中国、レアアース輸出ライセンス審査を加速 サプライチェーン安定を強調
中国がレアアース関連の輸出ライセンス審査を加速すると表明しました。電気自動車や再生可能エネルギーなどのサプライチェーンにどんな影響が出るのか整理します。
中国商務部、レアアース輸出ライセンス審査を加速
中国商務部は木曜日、レアアース関連の輸出ライセンス申請について、関連法令に基づき審査を加速していると明らかにしました。同省は、世界の産業とサプライチェーンの安定と安全を維持することを一貫して重視してきたと強調しています。
記者会見で説明したのは、中国商務部の報道官である何亜東氏です。レアアース輸出に関する質問に答えるかたちで、現在の対応方針を示しました。
「適法な申請は承認」 審査の厳格化と並行
何氏は、レアアース関連の輸出ライセンスについて、すでに一定数の適法な申請を法令に従って承認したと述べました。そのうえで、今後もこうした申請に対する審査と承認を一層強化していく方針を示しています。
つまり、中国商務部は審査をスピードアップしつつも、法令順守を重視した厳格なチェック自体は維持し、必要に応じて強化していく姿勢です。
輸出管理での対話と「適法な貿易の円滑化」を強調
何氏はまた、輸出管理に関して関係国とのコミュニケーションと対話を強化する用意があると述べました。その目的として、ルールを守った取引、すなわち「適法な貿易」の円滑化を積極的に進めていくとしています。
レアアースは多くの国や地域の企業にとって重要な原材料であり、輸出管理のあり方は国際貿易や投資の流れにも影響します。中国側が対話を通じて透明性と予見可能性を高めようとしている点は、サプライチェーンの安定を求める企業にとって注目すべき動きと言えます。
レアアースはなぜ重要なのか
レアアースと呼ばれる希土類元素は、少量であっても高い機能を発揮する素材として知られています。主な用途には次のようなものがあります。
- 電気自動車やハイブリッド車のモーター用磁石
- 風力発電機など再生可能エネルギー設備
- スマートフォンやパソコンなどデジタル機器の部品
- 各種高性能磁石や特殊ガラスなどの産業用途
こうした分野は、脱炭素やデジタル化といった世界的なトレンドを支える基幹産業です。そのため、レアアースの安定供給は国際経済やエネルギー転換に直結するテーマになっています。
輸出管理とサプライチェーン安定のバランス
今回、中国商務部が示したのは、次のような方向性だと整理できます。
- レアアースの輸出をめぐる審査は、関連法令に基づき引き続きしっかり行う
- 一方で、要件を満たした申請は「一定数すでに承認」しており、今後も適法な申請の処理を加速する
- 輸出管理について関係国との対話を進め、適法な貿易の円滑化を図る
輸出管理を通じて安全保障や産業政策を守りつつ、世界の産業とサプライチェーンの安定も重視するという二つの目的を、どのように両立させるかが焦点となります。
これからの注目ポイント
実務面で、各国の企業や投資家が注目しそうなポイントは次の通りです。
- 輸出ライセンス審査の実際の処理期間がどの程度短縮されるか
- 関係国との対話や情報共有の枠組みがどのようなかたちで整備されるか
- 電気自動車や再生可能エネルギーなど下流産業のコストや調達計画にどのような影響が出るか
中国側が示した「サプライチェーンの安定」と「適法な貿易の円滑化」というメッセージが、今後どのように具体的な制度運用や国際協調のかたちとして現れてくるのか。国際ニュースや経済動向を追ううえで、引き続きウォッチしておきたいテーマです。
Reference(s):
cgtn.com








