中国・EU協力で世界経済に安定を 李強総理とラガルド総裁が北京で会談
中国の李強(Li Qiang)国務院総理と欧州中央銀行(ECB)のクリスティーヌ・ラガルド総裁が北京で会談し、中国と欧州連合(EU)の協力強化と、世界経済の安定・繁栄に向けた連携の重要性をあらためて強調しました。2025年は中国とEUの外交関係樹立50周年の節目であり、国際ニュースとしても注目度の高い動きです。
50周年の節目で確認された「互恵・ウィンウィン」
李強総理は会談で、今年が中国とEUの外交関係樹立50周年にあたることに触れ、中国・EU関係は世界で最も影響力のある二者関係の一つになっていると述べました。その本質は、互恵とウィンウィンの協力にあると強調しています。
李総理は、中国とEUの協力は、変化する世界情勢の中での客観的な必然であり、自然な流れだと指摘しました。そのうえで、中国はEUと共に政治的な相互信頼を強め、実務的な協力を拡大し、双方の発展と繁栄をともに進めていく考えを示しました。これは、中国とEUだけでなく、世界全体の発展にも資するという認識です。
「補完し合う」中国とEU経済
中国とEUの経済は、高い補完性を持つとされています。李総理は、中国の巨大な市場が持つ優位性と、継続的に開放される市場ポテンシャルを強調しました。製造業やサービス、気候変動対策やデジタル分野など、多くの領域で協力の余地があるとしています。
会談では、中国と欧州が市場のつながり(マーケット・コネクティビティ)と産業分野での調整を強化し、互いの発展に新たな原動力を与えていく方針も示されました。これは、サプライチェーン(供給網)の安定や、新技術の普及にも影響を与える可能性があります。
反グローバル化の中で浮かび上がる「協力」のメッセージ
世界では、保護主義や反グローバル化の動きが強まっています。こうした中で、李総理は「協力こそが相互の成功への唯一の道だ」と繰り返し強調しました。
中国とEUは、世界を代表する大きな経済圏であり、重要な国際的な力でもあります。その両者が、多国間の枠組みでの調整を深め、開放と協力を推進することで、世界経済の回復や国際的なルール作り(グローバル・ガバナンス)の改善に大きく貢献できる、という姿勢が示されました。
金融・通貨面での連携強化へ
李総理は、中国が国際的な通貨・金融の枠組みである国際通貨制度の改革などの分野で、ECBとの協力を強めたい考えも示しました。
中国は、積極的なマクロ経済政策と景気の波をならすための対策(カウンターシクリカル政策)を進めており、内需や消費拡大に力を入れています。こうした取り組みが、外部環境の悪化によるマイナスの影響を打ち消すことが期待されると説明しました。
さらに李総理は、中国は引き続き対外開放を拡大し、各国と発展の機会を分かち合う姿勢を堅持すると表明しました。これは、海外企業にとっての市場アクセスや、金融協力の可能性が広がることを意味します。
ラガルド総裁「関税・貿易戦争は負けるだけ」
ラガルドECB総裁は、李総理の発言に呼応し、世界情勢が不確実性を増す中で、中国と欧州がハイレベルの交流と対話を維持することが極めて重要だと述べました。
中国と欧州の利益は深く結びついており、両者は世界の金融安定を維持し、国際貿易を促進する上で共通の責任を負っていると指摘しました。そのうえで、関税戦争や貿易戦争は双方に損失をもたらすだけであり、多国間主義を重視し、開放と協力を強めることこそが正しい選択だと強調しました。
ラガルド総裁はまた、近年の中国のイノベーション(技術革新)と企業の競争力の高まりに強い印象を受けていると評価しました。ECBとして、中国との間で中央銀行総裁レベルの会合メカニズムを設け、初会合を開催したことに言及し、金融機関同士の対話と調整をさらに深めたいと述べました。
両者が金融分野での協力を広げ、共通の課題に取り組むことで、世界により大きな安定と予見可能性をもたらしたい考えです。
今回の会談が示す、これからの国際経済の焦点
今回の中国とEUの動きは、国際ニュースとして、いくつかのポイントで注目する価値があります。
- 中国は、対外開放と市場のポテンシャルをあらためて打ち出し、グローバル経済の一体性を重視していることを示したこと
- 欧州側も、関税や貿易をめぐる対立よりも、多国間のルールと協力を重視する姿勢を明確にしたこと
- 金融・通貨面での対話メカニズムを通じて、不確実な環境の中で安定性とコミュニケーションを高めようとしていること
保護主義や分断のリスクが指摘されるなか、中国とEUという二つの大きな経済圏が、協力と対話を前面に出しているというメッセージは、世界経済の行方を考えるうえで重要なシグナルといえます。
今後、中国とEUが具体的にどの分野で協力を深め、国際通貨制度や貿易ルールの議論にどう関わっていくのか。アジアに暮らす私たちにとっても、世界経済の安定やビジネス環境、金融市場に影響しうるテーマとして、引き続き注視していく必要がありそうです。
Reference(s):
Li Qiang, Lagarde highlight China-EU cooperation for global prosperity
cgtn.com








