貿易と新興産業に焦点 中国-南アジア博が昆明で開幕
中国南西部の雲南省・昆明市で、貿易と新興産業に焦点を当てた第9回中国-南アジア博覧会が開幕し、中国と南アジアの経済連携を象徴する場として注目を集めています。
昆明で第9回中国-南アジア博がスタート
木曜日に開幕した第9回中国-南アジア博覧会は、雲南省の省都・昆明市で6日間の日程で開催されています。会場には、73の国・地域と国際機関から代表団が集まり、企業の出展は2500社を超えました。
南アジアと東南アジアのすべての国・地域が参加しており、中国と南アジアの経済・貿易を結ぶハブとしての役割が一段と強まっています。
16の展示館、7割が専門分野のブース
今回の博覧会では、会場全体に16の展示館が設けられ、その約7割が専門分野に特化した展示となっています。対象となる分野は次のように多岐にわたります。
- 製造業
- グリーンエネルギー
- コーヒー産業
- 伝統中国医学
基幹産業から環境・ヘルスケア関連まで、新興産業を含む幅広いテーマが並ぶことで、参加企業は具体的なビジネスマッチングや技術協力の可能性を探ることができます。
南アジア特設パビリオンに約800ブース
会場には南アジアをテーマにした特設パビリオンが2つ設置され、合計で約800のブースが出展しています。なかでもインドとパキスタンはそれぞれ140ブースを構え、存在感を示しています。
南アジア各国が自国の産品や投資環境をアピールすることで、中国との双方向のビジネスチャンスの可視化が進みそうです。
約40本の経済・貿易イベントを同時開催
博覧会の期間中には、フォーラムや調達商談会など、経済・貿易関連のイベントが約40本予定されています。狙いは、中国と南アジア、さらには周辺地域との協力を一歩踏み込んだものにすることです。
単なる展示会にとどまらず、政策対話や企業同士の商談、地方同士の連携を後押しする場として機能することで、長期的なパートナーシップづくりが期待されています。
2013年から続く地域連携の窓口
中国-南アジア博覧会は、2013年に昆明で初めて開催されました。この年、中国は一帯一路構想を打ち出しており、博覧会もその流れと連動する地域連携のプラットフォームとして位置づけられてきました。
これまでに博覧会を通じて成立した対外貿易取引は累計で1100億ドルを超え、参加した企業は2万社以上に上ります。中国商務省と雲南省政府が共同で主催し、中国と南アジアの経済・貿易関係を強化する重要な窓口となっています。
2024年の中国と南アジアの貿易は約2000億ドルに
中国商務省のデータによると、2024年の中国と南アジア諸国との貿易額は約2000億ドルに近づき、この10年でほぼ倍増しました。年平均の成長率は6.3パーセントとされ、着実な拡大が続いています。
今回の博覧会は、こうした貿易拡大の流れをさらに加速させる役割を担っており、とくに新興分野での協力深化が焦点となっています。
デジタル、低炭素、AI…新興産業での協力拡大へ
開幕式で中国商務省の厳東副部長は、中国が引き続き高度な対外開放を進め、高品質な発展を通じて中国式現代化を推進していく方針を強調しました。その過程で、南アジアを含む各国との協力機会が一層広がると述べました。
厳副部長は、中国が南アジア諸国との貿易・投資関係をさらに深めるとともに、次のような新興分野での協力を拡大していく考えを示しました。
- デジタル経済
- 低炭素開発
- 人工知能(AI)
- バイオ医薬品
こうした分野での連携を通じて、開かれた世界経済の構築をともに進めていく姿勢を示したかたちです。
日本の読者にとってのポイント
中国-南アジア博覧会は、中国と南アジアの間で進む貿易と投資の流れをコンパクトに映し出す場でもあります。グリーンエネルギーやデジタル経済など、世界共通の課題に関わるテーマが前面に出ている点も見逃せません。
南アジア市場の成長性や、サプライチェーンの多様化、低炭素技術へのニーズを考えると、この博覧会で示される方向性は、日本を含むアジア全体のビジネス環境にも少なからず影響を与えていく可能性があります。
国際ニュースとして動向を追うだけでなく、自分の業界や関心分野に引きつけて読んでみると、次の10年の地域経済の姿が少しクリアに見えてくるかもしれません。
Reference(s):
China-South Asia Expo opens with focus on trade, emerging industries
cgtn.com








