中国がEUの医療機器調達制限に反発 保護主義的措置と批判
EUが一定規模以上の医療機器の公共調達から中国企業を除外する方針を示したことに対し、中国商務省が強く反発しました。国際ニュースとして、中国とEUの経済関係にどのような影響が出るのかが注目されています。
EUの公共調達から中国企業を除外 対象は500万ユーロ超の医療機器
報道によりますと、欧州委員会は、調達額が500万ユーロ(約535万ドル)を超える医療機器について、EU域内の政府による公共調達から中国企業を事実上除外する決定を行いました。
この決定により、中国企業や中国製の医療機器は、EU域内の大型の公共調達案件への参加が制限されることになります。
中国商務省「新たな保護主義の壁」 決定に断固反対
こうした動きを受け、中国商務省の報道官は記者の質問に答える形でコメントを発表し、EUの措置に対して「断固反対」の立場を示しました。
報道官は、今回の決定について、次のような点を指摘しています。
- 中国企業や中国製品を主要な医療機器の公共調達から制限する「保護主義的な動き」である
- 中国側はこれまで二国間対話を通じて善意と誠意を繰り返し示してきたにもかかわらず、EUは一方的な手段を用いて新たな保護主義の壁を築いた
- この措置は中国企業の利益を損なうだけでなく、公平な競争を著しく損なう
そのうえで、中国はEUに対し、ただちに「誤った行動」を改めるよう求めました。
中国「正当な権益を守る措置を取る」 一方で対話継続にも意欲
中国商務省の報道官は、EUの決定が続く場合、中国が中国企業の「合法的な権利と利益」を守るために必要な措置を取る方針もあわせて示しました。具体的な内容には触れていませんが、対抗措置の可能性を含みつつ、自国企業の保護姿勢を明確にした形です。
一方で、中国側は対話の継続にも言及しています。今年(2025年)は、中国とEUの外交関係樹立50周年にあたる節目の年です。報道官は、中国とEUの全体的な経済・貿易関係の枠組みを踏まえ、
- 引き続き対話と協議を行う意思があること
- 経済・貿易分野の摩擦を適切に処理すること
- 中国とEUのビジネス協力に対する信頼と期待を安定させたいこと
を強調しました。
医療機器と公共調達 そのインパクトは
医療機器は、高齢化や医療需要の増加にともない、各国・各地域の公共財政でも重要度が高い分野です。EUの大規模な公共調達市場は、中国企業にとってもこれまで重要なビジネスの場となってきました。
今回のように、特定の国や地域の企業を公共調達から除外する決定は、次のような影響を及ぼす可能性があります。
- 競争の枠組みが変化し、入札に参加できる企業の構成が偏る
- 調達価格やイノベーション(技術革新)の動きに影響が出る可能性
- 他分野の通商・投資を含めた中国とEUの関係全体への波及
中国側は「公平な競争」が損なわれると強調しており、今回の問題を単なる一分野の取引にとどまらない、保護主義と市場アクセスのあり方をめぐる問題として捉えています。
中国とEUの通商関係に何を示すのか
今年で外交関係樹立50周年を迎えた中国とEUは、長年にわたり経済・貿易のパートナーとして関係を深めてきました。その一方で、ここ数年は通商上の摩擦や規制強化が目立つ場面も増えています。
今回の医療機器調達をめぐる動きは、次のような問いを投げかけます。
- 安全保障や産業政策を理由とした規制強化と、「公平な競争」や市場開放のバランスをどうとるのか
- 二国間対話を通じてどこまで摩擦を管理できるのか
- 企業や投資家は、規制リスクをどう織り込みつつ中国とEUのビジネスを継続・拡大していくのか
中国側は、対抗措置の可能性を示しつつも対話継続の姿勢を強調しており、今後の交渉の行方が注視されています。
日本の読者への意味合い
今回の国際ニュースは、日本の読者や企業にとっても無関係ではありません。医療機器や医療サービスは、多国籍なサプライチェーンや技術協力を通じて成り立っており、中国とEUの間で保護主義や規制が強まれば、世界全体の市場環境にも変化が生じうるためです。
今後、中国とEUがどのように対話を進め、公共調達や市場アクセスのルールを再調整していくのか。日本を含む各国の企業・政策担当者は、そのプロセスを注視しながら、自らの戦略やリスク管理を見直す局面に立たされていると言えます。
Reference(s):
China voices opposition to EU's limits on medical device procurement
cgtn.com








