国際ニュース:伊中国商工会議所会頭「未来はワシントンではなく北京に」 video poster
中国は長年、イタリアのアジア最大の貿易相手となっています。世界経済の不透明感が増すなか、中国市場をイタリア企業はどう見ているのでしょうか。CGTNの王天宇(ワン・ティエンユー)記者が、中国・イタリア商工会議所の会頭ロレンツォ・リカルディ氏にインタビューし、「未来はワシントンではなく北京にある」との見方を聞きました。
アジアで最大の貿易相手となった中国
国際ニュースの文脈で見ると、中国はイタリアにとってアジアで最も重要な貿易相手の一つです。機械、ファッション、食品など、多様な分野でモノとサービスの往来が続き、両国の経済関係は長期的に積み上げられてきました。
リカルディ氏は、こうした土台があるからこそ、世界景気が揺らぐ局面でも、多くのイタリア企業が中国市場を「外せない市場」として見ていると指摘します。
「未来は北京に」発言が示すもの
「未来はワシントンではなく北京にある」というメッセージは、単に政治的な比較ではなく、ビジネスの重心がどこに置かれているかを語ったものだと受け止められます。2020年代半ばの今、イタリア企業にとって、中国は次のような意味を持っています。
- 人口規模と購買力を背景にした、大きく多様な消費市場
- 製造業やテクノロジー分野でのパートナーとしての存在感
- 不確実な世界経済のなかでも中長期で成長を見込める市場
こうした要素が重なり、イタリアの経営者にとって「将来を考えるときに向き合わざるを得ない場所」として、北京を象徴とする中国市場が浮かび上がっています。
イタリア企業が見る中国市場のチャンス
インタビューでは、イタリア企業が中国でどのような機会を見ているかも焦点となりました。伝統的な強みである高級ファッションやデザインだけでなく、サステナビリティ(持続可能性)やデジタル化といったテーマでも協力の余地が広がっています。
中小企業にとっての意味
中国・イタリア商工会議所には、中小企業も数多く参加しています。リカルディ氏は、こうした企業にとっても、中国は単なる「遠い巨大市場」ではなく、現地パートナーと連携しながら段階的に存在感を高めていく場になり得ると見ています。
もちろん、文化やビジネス慣行の違い、規制への対応など、課題も少なくありません。しかし、それらを慎重に乗り越えていくことができれば、中長期の成長機会は依然として大きいというのが、同氏の認識です。
欧米の視線とビジネスのリアル
欧米では、安全保障や産業政策をめぐる議論が続いています。そのなかで、イタリア企業はどのようにバランスを取ろうとしているのでしょうか。
リカルディ氏の「未来は北京に」という言葉には、地政学的な緊張が続くとしても、企業は冷静に市場と取引先を見極め、需要が存在する場所で長期的な関係を築こうとする意思がにじみます。政治や外交の議論と、日々のビジネス判断は必ずしも同じ方向だけを向いているわけではありません。
日本の読者への示唆
中国とイタリアの経済関係をめぐる今回のインタビューは、日本の読者にとっても他人事ではありません。多くの国や地域の企業が、中国市場との向き合い方を改めて問い直しているなかで、イタリア企業の視点は一つの参考例になります。
世界経済の重心がゆるやかにシフトする2020年代、どの国の企業も「どの地域を中長期のパートナーとして位置づけるのか」という戦略的な問いに向き合っています。北京か、ワシントンか――単純な二者択一ではないにせよ、どこにどの程度のリソースを配分するのかという判断が、今後の企業の姿を大きく左右していきそうです。
Reference(s):
cgtn.com








