トランプ政権、鉄鋼関税を家電にも拡大 関税率は50%に
米トランプ政権が2025年6月に発表した鉄鋼関税の拡大は、食洗機や洗濯機、冷蔵庫など身近な家電製品にまで広がりました。関税率は最大50%と高水準で、国際貿易と家計の両方に影響を与えかねない動きとして注目されています。
鉄鋼関税を家電に拡大 6月23日発効と告示
米商務省が木曜日に公表した告示によると、輸入家電を含む一連の製品が、新たに鉄鋼関税の対象となる鉄鋼派生品として指定されました。多くの国からの輸入分に対して、関税率はおおむね50%に設定されています。
これらの追加関税は、2025年6月23日から発効するとされていました。対象は鉄鋼そのものではなく、その鉄鋼を材料として組み込んだ製品で、米政府はこれらを鉄鋼派生品と位置づけています。
25%から50%へ 段階的な引き上げと対象拡大
トランプ政権は、当初輸入鉄鋼とアルミニウムに対する関税を3月に25%へ引き上げ、その後、6月には50%へと倍増させました。今回の家電への拡大は、その一連の流れの中で実施されたものです。
鉄鋼派生品のリスト拡大はこれが2回目とされています。最初の拡大では、馬蹄やブルドーザーの刃などを含む約300の製品カテゴリーが追加されました。今回の告示では、より消費者に身近な家電製品が、新たに対象に加わりました。
新たに対象となった8種類の家電製品
今回、鉄鋼派生品として追加された主な家電製品は次の8種類です。
- 冷蔵庫と冷凍庫が一体となったコンビネーション型冷蔵冷凍庫
- 小型および大型の衣類乾燥機
- 洗濯機
- 食器洗い機
- チェスト型およびアップライト型の冷凍庫
- コンロ、レンジ、オーブンなどの調理用レンジ類
- 生ごみ処理機
- 溶接ワイヤラック
米政府の告示によると、関税は各製品に含まれる鉄鋼の価値部分に対して課されます。つまり、製品全体の価格ではなく、内部に使われている鉄鋼素材の部分を切り出して、その金額に50%の関税が上乗せされる仕組みです。
狙いは「国家安全保障」 続く強硬な通商姿勢
トランプ政権は、今回の関税拡大について、国家安全保障を損なう貿易慣行に対処するために必要だと説明しています。同政権はすでに、自動車や自動車部品、その他さまざまな輸入品に対しても関税措置を講じてきており、強硬な通商姿勢を一貫して打ち出してきました。
安全保障を理由に通商政策を正当化するアプローチは、国内産業を守るための保護策であると同時に、交渉カードとしての側面も持ちます。一方で、関税が長期化すれば、企業のコスト増や消費者価格の上昇につながりかねないという懸念も根強くあります。
家計と企業へのインパクトは
対象となるのはいずれも、家庭で日常的に使われる大型家電です。輸入家電に高い関税が課されれば、米国内での販売価格にコストが転嫁される可能性があります。また、米国向けにこれらの製品を輸出している企業にとっては、価格設定や生産拠点の見直しを迫られるリスクがあります。
一方で、輸入品に高い関税がかかることで、米国内の家電メーカーが相対的に有利になるとの見方もあります。ただし、部品や材料の一部を海外から調達している場合には、その部分にも関税が波及し、結果として製造コスト全体が押し上げられる可能性も否定できません。
国際貿易と日本への含意
今回の決定は、米国と多くの貿易相手国との関係にも影響を与えます。家電や鉄鋼製品は国境を越えて生産されることが多く、一国の関税政策がサプライチェーン全体に波及する構造になっているからです。
日本やアジアの企業の中には、米国市場向けに家電や関連部品を供給しているところも少なくありません。今回のような高関税が長期化すれば、米国向けビジネスの採算や投資計画を見直さざるをえないケースも出てきそうです。
関税が本当に国家安全保障の強化につながるのか、それとも消費者と企業に新たな負担をもたらすだけなのか。トランプ政権の鉄鋼関税をめぐる動きは、2025年の今も、国際貿易の在り方を考えさせるテーマとなっています。
Reference(s):
Trump expands steel tariffs to home appliances, sets rate at 50%
cgtn.com








