中国本土の製造業PMIが2カ月連続上昇 6月は49.7に改善
中国本土の景気動向を示す重要指標である製造業購買担当者指数(PMI)が、2025年6月に2カ月連続で上昇しました。供給と需要の両面で持ち直しが見られ、回復の裾野が広がりつつあります。
中国本土の製造業PMI、6月は49.7に上昇
中国国家統計局(NBS)の発表によると、2025年6月の製造業PMIは49.7となり、5月から0.2ポイント上昇しました。これで2カ月連続の改善となります。
PMIは「50」が景気の分かれ目とされ、50以上で景気拡大、50未満で景気減速を示します。6月の数値は依然として50を下回っているため、全体としては慎重な環境が続いていますが、足元では下げ止まりから持ち直しに向かう動きがうかがえます。
非製造業PMIは50.5 サービスや建設は拡大維持
同じ期間の非製造業PMI(サービス業や建設業などを含む)は50.5と、前月から0.2ポイント上昇しました。非製造業は拡大を示す50以上を保っており、中国本土の内需やサービス分野が底堅く推移していることを示しています。
製造業が50をわずかに下回る一方で、非製造業は拡大圏を維持している構図で、経済全体としては「製造業の持ち直し+サービスの底堅さ」という組み合わせになっています。
生産指数51.0、新規受注50.2 供給と需要がそろって改善
より詳しい内訳を見ると、供給と需要の両方で改善が進んでいます。
- 生産指数:51.0(前月比+0.3ポイント)
- 新規受注指数:50.2(2カ月連続で50を下回ったあと、拡大圏に再び復帰)
生産指数が51.0と拡大圏にあるだけでなく、新規受注が50.2と「受注の増加」を示す水準に戻ったことで、需要面の弱さがやや和らいだ形です。単に在庫を積み増しているのではなく、実際の注文が増え始めている可能性がうかがえます。
21業種のうち11業種が拡大圏 回復の裾野が広がる
今回の調査対象となった21の製造業のうち、11業種が拡大を示す水準となりました。拡大圏の業種数は5月から4業種増えており、回復傾向が一部の分野にとどまらず、より多くの業種へ広がっていることが分かります。
これは、特定の輸出関連分野やハイテク分野だけでなく、より幅広い製造業で生産や受注が底打ちしつつあることを示すサインといえます。
数字から読み解く中国本土経済の今
今回のPMIは、次のようなメッセージを含んでいると考えられます。
- 製造業全体の景況感はなお慎重(49.7)だが、悪化局面からは明確に脱しつつある
- 非製造業(50.5)は拡大基調を維持し、サービスや建設分野が経済を下支えしている
- 生産と新規受注がそろって拡大圏にあり、供給・需要の両面で改善が進んでいる
- 拡大を続ける業種の数が増え、回復の裾野が広がっている
個々の月の数値だけを見るよりも、トレンドとして「底打ち→持ち直し」に向かっているかどうかを確認することが重要です。今回の結果は、その流れを裏付ける内容といえます。
日本や世界経済への示唆
中国本土は世界有数の製造拠点であり、同地域の製造業PMIは、世界の貿易やサプライチェーンを読むうえで欠かせない指標です。PMIの改善は、部品や素材の需要、設備投資の動き、輸出入の流れに少しずつ変化が出始めている可能性を示します。
日本企業にとっても、中国本土の景況感は、輸出や現地生産、観光需要などさまざまな面で影響を及ぼします。今回のデータは、慎重さを残しつつも、悲観一色ではない現状を示す材料といえるでしょう。
これからのチェックポイント
今後数カ月のデータを見るうえで、特に注目したいポイントは次のとおりです。
- 製造業PMIが今後、50を上回る水準まで持ち直せるか
- 新規受注や生産の拡大が、どの程度の期間続くか
- 製造業と非製造業の景況感の差が縮まるかどうか
- 拡大圏にある業種の数が、さらに増えるかどうか
月次のPMIは変動も大きい指標ですが、流れを追っていくことで、中国本土経済の方向性や、アジア・世界経済への波及を読み解くヒントになります。ニュースの背後にあるトレンドを意識して追いかけることで、日々の数字がより「自分ごと」として見えてくるはずです。
Reference(s):
cgtn.com








