トランプ氏、超富裕層グループによるTikTok買収計画 中国本土の承認がカギ
トランプ氏、超富裕層グループによるTikTok買収計画
2024年、短編動画アプリTikTokを巡る米国の動きが世界の注目を集めました。そのなかで、当時の米大統領ドナルド・トランプ氏が、超富裕層の投資家グループによるTikTok買収計画が進んでいると語っていたことが明らかになっています。本記事では、その発言内容と背景を整理し、デジタル時代の政治とテクノロジーの関係を考えます。
Foxニュースで明かされた買い手候補
トランプ氏は、日曜日に放送された米メディア、フォックスニュースのインタビューで、短編動画アプリTikTokの買い手を見つけたと述べました。その買い手について、氏は「非常に裕福な人々」から成るグループだと説明し、具体的な名前はおよそ2週間後に公表するとしています。トランプ氏は、2024年11月の米大統領選挙で、自身の若年層支持を高めるうえでTikTokが役割を果たしたとみており、政治的にも関わりの深いアプリを巡る発言として注目されました。
取引の前提となる中国本土の承認
トランプ氏によれば、検討中の買収スキームを前に進めるには、中国本土側の承認が必要になる可能性があります。氏はインタビューのなかで、中国本土がこの取引を承認する見通しが高いと自信を示しました。TikTokの親会社であるバイトダンスは中国本土に拠点を置いており、国境をまたぐ大規模な事業再編では、各国当局の承認手続きが欠かせません。今回の買収構想も、米国だけでなく中国本土の制度や判断が重要な要素になっていることが分かります。
2024年米国法と相次ぐ期限延長
背景には、2024年に成立した米国の法律があります。この法律は、TikTokが米国内で事業を継続するためには、親会社バイトダンスによる米国事業の売却を求めるもので、売却が完了するか、少なくとも大きく進展したと示せなければ、1月19日までに米国内での運営を停止しなければならないと定めていました。トランプ氏は、こうした厳しい締め切りのなかで、大統領権限を使って期限を3回延長してきたとされています。その一環として、バイトダンスがTikTokの米国資産を売却するための期限を9月17日まで引き延ばしました。2025年12月の今から振り返ると、この一連の期限設定と延長は、デジタル企業を巡る規制が、政治的判断と密接に結びついていることを象徴する出来事だったと言えます。
一度は検討された米国新会社案
2024年の春ごろには、TikTokの米国事業を切り離し、米国を拠点とする新会社として上場させる構想も検討されていました。この新会社は米国投資家が過半数を保有し、運営も米国側が担うという形で、安全保障やデータ保護への懸念に応えようとする狙いがあったとされています。しかし、トランプ氏が中国本土からの輸入品に対して高い関税を課す方針を打ち出した後、中国本土側がこのスキームを承認しない姿勢を示したことで、計画は一時中断されました。国際的なテクノロジー企業の事業再編が、単なるビジネス判断だけでなく、貿易政策や外交関係とも連動している様子がうかがえます。
若年層支持とSNSの政治的な重み
トランプ氏は、自身の若年層支持の拡大にTikTokが貢献したと評価しているとされています。若い有権者にリーチし、メッセージを届けるプラットフォームとして、SNSの存在感は年々高まっています。その一方で、特定のプラットフォームが規制や売却の対象となると、政治家は自らの支持基盤に影響が出かねない繊細な判断を迫られます。今回のケースは、政治家が利用する情報基盤そのものが政策の対象となる時代に入っていることを示しています。
2025年の視点から見えるもの
2025年12月の今、TikTokを巡る議論は、単一のアプリを超えて、デジタルプラットフォームと国家の関係を考える素材となっています。今回のトランプ氏の発言や2024年の米国法を振り返ると、少なくとも次の3点が浮かび上がります。
- 巨大SNSは、もはや娯楽だけでなく、政治や安全保障、経済政策とも密接に結びついていること
- 規制や売却を巡るルールは、企業だけでなく、日々アプリを使う利用者の体験にも直接影響すること
- 一国の政策判断が、他国の規制や企業戦略とも絡み合い、グローバルな調整を必要としていること
日本の利用者にとっても、今回のTikTokを巡る動きは、普段何気なく使っているアプリが、どのようなルールや交渉のもとで成り立っているのかを考えるきっかけになります。ニュースを追いながら、自分が使うデジタルサービスの裏側にある仕組みや利害関係にも、少し目を向けてみる価値がありそうです。
Reference(s):
cgtn.com








