サマーダボス2025:起業家が語る「1ワードの起業家精神」 video poster
2025年に開催された第16回ニュー・チャンピオンズ年次総会(サマーダボス)は、「Entrepreneurship for a New Era(新しい時代の起業家精神)」をテーマに、世界各地の起業家たちが集まりました。彼らはこの「起業家精神」を、あえて1つの言葉で表現するとしたら何か、と問われ、自らの経験と視点を語りました。
第16回サマーダボスのテーマ:「新しい時代の起業家精神」
サマーダボスは、新しいアイデアやビジネスモデルを持つ起業家やビジネスリーダーが集まり、世界経済の行方や社会課題について議論する場です。2025年の第16回会合では、「Entrepreneurship for a New Era」というテーマのもと、テクノロジーの進展や社会の分断、環境問題など、激しく変化する世界の中で、起業家に求められる姿勢が改めて問われました。
会場では、英語ニュースチャンネルCGTNの記者ニナ・リウ氏が、登壇した起業家たちに「あなたにとって起業家精神を1つの言葉で表すなら?」と問いかけ、その答えから今の世界が求める価値観が浮かび上がりました。
「1ワード」で浮かび上がった起業家精神のエッセンス
起業家たちの答えは多様でしたが、議論の方向性を象徴するキーワードとして、いくつか共通する言葉が見えてきます。以下は、その代表的なものです。
レジリエンス:逆風の中でしなやかに立ち続ける
ある起業家は、パンデミックや不安定な市場環境を乗り越えた経験から、起業家精神を「レジリエンス(しなやかな回復力)」と表現しました。失敗や危機を「終わり」と捉えるのではなく、学びのきっかけに変え、事業や組織を進化させていく力こそが、新しい時代に生き残る条件だという視点です。
パーパス:利益と社会価値をつなぐ軸
別の起業家は、「パーパス(存在意義)」という言葉を挙げました。単に売上や利益を追うだけでなく、「自分たちはなぜこの事業をするのか」「社会にどんな意味をもたらしたいのか」という問いを持ち続けることが、社員や顧客、投資家からの共感を生み出すと指摘します。
コラボレーション:国や業界を超えた共創
スタートアップだけで複雑な社会課題を解決することは難しくなっています。そのため、「コラボレーション(協働)」をキーワードに挙げる起業家もいました。異なる業界や地域のパートナーと組み、互いの強みを組み合わせて新しい解決策を生み出す発想です。
インクルージョン:多様な声を取り込む姿勢
起業家精神を「インクルージョン(包摂)」と捉える声も目立ちました。性別、年齢、国・地域、バックグラウンドの異なる人々の視点を事業に取り込むことが、新しいアイデアと市場を開きます。多様なチームづくりや、ユーザーの声を丁寧に聞き続ける姿勢が、持続的な成長につながるという考え方です。
イノベーション:変化を恐れず試し続ける
もちろん、起業家精神を象徴する言葉として「イノベーション(革新)」も欠かせません。ここでのイノベーションは、大きな技術発明だけを意味しません。小さな改善や、新しい組み合わせを日々試し続けるマインドそのものが、変化の激しい時代を生き抜く原動力だと強調されました。
なぜ今、「新しい時代の起業家精神」が問われるのか
2025年の世界は、経済の不確実性、地政学的な緊張、気候変動、急速なデジタル化など、複数の変化が同時に進行しています。こうした環境の中で、サマーダボスの議論は、次のような課題意識を共有しているように見えます。
- 社会課題が複雑化し、1つの企業や国だけでは解決できないテーマが増えている
- AIやデジタル技術が仕事や産業構造を大きく変えつつあり、新しいスキルと倫理観が求められている
- 若い世代を中心に、「何のために働くのか」「どんな社会をつくりたいのか」という価値観が重視されている
こうした文脈で、「レジリエンス」「パーパス」「コラボレーション」「インクルージョン」「イノベーション」といったキーワードは、単なる流行語ではなく、新しい時代のビジネスの前提条件として語られています。
日本の読者への問いかけ:あなたの「1ワード」は何ですか
サマーダボスで交わされた「1ワード」の対話は、日本で働く私たちにもそのまま返ってくる問いです。自分自身や自社の起業家精神を、もし1つの言葉で表すとしたら、何を選ぶでしょうか。
日々忙しく働く中でも、次のような小さなステップから始めることができます。
- 自分や自社の「軸」だと思う言葉を1つ選び、メモに書き出してみる
- なぜその言葉なのか、具体的なエピソードや行動とセットで言語化してみる
- 同僚や友人、オンラインコミュニティでその「1ワード」を共有し、互いの考えを聞いてみる
サマーダボスで交わされた起業家たちの声は、新しい時代をどう生き、どんな社会をつくりたいのかを問い直すきっかけを与えてくれます。国や業界を問わず、私たち一人ひとりが自分の「1ワード」を持つことが、次の時代の変化を形づくる第一歩になるのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








