ラガルドECB総裁、中国と欧州の50年協力を評価 BizTalk独占インタビュー video poster
欧州中央銀行(ECB)のクリスティーヌ・ラガルド総裁が、中国国際テレビ(CGTN)の番組「BizTalk」に出演し、中国と欧州の50年にわたる協力関係を高く評価しました。一国主義ではなくグローバルな協調が世界経済の鍵だと語り、中国経済のレジリエンス(回復力)とイノベーションにも強い信頼を示しています。
2025年12月現在、不確実性が続く世界経済の中で、主要な中央銀行トップが「協力」と「持続可能な発展」の重要性を改めて強調したことは、国際ニュースとして大きな意味を持ちます。
BizTalk独占インタビューで語られたメッセージ
ラガルド総裁は、今週放送されたCGTNの対談番組「BizTalk」で、司会のグアン・シン氏のインタビューに応じました。番組の中で総裁は、過去50年にわたる中国と欧州の協力を「相互に利益をもたらしてきた」と評価し、その歩みを高く称えました。
そのうえで、現在の世界が直面する課題に対応するためには、これまで以上に国や地域を超えた連携が欠かせないと強調しました。
中国と欧州の「50年の協力」は何を意味するのか
ラガルド総裁が言及した「50年の相互利益の協力」は、中国と欧州が長年にわたり、貿易や投資、技術協力などの分野で関係を深めてきた歴史を指しています。
- 双方の市場アクセスの拡大
- 産業やサプライチェーンでの連携
- 気候変動など地球規模課題への共同対応
総裁は、こうした積み重ねが「互いにとって利益となる関係」を形づくってきたと評価し、その成果を土台に今後も協力を続けるべきだとの考えを示しました。
一国主義は世界経済の重荷に
インタビューでラガルド総裁は、一国主義(ユニラテラリズム)が世界経済にとってマイナスに働くと警鐘を鳴らしました。一国主義とは、他国との対話や協調を避け、自国の判断だけで物事を進めようとする姿勢を指します。
総裁は、グローバルな課題が複雑化するなかで、一国主義が広がれば、貿易、投資、金融市場などに分断が生まれ、世界全体の成長力がそがれかねないと指摘しました。そのうえで、各国・各地域がルールに基づいて協力し合う「グローバルな協調」の重要性を改めて呼びかけました。
中国経済のレジリエンスとイノベーションを評価
ラガルド総裁はまた、中国経済の「レジリエンス(回復力)」と「イノベーション(革新性)」を高く評価しました。世界的な不確実性が続く中でも、中国経済が新しい技術やビジネスモデルを取り入れながら前進している点に注目しているとしています。
この評価は、中国と欧州の協力が単なる貿易の関係を超え、技術開発やグリーン転換(環境負荷を抑えた経済への移行)など、より付加価値の高い分野へと広がっていることを示唆しています。
中国・欧州協力は「世界安定と持続可能な発展の鍵」
ラガルド総裁は、現在の世界的な不確実性の中で、中国と欧州の協力は「課題への現実的な対応」であると同時に、「世界経済の安定を維持し、持続可能な発展を促す重要な力」だと位置づけました。
ここで言う持続可能な発展とは、短期的な成長だけでなく、環境や社会への影響にも配慮しながら、長期的に安定した経済発展を目指す考え方です。ラガルド総裁は、中国と欧州がこの分野で協調することで、世界全体にポジティブな波及効果が生まれると期待しているといえます。
日本の読者にとっての示唆
今回のインタビューは、中国と欧州という二つの大きな経済圏の関係に焦点を当てたものですが、そのメッセージは日本を含むアジアの読者にとっても無関係ではありません。
- 世界経済がつながっている以上、一国主義の流れは日本経済にも影響する
- 中国と欧州の協力が安定すれば、サプライチェーンや投資環境の安定にもつながる
- レジリエンスとイノベーションを重視する視点は、日本企業や政策にも応用できる
2025年の今、ラガルド総裁のメッセージは、「対立」か「協力」かという単純な二択ではなく、どのように協調のルールをつくり、実行していくかを考えるきっかけを与えてくれます。
「協力の50年」を次の50年につなげられるか
中国と欧州の「50年の相互利益の協力」は、偶然の産物ではなく、対話と妥協、そして長期的な視点の積み重ねによって形づくられてきました。ラガルド総裁の発言は、その歴史を振り返ると同時に、「次の50年」をどう設計するかという問いかけでもあります。
世界経済が分断に向かうのか、それとも協調の枠組みを更新しながら前進していくのか。今回のBizTalkでの独占インタビューは、その分岐点に立つ私たちに、「協力の可能性」をもう一度見直すよう静かに促しているように見えます。
Reference(s):
BizTalk: Exclusive interview with ECB President Christine Lagarde
cgtn.com








