や対外経済戦略を考える上でも、いくつかの示唆を与えてくれます。
- 資源と技術を組み合わせたウィンウィンなパートナーシップが実現しうることです。
- 国家戦略「2030」を掲げ、エネルギー転換と産業高度化を同時に進めるアプローチが有効であることです。
- 風力発電所やEV工場など具体的なプロジェクトを通じて、地域全体の脱炭素と成長の両立を目指せることです。
タシケントの投資フォーラムからアスタナの首脳会合に至るまで、中国とウズベキスタンのグリーンエネルギー協力は、中央アジアのエネルギー地図を書き換える可能性を秘めています。今後どのようなプロジェクトが生まれ、2030年の目標にどこまで近づけるのか、引き続き注視していく必要があります。
Reference(s):
China and Uzbekistan's green energy partnership for sustainable growth
cgtn.com








