中国の消費財下取り補助、2025年も継続 国債3000億元で内需テコ入れ
中国が全国規模の消費財下取り補助制度について、2025年いっぱい政府補助金を継続する方針を改めて示しました。内需拡大とグリーン消費を同時にねらうこの政策は、家電や自動車、スマートフォンなど幅広い分野で消費を押し上げています。
3000億元の国債で下取り補助を下支え
今回の消費財下取りプログラムは、古くなった家電や自動車などの製品を、新しく効率の高いモデルへ買い替えることを後押しする全国的な政策です。中国政府は、2025年の実施に向けて合計3000億元(約418億ドル)の国債を手当てし、地方政府を通じて補助金として還元します。この規模は前年の約2倍とされています。
中央政府による資金配分は段階的に進められており、今年1月と4月には計1620億元が発行され、上半期の実施を支えました。当初の計画では、第3四半期と第4四半期をカバーするために7月と10月にも追加配分を行うとされていました。
国家発展改革委員会の担当者は「現時点で年間補助予算の約半分が利用されており、想定の範囲内のペースだ」と説明しています。
同委員会によると、地方政府は中央と地方の負担比率9対1を基本として資金を拠出することが求められています。さらに、地域ごとの進捗やニーズに応じて、地方が独自に上乗せの補助を行うことも認められています。
販売はすでに2024年通期を上回る勢い
中国商務省によれば、この消費財下取り政策によって2025年の販売額は、すでに2024年1年間の水準を上回ったといいます。スマートフォンや家電、電動自転車など、多様な製品分野で消費者の購買意欲が高まっています。
南開大学の梁峰・准教授は「この取り組みは、消費支出を押し上げるうえで非常に重要な役割を果たしている」と評価しています。
数字で見る下取りプログラムの効果
商務省がまとめた5月末時点のデータでは、次のような結果が示されています。
- 5つの主要な消費財カテゴリーで、今年の販売額は合計1.1兆元に達した
- 消費者に直接支払われた補助金は約1億7500万件に上る
- 国家統計局の統計では、5月の家電・視聴覚機器の販売額は前年同月比53%増
- 通信機器(スマートフォンなど)の販売額も前年同月比33%増
北京市内でオッポ(Oppo)のスマートフォン販売店を運営する呉志栄氏は、「下取り政策が当店の1日の売上の半分以上を占める日もある。多くの新製品が補助の対象になっており、消費者への訴求力は非常に大きい」と話しています。
各地で広がるローカル施策の工夫
今後について商務省の担当者は、地方政府が割り当てられた資金を十分に活用し、制度を着実かつ秩序立って実施するよう促していくとしています。そのなかで、各地の自治体は地域の実情に合わせた工夫を進めています。
北京市の商務当局は、補助対象を拡大し、高齢者にも使いやすいスマート家電に重点を置く新たな方針を発表しました。新制度のもとでは、スマートトイレやロボット掃除機、スマートロック、生ごみ処理機などを購入した市民は、最終販売価格の最大15%(上限2000元)の補助を受けることができます。
山東省では、自動車の下取り補助の申請手続きを簡素化し、上海市は国の補助と市の補助、企業による割引をオンラインと店舗の両方で組み合わせる仕組みを導入しました。雲南省や陝西省、四川省など他の省でも、関連する施策の強化が進められています。
中央財経大学の姚冬敏教授は「地方の取り組みを見ると、このプログラムは目先の売上を押し上げるだけでなく、製品の高度化や産業構造の転換も後押ししている」と指摘します。制度設計の改善と財政支援の拡大が進めば、より多くの消費者に利益が広がるとの見方を示しました。
グリーン消費と長期成長への期待
現在の下取りプログラムは主に、自動車、家電、デジタル機器を対象としていますが、専門家の間では、今後はスポーツ用品などにも対象を広げ、多様な消費ニーズに応えるべきだとの意見も出ています。これにより、関連産業の裾野拡大も期待されています。
政策の特徴の一つは、省エネ性能の高い製品や環境負荷の小さい製品に対して、より手厚い補助を行っている点です。消費者にグリーンでエネルギー効率の良い製品を選ぶインセンティブを与えることで、持続可能な消費スタイルの定着を促そうとしています。
北京大学の王浩教授は、この仕組みによって中国の製造業は技術革新とグリーン技術への転換を迫られつつも、成長の新たなチャンスを得ると見ています。
国家発展改革委員会系のシンクタンクに所属する黄正学研究員は、下取りイニシアチブを他の需要喚起策と組み合わせれば、相乗効果のある政策パッケージになり得ると指摘します。「有望な消費分野に焦点を当て、下取り政策を着実に実行できれば、消費の潜在力をさらに引き出し、中国経済の長期的な発展を支えることができる」と強調しました。
中国経済にとって、今回の消費財下取りプログラムは、内需拡大と産業高度化、グリーン転換を同時に進める政策として位置付けられています。その行方は、中国市場の動向を見守る企業や投資家にとっても、引き続き重要な関心事となりそうです。
Reference(s):
China pledges continued funding for consumer goods trade-in subsidies
cgtn.com








